目次
今回はピルの買い方について説明するよ!
- ピルってどうやって買うの?
- オンライン処方ってなに?
- 病院での診察は必要?
ピルの利用を検討する方のなかには、このような疑問を抱える方も多いでしょう。オンライン診療も主流となりつつある今だからこそ、どちらの方法で購入すれば良いのか迷う方も少なくありません。
今回は、ピルの買い方についてご紹介します。クリニックでの買い方はもちろん、オンライン処方を検討する方へ、それぞれの買い方や流れ、必要なものについて解説しています。
自分にあったピルを見つけながら、ライフスタイルにあわせた買い方を選びましょう。
ピルの買い方は2種類
海外ではドラッグストアなどの店頭で購入できるピルですが、日本では以下2種類の方法でのみ購入できます。
- クリニック処方
- オンライン処方
ピルの市販化については、以下の理由によって解禁されていないのが現状です。
- 誤った使い方が広まる
- 副作用のリスクが高い人もピルを購入しやすくなる
誤使用や体にあわない人が使用しないよう、日本では”医療用医薬品“に分類し、医師の診察を受けてから処方する決まりになっています。
ここからはピル処方における背景を踏まえ、クリニック処方とオンライン処方の違いについて解説します。
クリニック処方
クリニック処方は”偽物のピルを買わされる危険性が低い“といった特徴が挙げられます。医療機関を受診することで適切な検査を受けられるため、自分にあったピルを探しやすいのです。
医師の診察や問診を経てから処方されるので、利用目的や体調なども考慮した上で体に負担の少ないピルを探せます。
オンライン処方
オンライン処方は、どのようなスケジュールにも合わせやすい診察方法です。オンライン処方は以下のような方を中心に利用されています。
- スケジュールなどの都合でクリニックに行けない人
- 人に会うことなくピルを処方してもらいたい人
たとえば、「体調不良が重なって次回のピルをもらいたいけれど医療機関に行けない」といった方もいます。ライフスタイルやプライバシーを重視したい方には効果的な買い方といえるでしょう。
「どこのクリニックが良いのかわからない」と悩む方にも、オンライン処方は利用しやすいね!
ポイント
- クリニック処方は対面で医師の診察を受けられる
- 細かな部分まで相談できるので、自分にあったものを探しやすい
- オンライン処方は、さまざまな理由によって多くの人に利用されている
- スケジュールや体調、プライバシーを優先したい人にはオンライン処方がおすすめ
クリニック処方の場合の流れと必要なもの
クリニック処方の場合は予約や受診、細かな検査が必要です。ここでは以下の2つを中心にご紹介します。
クリニック処方を検討するなら、必要なものについてもしっかり押さえておこう!
- 一般的な流れ
- 必要なもの
一般的な流れ
クリニック処方の場合の一般的な流れは以下のとおりです。
- 予約
- 受付・受診
- 検査
- 会計・処方
それぞれどのような内容か押さえておきましょう。
予約
クリニック処方では最初に予約をします。クリニックによっては予約なしで受けられる場合もあるため、予約の有無については受診するクリニックに確認すると良いでしょう。
受付・受診
次に受付・受診です。予約した日時にクリニックへ向かい、問診票に必要事項を記入し、診察をします。
検査
診察後は検査をする場合があります。検査内容には以下のものが挙げられます。
- 採血
- 子宮頸がん検査
- 肝機能検査
- 経膣超音波など
経膣超音波とは膣に超音波の出る装置を挿入して行われる検査のことです。内診では衣類や下着を脱いで行うため、着脱しやすいものを身につけましょう。ストッキングを着用すると着脱によって伝染する場合があるので、あらかじめ脱いでおくか靴下を持参すると安心です。
会計・処方
診察や検査が終わったら、最後に会計と処方があります。クリニックによっては現金払いのみに対応するケースも少なくありません。下記価格表を参考にしながら、ピルと受診料を計算して現金を用意しておくと良いでしょう。
超低用量ピル | 低用量ピル | 中用量ピル | アフターピル | |
費用 | 約2,500〜10,500円 | 約1,600~3,000円 | 約3,000~5,000円 | 約4,000~15,000円 |
必要なもの
クリニック処方の場合に必要なものは、以下のとおりです。
- 健康保険資格証明書(保険証)
- 子宮がん検診などの検査結果書類
健康保険資格証明書(保険証)
はじめてクリニックを受診される方は健康保険資格証明書(保険証)を持参しましょう。なお、受診する際は必ず有効期限を確認してから受診してください。
子宮がん検診などの検査結果書類
クリニックでは子宮頸がん検査を実施する場合もあります。1〜3ヵ月以内に子宮頸がん検診や子宮がん検診などを済ませており、各書類が手元にあるときは持参することをおすすめします。
ポイント
- クリニックで予約する
- 予約日当日は着脱しやすい衣類を着て向かう
- 健康保険資格証明書(保険証)の有効期限を確認してから持参する
- 1~3ヵ月以内に子宮頸がん検査などを済ませた場合は検査結果の分かる書類も持参する
オンライン処方の場合の流れと必要なもの
オンライン処方を利用する場合は、処方の流れがクリニックと異なります。ここでは、下記項目について詳しく解説します。
- 一般的な流れ
- 必要なもの
オンライン処方はどのような流れなんだろう? 一緒に見ていこう!
一般的な流れ
オンライン処方を利用する場合の一般的な流れは以下のとおりです。
- オンライン処方に対応したクリニックを探す
- オンラインで受診する
- 決められた支払い方法で料金を支払う
- 郵送、または最寄りの調剤薬局で受け取る
オンライン処方に対応したクリニックを探す
まずはオンライン処方に対応したクリニックを探しましょう。気になるクリニックが見つかったら、ネット上で住所や氏名、受診目的などを記入の上オンライン受診の予約をします。
なお、現在では『スマルナ』や『メデリピル』など、ピル専門のオンライン診療サービスもあります。オンライン診療サービスも予約が必要になるので注意してください。
オンラインで受診する
予約日当日を迎えたら、医師による問診を受けましょう。電話やスマートフォン、タブレットやパソコンなどのツールを使って15〜30分程度の問診が行われます。
はじめてピルの相談をする方だと、不安や疑問を細かく医師に相談することになるでしょう。診療時間は相談する項目が多いほど伸びます。できる限り時間に余裕がある日を選びましょう。
決められた支払い方法で料金を支払う
受診、問診票の作成が終わったら、指定の方法で料金を支払いましょう。クリニックによってはクレジットカードや銀行振込のほか、NP後払いやPaidyに対応しています。利用しやすい方法を選び料金を支払ったら、ピルの到着を待ちましょう。
郵送、または最寄りの調剤薬局で受け取る
クリニックによっては入金確認後にピルを発送します。できるだけ早くピルを受け取りたい方は、指定された銀行に入金すると発送までがスムーズです。
なお、アフターピルは性行後72時間以内と早めの服用が求められます。そのため、クリニックによっては利用者の自宅に近い調剤薬局からの処方で対応する場合もあります。アフターピルを希望する方は、あらかじめ最寄りの調剤薬局を調べておくと良いでしょう。
必要なもの
オンライン処方で必要なものは以下のとおりです。
- 健康保険資格証明書(保険証)
- スマートフォンやタブレット、パソコン
- クレジットカード
オンライン処方を受ける場合であっても、健康保険資格証明書やクレジットカードが必要になる場合があります。なお、オンライン診療サービスの場合はNP後払いやPaidyなども利用可能です。利用しやすいタイプを選びましょう。
サービス、またはアプリから必要書類を送付
クリニックによるオンライン処方やオンライン診療サービスを利用する場合、必要書類の送付を求められる場合があります。この場合の必要書類とは名前や住所、ピルを希望する理由や受け取り方法など、問診票の作成に必要なもののことです。
なお、クリニックなどによっては診療申込書や問診チェックシートなどをプリントアウトして指定アドレスに送付する場合もあります。指定された方法で漏れのないように項目の入力や書類を送付してください。
ポイント
- オンライン処方にはクリニックとオンライン診療サービスの2種類ある
- いずれも健康保険資格証明書(保険証)や個人を証明できる書類が必要
- 問診票の作成にともない、名前や住所、ピルの目的などを入力する場合もある
- オンライン診療サービスではNP後払いなどにも対応している
- 支払い方法や利用のしやすさなどから選ぶのがおすすめ
ピルを買うなら!4つの注意点
PMS諸症状の緩和や避妊目的など、さまざまな理由からピルの購入を検討する場合、4つの注意点について押さえておきましょう。
日本ではピルは処方箋が必要な医療用医薬品に分類されるんだ。だからこそ、ピルを利用する前に注意点についてしっかり目を通しておこう!
- 小中高校生の購入は親の同意が必要
- 副作用や飲み合わせなどを把握する必要がある
- 安易に購入可能なピルはリスクが潜む可能性も
- 長期的な服用には高額な費用がかかる
小中高校生の購入は親の同意が必要
小中高校生の場合のピル処方においては親の同意が必要です。これはピルの服用において考えられる副作用の説明や、利用目的に対するメリット・デメリットを伝えなければならないためです。なお、クリニックやピルの目的によっては、親の同席が求められる場合もあります。
未成年の判断のみでピルの購入が可能になると、体質によっては副作用が強く表れてしまい、重篤な症状が見られる可能性があります。患者の安全面を考慮した上で処方するための同意、同席ですから、未成年の方は留意した上で検討しましょう。
副作用や飲み合わせなどを把握する必要がある
ピルは内服によってホルモンを取り込む医療用医薬品です。そのため、体質によっては飲み合わせや食べ合わせによって副作用が強く出る可能性があります。特に、医療機関から処方された薬には禁忌とされるものもあるため注意が必要です。
利用目的とあわせて現状の内服薬があっているかどうかを判断するためにも、医師から説明を受けた上で利用を検討しましょう。
安易に購入可能なピルはリスクが潜む可能性も
オンライン処方に対応したクリニックや、オンライン診療サービス以外にもピルを購入できるサイトがあります。
低価格や診察なしで購入できる一方で、日本では許可されていない成分が含まれているなどあらゆる危険が潜んでいます。つまり、安全性や有効性が保証されていないものが多くあるのです。
人に知られずにピルを購入したいために、手頃に購入できるネット通販を利用するのは大変危険です。安易に購入可能なピルには大きなリスクが潜んでいることを理解しましょう。
長期的な服用には高額な費用がかかる
PMS諸症状の緩和や避妊など、さまざまな目的で用いられるピルですが、継続して服用する場合には高額な費用がかかることも視野に入れましょう。
ピルの種類には大きく分けて4つあり、利用目的にあわせて選ぶことが可能です。避妊を目的としたピルを選ぶ場合は低用量ピルが有効ですが、価格は1シート1,600円〜3,000円からが一般的です。
超低用量ピル | 低用量ピル | 中用量ピル | アフターピル | |
費用 | 約2,500〜10,500円 | 約1,600~3,000円 | 約3,000~5,000円 | 約4,000~15,000円 |
もし1,600円だったとしても1年で19,200円かかり、これに診察代も加わるため、20,000円プラスαの料金が1年でかかる計算になります。
避妊を目的とする場合は、装着型避妊具の『ミレーナ』を検討するのも方法のひとつです。ミレーナは初期費用が40,000~50,000円ほどかかりますが、避妊効果が最大5年持続するといわれています。
60ヵ月(5年)で40,000円を割ると毎月667円ほど、低用量ピルだと1,600円〜3,000円なので、目的によってはミレーナを検討するのも効果的です。
ピルの服用を検討する場合は、利用目的を明確にすること、そしてどれくらいの期間服用する予定なのかを決めておくことです。そうすることで、より自分にあった方法を見つけやすくなるでしょう。
ポイント
- 小中高校生の購入にあたっては親の同意、または同席が必要になるケースがある
- ピルを検討する場合は、副作用やあわない人がいることも押さえておく
- 安易に購入できるネット通販は安く利用できる一方で大きなリスクが潜んでいる
- 長期で利用する場合は費用が高額になる
- 利用目的によってはほかの方法が有効な場合もある
買い方を知る前に自分に合ったピルを選ぼう
ピルにはクリニックによる処方のほかにも、オンラインに対応したクリニックでの処方や、オンライン診療サービスによる処方などが選べます。
ここでは、あらかじめ自分にあうピルはなにかを把握できるよう、4種類のピルの詳細について解説します。
それぞれのピルの詳細を把握して、自分にあうピルを予想しておこう!そうすることで、クリニック処方やオンライン処方もスムーズに進められるよ!
- 超低用量ピル
- 低用量ピル
- 中用量ピル
- アフターピル
超低用量ピル
超低用量ピルとは、ピルの含まれるホルモン(エストロゲン)量が0.03mg以下のピルのことです。生理不順や子宮内膜症など、女性特有の悩みや症状を治療する目的に用いられます。
超低用量ピルはもともと治療目的で導入されていました。そのため、避妊目的での利用はほとんどなく、PMS諸症状の改善に用いられることの多い医療用医薬品です。どのピルの中でも副作用が少ないといったメリットもあります。
なお、クリニック処方の場合は1シート2,500〜10,500円です。オンライン診療サービスの場合、2ヵ月継続しなければならないケースもあるため、価格差があります。詳しい金額について知りたい方は、各オンライン診療サービスから確認することをおすすめします。
低用量ピル
低用量ピルとは、薬に含まれるホルモン(エストロゲン)量が0.05mg以下のピルのことです。エストロゲン量の増加により、生理周期の乱れ、メンタルが不安定になりやすい方に有効です。
ほかにも、避妊目的を中心とした方にも広く利用されています。毎日決まった時間に服用を継続することで、避妊できる効果が高くなります。
なお、クリニック処方の場合は1シート約1,600~3,000円です。低用量ピルの場合もオンライン診療サービスでは価格差があるため、各自でチェックしながら検討してください。
中用量ピル
中用量ピルとは、低用量ピルよりもさらにホルモン(エストロゲン)量が増えたピルのことです。主に生理を早めたり遅らせたりする目的で処方されます。
なお、クリニック処方の場合は1シート約3,000~5,000円です。
アフターピル
アフターピルとは、黄体ホルモンを含んだピルのことです。排卵を抑制する効果が得られるほか、女性ホルモンの分泌量を抑えて子宮内膜を薄く保ち、受精卵を着床させないはたらきがあります。
ただし、アフターピルは性行後72時間以内に服用しなければなりません。クリニック処方の場合は約4,000~15,000円で緊急を要するため、どのピルよりも高額です。
ポイント
- ピルには4種類ある
- 利用目的に合わせて選べる
- 長期間、避妊目的で利用する場合は、ミレーナも視野に入れる
- アフターピルは緊急を要するため、どのピルよりも高い
【注意】ピルには副作用があることも忘れてはいけない
ピルについて理解できても、どのような副作用があるのかを把握しておかなければ大きなトラブルにつながります。
ピルは内服によって体内のホルモンバランスを変えて、妊娠したと脳に誤認識させるものです。そのため、以下のような副作用が見られる場合があります。
- 吐き気
- 頭痛
- 不正出血
- 乳房の張り
- 子宮内部の痛み
- ほてり
- 体が固くなる(血栓塞栓症)
ほかにも、注意したい副作用として『血栓症』が挙げられます。
血栓症とは
血栓症とは、血液中に血栓(血のかたまり)ができ、血管が詰まってしまう病気のことです。超低用量ピルの場合、エストロゲンと呼ばれるホルモンが少ないことから血栓症のリスクは低いといわれています。
しかし、限りなく低い可能性であっても、体質によっては血栓症を招いてしまう可能性も考えられます。血栓症の疑いがある方や血栓症リスクの高い人は、医師の判断でもピルが認められない場合もあるので注意しましょう。
ポイント
- ピルはホルモンによって妊娠したと脳を誤認識させる医療用医薬品
- 人によっては妊娠初期のような症状が見られる
- ホルモン量の少ない超低用量ピルでも血栓症リスクはある
- リスクを背負ってまで服用する必要はあるのかをしっかり検討する
ピルの買い方にまつわるよくある質問
ここでは、本記事の振り返りとして、ピルの買い方にまつわるよくある質問をご紹介します。
- 男性でもピルは買える?
- 中学生や高校生でもピルは買える?
- ピルは親の承認がなければ買えない?
- 処方箋や受診不要なピルは問題ない?
-
男性でもピルは買える?
-
男性だけではピルを購入できません。また、女性に使うために男性がアフターピルを購入するといった目的も不可能です。
-
ピルは親の承認がなければ買えない?
-
小中高校生の場合は、クリニックやオンライン診療サービスを利用する場合でも親の承認(同意)が必要です。また、利用目的や状況によっては、親に同席してもらう場合もあります。
-
ピルは親の承認がなければ買えない?
-
処方箋や受診が不要なピルは大変危険です。ネット通販で購入できるピルは、価格が安く利用しやすい一方で、安全性や有効性が保証されておらず、副作用が強く出る場合があります。
購入後、最初は問題なくても、長期的な服用によって副作用や血栓症などのリスクが高まります。血栓症を発症してしまった場合に備えて、クリニックやオンライン診療サービスを利用しましょう。
-
処方箋や受診不要なピルは問題ない?
-
はじめてピルを利用する方の場合、内診を実施するケースが一般的です。内診はピルの服用について問題ないかをチェックする検査です。
子宮がんや子宮頸がんの可能性がある方の場合、ピルの服用はできません。体がピルに適しているかを判断するために必要な検査なので、必ず受診しましょう。
ライフスタイルに合わせやすいピルの買い方を選ぼう
今回はピルの買い方についてご紹介しました。ピルには4つの種類があり、それぞれでホルモン量が異なり、PMS症状や避妊など、目的に合わせて選ぶことが可能です。
しかし、避妊目的でピルを長期利用する場合、装着型避妊具『ミレーナ』の方が服用の手間が少なく値段も安く済みます。
ピルの買い方を選ぶ前に、まずは利用目的や利用期間について明確にしておきましょう。そうすることで、自分にあった方法がスムーズに見つけられます。
最近では日本でもピルの買い方は充実しているよね!利用目的などを明確にしたら、ライフスタイルや悩みなどから利用しやすいタイプを選ぼう!