目次
今回はピル服用により発症リスクが上がる病気や、反対に予防や症状軽減ができる病気について紹介するよ!
- 「ピルを飲むと発症しやすい病気があると聞いたけど本当?」
- 「ピルで予防できる病気にはどんなものがあるの?」
ピルはPMSや月経困難症などの症状を軽減するうえ、卵巣がんや大腸がんなどの病気を予防することも可能です。しかし一方で、ある病気のリスクが高まります。
今回はピルの服用と病気の関連性、ピルの種類や作用・副作用について紹介します。ピルで防げる病気やリスクに関するよくある質問にも回答しているので、ぜひ最後までご覧ください。
ピルの服用でかかりやすくなる2つの病気
ピルを服用すると、副作用で以下の病気を発症するリスクが生じます。
血栓症は血が固まり血管につまる病気で、脳の血管がつまる脳梗塞や、肺の血管がつまる肺塞栓症につながる可能性があります。いずれも生命の危険にさらされる重大な病気です。
しかし、日本人の発症率は欧米に比べると低いとされています。
日本人の血栓症発症率は欧米人と比較しても格段に低いこと、それも血液凝固系の検査で異常を認めない女性に発生したのがほとんどであることが判明した
岡山医学会雑誌 第119巻 2008年1月 p315-317|低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン
ほかには、ピルの服用によって子宮の入り口にできる子宮頸がんの発症リスクも高まると報告されています。
OC服用開始年齢別のリスクについて、Thomasら4)は、20歳未満で3.3倍、20~24歳で1.6倍、25~29歳で1.2倍、30~34歳で1.1倍、35歳以上で1.9倍と20歳未満と35歳以上でリスクの増加が認められたとしている。一方Ursin2)らは25歳以上の服用者を対照(リスク値1.0)とした場合16歳以下で1.1倍、17~20歳で1.0倍、21~24歳で1.0倍となり服用開始年齢の違いによるリスクの有意な増加は認められないとしている。
厚生労働省|経口避妊薬(OC)の安全性についてのとりまとめ
血栓症や子宮頸がんは、定期的に検査を受けることで早期に予防・発見が可能です。日本ではピルの処方には医師の診察が必須なため、アフターフォローも十分に受けられます。
ピルはネット通販でも出回っていますが、個人輸入で仕入れており安全性や有効性の保証がないことから利用は控えてください。
海外のピルを内服して起きた副作用は、病院での受診を断られたり保険適用されなかったりするので注意してね!
血栓症や関連する疾患
ピルの副作用でよく聞かれる重大な病気には、「血栓症」があげられます。
血栓症は血液中で血の塊(血栓)ができ、血管を塞いでしまう病気です。脳梗塞や肺塞栓症などを起こすと臓器の血流が止まり、命に関わります。
ピルが血栓症を引き起こす原因は、配合されているエストロゲン(卵胞ホルモン)です。エストロゲンには血液を固めやすい作用があり、濃度が増えることで血栓ができやすくなります。
実際に、ピルを服用した女性が血栓症を発症した人数は以下のとおりです。
- 服用なし 年間1万人中1~5人
- 服用あり 年間1万人中3~9人
ピル服用による血栓症は発症数で考えるとわずかな差ですが、発症リスクが高い期間には注意が必要です。
血栓症リスクが高い期間はピルを服用開始後、4ヶ月以内です。その後、継続して服用することで罹患リスクは低下していきます。
しかし、ピルの服用を途中で4週間以上中止した後に再開するケースでは、初回投与と同等のリスクが認められているため注意してください。
血栓症は手遅れになると命に関わる病気です。以下の初期症状が出た場合には、すぐに主治医に相談をして適切な治療を受けましょう。
血栓症の初期症状
- ふくらはぎが痛む、むくむ、手足がしびれる
- 手足に力が入らない、動かない
- 鋭い胸の痛みがある、突然息切れしだす
- 胸部に押しつぶされるような痛みがある
- 激しい頭痛、めまい、失神
- 視覚や言語に障害がでる(目のかすみ、舌のもつれ)
手足の症状は片側にでることが多いよ!
子宮頸がん
ピルの服用が5年未満であれば子宮頸がんのリスクは稀ですが、5年を超えるとリスクの増加が認められています。
子宮頸がんはHPVウイルス(ヒトパピローマウイルス)に感染することで発症し、子宮の入口である子宮頚部に「がん」ができる病気です。発見が遅れると、がん細胞が骨盤内のリンパ節やほかの臓器に転移したり、子宮頸部のまわりの組織に広がります。
HPVウイルスの感染は直接、性器が触れ合うことが原因です。ピルの服用によってコンドームを使用しない方が多いため、内服者の子宮頸がん発症率が高くなっています。
HPVウイルスによる子宮頸がんは、現在ワクチンも普及しています。
HPVワクチン | ・2価ワクチン(サーバリックス) ・4価ワクチン(ガーダシル) ・9価ワクチン(シルガード9) |
定期接種 対象年齢 | 小学校6年生から高校1年生相当の女子 |
年齢上限 | 45歳まで ※定期接種対象外は自費 |
子宮頸がん予防率 | ・サーバリックス/ガーダシル:50~70% ・シルガード9:80~90% |
ピルの服用に併せて、ワクチンや性行為時のコンドーム着用で感染予防しよう!
ピルの服用によって予防できる5つの病気
ピルの服用でリスクが高まる病気がある一方で、予防や症状軽減ができる以下の病気もあります。
生理に関わる不調には痛み以外にも、生理前の抑うつやイライラ、頭痛やむくみなど、さまざまな症状があります。ピルにはホルモンバランスを整える作用があることから、PMSや月経困難症、子宮内膜症の治療にも使用可能です。
ピルが作用する5つの病気について解説するよ!ぜひ参考にしてね!
PMS(月経前症候群)
PMS(月経前症候群)は生理の3日〜10日前より自律神経の乱れ、身体的・精神的な不調が現れ、生理が始まるとともに症状が治まる病気です。
はっきりとした原因は解明されていませんが、近年では排卵後に分泌されるプロゲスチン(黄体ホルモン)が影響しているといわれています。
PMSの改善にはホルモンバランスを整えることが重要であり、治療では生活習慣の改善とピルや漢方による薬物療法を勧めます。
PMSにおすすめの生活習慣
- 十分な睡眠をとる
- 気分転換する
- まわりに「月経前」と伝えておく
- お腹・腰を温める
薬による治療で使用するピルには排卵の抑制作用があり、黄体ホルモン変動の波も抑えられます。その結果、月経周期のホルモンバランスが一定に保たれ、PMSによる不調の改善につながります。
月経困難症
月経困難症は生理に伴う、以下の身体的・精神的な不調が生じる病気です。
月経困難症の症状
- 腹痛、下腹痛
- おなかが張る
- 頭痛
- 吐き気
- 疲れやすさ
- イライラ、抑うつ
- 食欲不振
- 下痢 など
なかでも生理痛は重いと身動きができず、仕事や生活に支障がでるケースもあるでしょう。
生理痛の発生は不要になった子宮内膜を外にだそうと、炎症物質プロスタグランジンが分泌されることが原因です。対処法は主に鎮痛剤による薬物療法ですが、改善されない場合はホルモン療法を導入します。
月経困難症へのホルモン療法では、使用される低用量ピルにより以下の作用を得られます。
- 子宮内膜の増殖を抑制し、経血量を抑える
- プロスタグランジンの分泌を抑え、生理痛が緩和される
毎月の生理不調で悩んでいる方は、医師にピルを導入できるか相談してみてね!
子宮内膜症
子宮内膜症は子宮内のみにできるはずの子宮内膜が、卵巣や卵管など子宮外で増殖してしまう病気です。通常、子宮内膜はエストロゲンの影響で増えたあと、生理時に剥がれ落ち外に排出されます。
しかし、子宮内膜やそれに似た組織が卵巣や卵管などに発生したケースでは、排出できず痛みが生じ、ひどいときには手術が必要です。
ピルを服用すると身体が疑似妊娠の状態になり、脳が女性ホルモンを作らせる指示を止めます。排卵が抑制され子宮内膜が薄くなるため、子宮内膜症の症状軽減につながります。
卵巣がん・子宮体がん
卵巣がんは初期の段階では自覚症状がほとんどありません。一方、子宮の奥にできる子宮体がんは多くが不正出血することで気づかれます。
それぞれの初期症状や発生要因は以下のとおりです。
卵巣がん | 子宮体がん | |
初期症状 | ・お腹まわりのむくみ ・膀胱圧迫による頻尿 ・食欲低下 ・下腹部にあるしこり | ・不正出血 ・排尿時や性交渉時の痛み ・排尿が出づらさ ・下腹部痛 |
発生要因 | 排卵回数の多さ | エストロゲン(卵胞ホルモン)の多さ |
低用量ピル使用による相対危険度 | 10 年以上にわたりリスクが半減 | 10 年以上にわたりリスクが半減 |
ピルの服用は女性ホルモンをコントロールし排卵を抑制、エストロゲンの分泌も一定になるため、卵巣がん・子宮体がんの予防が期待できます。長期服用することでさらに発症率が低下します。
大腸がん
大腸がんは食べものの最後の通り道である、結腸や直腸にできる病気です。早期の大腸がんは自覚症状がほとんどなく、進行するにつれて以下の症状が現れます。
大腸がんの症状
- 血便
- 下痢、便秘
- 便が細くなる
- 残便感
- 貧血
- 腹痛
- 嘔吐 など
ピルを服用することで大腸がんの発症リスクが下げられると報告されていますが、予防作用の機序については明らかになっていません。
看護師健康研究(The Nurse Health Study)で、OCの使用によって大腸癌リスクが抑制されることが確認されている。さらにOCの使用により大腸癌リスクが抑制される証拠はメタ解析でも立証され、全体の相対危険度(RR)は0.82(95% CI 0.74~0.92)であった。しかし、OCを服用することで予防効果があるかどうかは未だ明確ではない。
日本産婦人科学会|低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン
ピルを服用できなくなる病気もあるので注意!
ピルを服用したくとも、既往歴や現在治療中の病気がある方には、処方できないケースもあります。ピルを服用できない病気は、以下のとおりです。
ほかにも、35歳以上で1日15本以上のタバコを吸う方や肥満の方、子宮頸がんや乳がんを発症している方などには低用量ピルを処方できません。
別の治療をしている方はピルと一緒に服用できない薬もあるため、事前に主治医に確認してください。
持病のある方は、ピルの服用を1人で決めないでね!
血栓症
血液のなかで血の塊ができ、血管をふさいでしまう病気である血栓症は、ピルの重大な副作用の1つです。1度発症した方は血液をサラサラにする薬を服用するとはいえ、ピルの服用ができるわけではありません。
ピルに含まれるエストロゲン(卵胞ホルモン)には血液を固める作用があり、血栓症を発症した方は再発リスクが高くなります。血栓症は命に関わる病気につながるため、既往がある方には原則処方はできません。
心疾患
心疾患は心臓に発症する病気の総称であり、なかには不整脈や先天性の心臓病、心膜や心筋の病などがあります。
ピルに含まれるエストロゲン(卵胞ホルモン)には血液を固める作用があるため、心疾患の既往がある方が服用すると心筋梗塞の発症リスクにつながります。
基本的にはピルの処方はおすすめできませんが、心疾患の方でも処方できる可能性はゼロではありません。
PMSや月経困難症で日常生活に支障をきたしている方は、服用前に必ず主治医に相談してね!
血管病変のある糖尿病
糖尿病には三大合併症と呼ばれる併発する病気があり、なかでも血管に病変をもつ合併症が「糖尿病性腎症」と「糖尿病性網膜症」です。どちらも毛細血管が関連し、腎不全や失明につながる可能性が高くなります。
血管病変のある場合の影響は、以下のとおりです。
プロセス | 予後 | |
糖尿病性腎症 | 腎臓にある糸球体(毛細血管)が傷つき発症 | 腎不全のリスク |
糖尿病性網膜症 | 目の網膜にある毛細血管が傷つき発症 | 失明のリスク |
糖尿病による血管病変をもっている方は、ピルに含まれるエストロゲン(卵胞ホルモン)による血栓症リスクの影響を受けやすいため、処方はできません。
炎症性腸疾患
炎症性腸疾患とは免疫機構が異常をきたし、自分の免疫細胞が腸の細胞を攻撃してしまうことで炎症を起こす難治性の病気です。代表的な病気には、潰瘍性大腸炎とクローン病があります。
潰瘍性大腸炎 | 大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる大腸の 炎症 |
クローン病 | 口から肛門にいたるまで、すべての消化管に発症する炎症や潰瘍 |
どちらも、慢性的な下痢や血便・腹痛などの症状が起き、原因がはっきりしていない病気です。
身体に与えるリスクが大きいことでも服用は勧められないよ!
妊娠高血圧症候群の既往歴
妊娠高血圧症候群とは妊娠中に高血圧が発症する病気で、以前は妊娠中毒症と呼ばれていました。ピルを服用すると血栓症の副作用リスクから心血管系の障害が発生しやすくなるため、妊娠高血圧症候群の既往がある方には積極的に処方されません。
ただし、現在の血圧が正常範囲の方には検討し、慎重に投与されるケースもあります。妊娠高血圧症候群の既往歴があるうえでピルを服用したい方は、必ず主治医に相談しましょう。
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ピルは種類が豊富!自分に合ったピルを選ぼう
ピルの種類は豊富で、どのピルを選べばよいのか迷われている方も多いことでしょう。ピルには種類ごとに「世代」があり、それぞれ特徴も異なります。
ピルの作用には、避妊や月経困難症の治療、美容などがあり、使われる目的もさまざまです。世代ごとの特徴を把握し、あなたに合うピルを選ぶ参考にしてください。
ピルの種類を紹介するので、事前に自分に合ったピルをみつけてね!
第一世代ピル(シンフェーズ)
第一世代のシンフェーズは最初に承認された低用量ピルで、避妊を目的に作られています。
シンフェーズ | |
製薬会社 | 科研製薬株式会社 |
有効成分 | ・ノルエチステロン ・エチニルエストラジオール |
相性 | 3相性 |
主な作用 | 避妊 |
主な副作用 | 血栓症、アナフィラキシー、不正出血、吐き気、嘔吐 |
服用方法 | 毎日同じ時間に1錠 休薬期間なし |
シンフェーズはサンデースタートピルとも呼ばれ、日曜日から内服し始め4週目の月曜ごろに消退出血が起こる、週末に生理がかからないピルです。
自然なホルモンバランスに近い配合になっており、正しく服用することでの避妊成功率は約90%になります。
シンフェーズは子宮内膜が安定するため不正出血が起こりにくいピルですが、毎日同じ時間での服用は飲み忘れる可能性もあるでしょう。ただし、薬の服用を中止する休薬期間がないため、時間の感覚が定着すると継続しやすいピルです。
第二世代ピル(トリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユ)
第二世代のピルにはトリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユの3種類があります。いずれもレボノルゲストレルと呼ばれる黄体ホルモンを使用しており、不正出血が起きにくく生理周期を安定させやすいことが特徴です。
トリキュラー | アンジュ | ラベルフィーユ ※トリキュラーのジェネリック医薬品 | |
製薬会社 | バイエル薬品株式会社 | あすか製薬株式会社 | 富士製薬工業株式会社 |
有効成分 | ・レボノルゲストレル ・エチニルエストラジオール | ・レボノルゲストレル ・エチニルエストラジオール | ・レボノルゲストレル ・エチニルエストラジオール |
相性 | 3相性 | 3相性 | 3相性 |
主な作用 | 避妊 | 避妊 | 避妊 |
主な副作用 | 血栓症、下腹部痛、頭痛、吐き気、嘔吐、乳房緊満感 | 血栓症、頭痛、吐き気、嘔吐 | 血栓症 |
服用方法 | 21日間毎日同じ時間に1錠 休薬期間7日間 | 21日間毎日同じ時間に1錠 休薬期間7日間 | 21日間毎日同じ時間に1錠 休薬期間7日間 |
第二世代ピルに含まれるレボノルゲストレルはアフターピルにも使用され、性交後72時間以内の服用で避妊率は98%になります。
緊急避妊薬以外にも安定した生理周期を作りやすいことから、周期コントロール目的でも使用されます。
一方でレボノルゲストレルは男性ホルモンの作用も強いため、ニキビや肌荒れの改善には向いていません。
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第三世代ピル(マーベロン、ファボワール)
第三世代のピルにはマーベロンとファボワールの2種類があります。いずれもデソゲストレルと呼ばれる黄体ホルモンを使用しており、男性ホルモンの作用を抑えるためニキビや多毛症で悩んでいる方に適しています。
マーベロン | ファボワール ※マーベロンのジェネリック医薬品 | |
製薬会社 | オルガノン株式会社 | 富士製薬工業株式会社 |
有効成分 | ・デソゲストレル ・エチニルエストラジオール | ・デソゲストレル ・エチニルエストラジオール |
相性 | 1相性 | 1相性 |
主な作用 | 避妊 | 避妊 |
主な副作用 | 血栓症、乳房痛、頭痛、吐き気 | 血栓症、乳房痛、頭痛、吐き気 |
服用方法 | 21日間毎日同じ時間に1錠 休薬期間7日間 | ・ファボワール21:21日間毎日同じ時間に1錠、休薬期間7日間 ・ファボワール28:21日間毎日同じ時間に1錠、偽薬(プラセボ)7日間 |
休薬期間があることで飲み忘れが不安な方は、ファボワール28を選択すると予防できるでしょう。
第三世代のピルはほかの世代よりも血栓症リスクが高いとされているので、体調の変化に気をつけよう!
目次マーベロンはどんなピル?マーベロンの種類とそれぞれの飲み方マーベロンの服用による嬉しい効果4つマーベロンの副作用や禁…
保険適用になるピル(ルナベル、フリウェル、ヤーズ、ヤーズフレックス)
保険適用されるピルは第四世代と第一世代の一部で、いずれも超低用量ピルに該当します。
ルナベルULD | フリウェルULD | ヤーズ | ヤーズフレックス | |
製薬会社 | ノーベルファーマ株式会社 | 持田製薬株式会社 | バイエル薬品株式会社 | バイエル薬品株式会社 |
有効成分 | ・ノルエチステロン ・エチニルエストラジオール | ・ノルエチステロン ・エチニルエストラジオール | ・ドロスピノレン ・ベータデスク ・エチニルエストラジオール | ・ドロスピノレン ・ベータデスク ・エチニルエストラジオール |
相性 | 1相性 | 1相性 | 1相性 | 1相性 |
主な作用 | 月経困難症緩和 | 月経困難症緩和 | 月経困難症、PMS改善 | 月経困難症、PMS改善 |
主な副作用 | 血栓症、アナフィラキシー | 血栓症、アナフィラキシー | 血栓症 | 血栓症 |
服用方法 | 21日間毎日同じ時間に1錠 休薬期間7日間 | 21日間毎日同じ時間に1錠 休薬期間7日間 | 24日間毎日同じ時間に1錠 偽薬(プラセボ)4日間 | 28日間毎日同じ時間に1錠 ※最長120日間内服可能 |
超低用量ピルは治療目的で処方される薬剤のため、避妊目的には使用できません。月経困難症による生理痛やPMS、子宮内膜症の治療に用いられます。配合されている女性ホルモンが少ないことから、副作用も抑えることが可能です。
目次低用量ピルって何?特徴や基本情報を紹介低用量ピルの主な効果は3つ!詳しく解説【低用量ピル】は多く分けて2種類【世代別…
ピルで防げる病気やリスクに関するよくある質問
ピルの服用はホルモンバランスが整うことで、月経周期が安定し肌トラブルも改善しやすくなります。しかし、誤った認識のまま過ごすと副作用の初期症状を見逃してしまう可能性もあるでしょう。
ここでは、ピルで防げる病気やリスクに関してのよくある質問をまとめました。
避妊目的でピルを服用される方には、コンドームを着用せず性行為にいたってしまう方も多くいます。
正しい情報を事前に確認しておこう!
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ピルを飲んでいたら性感染症にならない?
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ピルの内服自体に性感染症を予防する作用はありません。さらに、ピルの避妊成功率は100%ではないため、過信せずにコンドームも併用してください。
コンドームを使用することで、妊娠とともに性感染症も予防できます。
子宮頸がんはウイルスの感染によって発症します。ほかにも、ピルでは梅毒やクラミジア感染などは防げないため、性交時にはコンドームを使用しましょう。
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ピルを飲んでいる間は検診を受けなくていい?
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定期健診は血栓症の初期症状や、ほかの副作用が出ていないかを確認するために必要です。医師は身体の状態を診て、ピル継続可能かを判断します。
病院によっては定期的に検査するケースもあるため、ピルを服用中は定期健診を受けよう!
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ピルを服用後、症状が悪化したらどうすればいい?
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ピルの服用後1〜3ヶ月は副作用がでやすい時期です。
長期内服していくと吐き気やむくみなどの初期に起こる副作用は消失しますが、つらいときや不安なときは主治医に相談してください。医師が身体の状態を診て、経過観察するかピルを変えるかを検討します。
ピルを正しく服用して病気を防ごう
ピルの服用と関連性のある病気についてまとめると、以下のとおりです。
かかりやすくなる病気 | ・血栓症 ・子宮頸がん |
予防・症状軽減できる病気 | ・PMS ・月経困難症 ・子宮内膜症 ・卵巣がん ・子宮体がん ・大腸がん |
服用できなくなる病気 | ・血栓症 ・心疾患 ・血管病変のある糖尿病 ・炎症性腸疾患 ・妊娠高血圧症候群の既往 |
ピルは血を固まりやすくする作用があるため、心臓・血管に既往がある方やリスクがある方には処方できません。
一方で、PMSや月経困難症などに悩んでいる方には、治療として症状を軽減できる可能性があります。
内服を開始するときには医師と相談し、あなたに合うピルを処方してもらってください。ピルを内服していても性感染症は防げないため、性交時にはコンドームも併用しましょう。