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ピルを飲むとどんどん太るって本当?ピルで体重増加する原因と対策

  • 5月 30, 2023
  • 5月 30, 2023

今回は、ピルと体重増加の関係について紹介するよ!! 

  • 「ピルを飲むとどんどん太るって聞いたけど本当?」
  • 「ピルを飲んでも太らない方法はあるの?」

ピルを飲みだすとどんどん体重が増えていく、などの話を知り合いから聞いたり、ネットの体験談として目にしたりした経験はありませんか?ピルを飲みたいと思っていてる方のなかにも、体重増加が不安で迷っている方もいるかもしれません。

そこで今回は、ピルと体重増加の関係やピルを飲んだときに太る原因と対策について紹介します。ピルと体重増加に関するよくある質問にも回答しているので、ぜひ最後までご覧ください。

ピルの服用と体重増加には関係がない

ピルの服用と体重増加には関係がない

実際には、ピルと体重増加には直接的な関係はないとされています。ピルを飲んでも、それだけで太る心配はありません。

「日本産婦人科学会」が発表しているピルと副作用の発症頻度に関するデータをみても、
「体重増加」や「食欲亢進(食用増加)」などが起きる割合はいずれも2%程度です。ピルのよくある副作用として知られる「吐き気」と比べると、発生率ははるかに低いのがわかるでしょう。

<OC(低用量ピル)の副作用と発生頻度(%)>

副作用発生頻度
体重増加0.8~2.2%
食欲亢進(食用増加)0.1~1.9%
浮腫(むくみ)1.0~3.2%
便秘0.1~1.0%
吐き気1.2~29.2%
参考:「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)」日本産婦人科学会編
http://www.jsognh.jp/common/files/society/guide_line.pdfhttp://www.jsognh.jp/common/files/society/guide_line.pdf

研究結果などからもピルと体重増加に直接の因果関係はないと結論づけられています。ピルを飲んで太るといわれているのは、以前に処方されていたホルモン量の多いピルが原因です。

エストロゲンなどのホルモン含有量が多いピルでは、むくみや食欲増進の影響で太るケースがありました。しかし、現在、一般的に処方されている低用量ピルはホルモン量が少ないため、体重への影響は少なくなっています。

ピルを飲んでも、体重増加が起きる可能性はかなり低いんだね!

ポイント

  • ピルと体重増加に直接の関係はない
  • 太るといわれているのは以前に処方されていたホルモン量の多いピルが原因

太る原因といわれる低用量ピルとは?

太る原因といわれる低用量ピルとは

ピルはホルモン量によっていくつかの種類に分類されます。そのうち、一般的に処方されているのは、低用量ピル(OC)と呼ばれるタイプのピルです。また、低用量ピルは、さらに4つの世代に分けられます。

ホルモン量によるピルの種類と4世代の低用量ピルの特徴を解説するよ!

ピルはホルモン量によって4種類に分けられる

ピルは卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)といわれる2種類の女性ホルモンが配合されている薬です。ホルモン含有量と使用目的により、以下の4種類に分類されます。

  • 高用量ピル:生理周期のコントロール、深刻な生理痛の軽減、生理不順の改善(不正出血や過多月経、月経困難症)
  • 中用量ピル:緊急避妊薬、不妊治療、生理周期のコントロール
  • 低用量ピル:避妊、生理周期のコントロール、生理不順・PMS(月経前症候群)の改善
  • 超低用量ピル:月経困難症や子宮内膜症の治療薬

高用量ピルや中用量ピルは、以前処方されていたタイプのピルです。治療効果が高いメリットはあるものの、副作用が大きいのがデメリットでした。1999年に低用量ピルが認可されてからは、高用量ピルや中用量ピルと比べて副作用が少ないことから、低用量ピルの処方が主流になっています。

低用量ピルは4世代に分類される

低用量ピルは、配合されている黄体ホルモンの種類によって、第一世代~第四世代までの4つの世代に分類されます。

世代黄体ホルモンの種類主なピル特徴
第一世代ノルエチステロンシンフェーズフルウェルLDルナベルULD・3相性最初に製造承認された低用量ピル
・出血量を減少させる
・生理周期のコントロールや生理痛緩和に使用される
第二世代レボノルゲストレルトリキュラーアンジュラベルフィール・3相性不正出血を起こりにくくする
・安定した生理周期を作りやすい
第三世代デソゲストレルマーベロンファボワール・1相性アンドロゲンといわれる男性ホルモンの作用を抑制する
・ニキビや多毛症に改善効果が期待できる
第四世代ドロスピテノンヤーズヤーズフレックス・月経困難症や子宮内膜症の治療に使用される
・保険適用可

一般に処方されている低用量ピルは、効果や目的で、さらに4世代に分けられるよ!

ポイント

  • ピルはホルモン量で高用量・中用量・低用量・超低用量の4種類に分類され、主に低用量ピルが処方される。
  • 低用量ピルは使われている黄体ホルモンや使用目的で4世代にわかれる

ピルによる体重増加の原因4選

ピルによる体重増加の原因

ピルを飲むと太りやすくなるといわれているのはなぜなのでしょうか。ピルの服用中に体重が増加する原因として、以下の4つが考えられます。

  • 食欲増進による体重増加
  • 保水作用によるむくみ
  • 体脂肪が減りにくくなる
  • 便秘になりやすくなる

ピルを飲んでいるときに体重が増加してしまう原因を解説するよ!

原因1:食欲増進による体重増加

ピルを飲んでいると、食欲増進作用で脂肪が増えたり、体重が増加したりするケースがあります。ピルに含まれるホルモンのため、体内のホルモンバランスが変化してしまうのが食欲亢進の原因です。

ピルに配合されている黄体ホルモン(プロゲステロン)には、満腹中枢を刺激するインスリンのはたらきを抑え、空腹感を増加させる効果があります。ピルの服用中は、ついつい普段以上に食事をとってしまいやすくなるため注意が必要です。

ピルを飲んでいるときは、食べ過ぎに気をつけよう!

名医のチョイス

目次プロゲステロンとは?ピルに含まれるプロゲステロンとエストロゲンの違いを表で解説プロゲステロンの量についてエストロゲン…

原因2:保水作用によるむくみ

ホルモンがもつ保水作用によってむくみが起こり、太って見えてしまうのも、ピルで太るといわれる理由の1つです。

ピルに含まれる2種類のホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)は、どちらも体内に水分を溜め込みやすくする保水作用をもっています。そのため、一時的にむくみの症状が出やすくなり、体重は変わっていなくても、普段より太ったと感じる方もいるかもしれません。

ピルを飲んでいると体がむくみやすくなるので注意しよう!

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目次低用量ピルの服用によるむくみの原因ピルのむくみとも関係する血栓症とはピル服用によるむくみを解消するための対策むくみ解…

原因3:体脂肪が減りにくくなる

ピルに配合されている黄体ホルモン(プロゲステロン)は、妊娠に関係するホルモンです。プロゲステロンは、妊娠準備のため栄養分を体に溜め込もうとするはたらきをもっており、ピルを飲んでいると、体脂肪が減りにくく太りやすい体になってしまうケースがあります。

さらに、プロゲステロンには食欲増進作用もあるため注意が必要です。痩せにくい上に食べる量が多くなると、結果的に体重増加につながります。

ピルを飲んでいる間は、体脂肪が落ちにくくなってしまうことも!

原因4:便秘になりやすくなる

黄体ホルモン(プロゲステロン)には保水作用があり、便中の水分を必要以上に取り込んで便秘傾向を引き起こすはたらきをもっています。生理前に便秘になりやすいのも、プロゲステロンが原因です。

便秘になると、便から吸収された水分によって体がむくんでしまうため、外見が太ったように見えてしまいます

便秘になるのは、ピルに含まれるプロゲステロンの種類が合っていない可能性も!医師にピルの変更を相談してみよう!

ピルを飲んでも太らないための対策12選

ピルを飲んでも太らないための対策12選

ピルによる体重増加やむくみを防ぎ、ピルを飲んでも太らないためには、以下のような対策があります。

  1. 食事はよく噛んで食べる
  2. 食事回数を増やして1回の量を少なくする
  3. カロリーの高い食べ物を避ける
  4. 間食には糖質の少ない食べ物を選ぶ
  5. 塩分を控えてカリウムを摂取する
  6. 食事のときは野菜から食べるようにする
  7. アルコールの摂取を控える
  8. 適度な運動を心がける
  9. お風呂でしっかり湯船につかる
  10. 身体を冷やさないよう注意する
  11. 着圧ストッキングを着用する
  12. 服用するピルを変えてみる

しっかり対策をして、ピルによる体重増加を防止しよう!

対策1:食事はよく噛んで食べる

人間の体は、食べはじめてから満腹感を得るまでに20分程度の時間がかかります。そのため、よく噛まずに急いで食べていると、満腹にならず食べ過ぎることになるので注意してください。食べ過ぎを防ぐため、食事の際は、意識してよく噛みながら食べるようにしましょう。

食事のときは、よく噛むことを意識!時間をかけて、ゆっくり食べるようにしよう!

対策2:食事回数を増やして1回の量を少なくする

食事回数を増やすと、食べ過ぎを防止できて太りにくくなります。このとき、回数と一緒に食べる量も増やしてしまうと体重が増加するため、全体の食事量は変えずに1回あたりの量を少なくしましょう。

さらに、食事回数の増加には、インスリンの分泌を抑制して、体脂肪が蓄積されにくくする効果もあります。1日6食を目安に食事メニューを考えると良いでしょう。

回数は増やしても、全体の食事量は変えないで!

対策3:カロリーの高い食べ物を避ける

食事メニューを考えるときは、カロリー計算を行って、適切な摂取量を管理するようにしてください。摂取カロリーと基礎代謝・消費カロリーを計算して、それぞれがちょうどいいバランスになるよう食事を調整します。カロリー計算・管理のできるWebサイトやアプリなどもあるため、利用してみましょう。

カロリー量は少なすぎてもダメ!1日の摂取カロリーが基礎代謝を下回らないように!

対策4:間食には糖質の少ない食べ物を選ぶ

おやつが食べたくなったときは、糖質の少ない食べ物を選ぶようにしましょう。食べ過ぎは良くないとい言っても、我慢ばかりしているとストレスが溜まるため、ある程度の間食は認めるべきです。

ただし、チョコレートやスナック菓子・ケーキ・アイスクリームなど、糖分の多い食べ物は避けてください。間食をするなら、以下のような低糖質の食品がおすすめです。

  • ナッツ類
  • チーズ類
  • イチゴ、グレープフルーツなどの果物類
  • プレーンヨーグルト

たまに間食をとるのはOKだけど、糖質には気をつけて!

対策5、塩分を控えてカリウムを摂取する

ナトリウムなどの塩分はむくみの原因になるため、摂るのを控えるようにしてください。また、カリウムには、体内の余分なナトリウムを排出してむくみを解消するはたらきがあります。

カリウムは以下の食品に多く含まれているため、積極的に食事に取り入れていくと良いでしょう。

  • ひじき
  • 切り干し大根
  • 黄大豆
  • ピスタチオ
  • さつまいも
  • ササミソテー
  • エリンギ
  • バナナ

塩分を避けて、カリウムの多い食品を積極的に食べよう!

対策6:食事のときは野菜から食べるようにする

食事をとるときは、はじめにサラダやみそ汁などの野菜を食べ、次にメインのおかずや主食へ行くようにしましょう。野菜に多く含まれる食物繊維には、食後の血糖値上昇を防ぎ、糖質の消化吸収を穏やかにするはたらきがあります。

また、食物繊維はよく噛まないと食べられないため、少ない量でも満腹感を得やすく、食べ過ぎ防止にも効果的といえるでしょう。

同じ野菜でも、ダイコンなどの根菜やカボチャ・コーン・イモ類などは糖質が多いので後から食べるようにね!

対策7:アルコールの摂取を控える

アルコールを摂ると、血液アルコール濃度の上昇により血管が拡張し、静脈やリンパで水分を処理しきれなくなってしまうため、むくみが起こりやすくなります

お酒を飲んだ次の日に顔がパンパンにむくんでしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。むくみを抑えるため、アルコールはできるだけ摂取を控えるようにしてください。

お酒を飲むなら、ほどほどに済ませよう!

対策8:適度な運動を心がける

適度な運動には、身体の血行を良くして、むくみを予防する効果が期待できます。血流の悪さはむくみの原因となるため、普段からのケアが大切です。

ランニングやウォーキングのほか、階段昇降や歩くときに歩幅を大きめにするなど、日常生活で無理なく続けられるものを選んでください。ストレッチやリンパマッサージと組み合わせるのも良いでしょう。

運動は無理せず、継続していくのが大切だよ!

対策9:お風呂でしっかり湯船につかる

入浴時にしっかり湯船につかると、体が温まるのに加えて水圧がかかるため、血行が良くなってむくみ改善に効果的です。あまり熱すぎると末梢神経が収縮して逆に血流が悪くなるため、お湯の温度は少しぬるめにしましょう。

また、半身浴にすると、水圧効果がより高くなります。特にむくみが気になる部分は、湯船につかりながらマッサージするのもおすすめです。

湯船につかるなら、ぬるめのお湯で半身浴しよう!

対策10:身体を冷やさないよう注意する

身体が冷えると血流が悪くなり、むくみの原因になってしまいます。そのため、季節などにかかわらず、普段から体を冷やさないように注意してください。

エアコンの効いたオフィスで仕事をするなら、上着やストール、ひざ掛けなどを使いましょう。また、炭水化物や白砂糖など、体を冷やす食べ物の摂り過ぎにも注意が必要です。

冷え対策は、体の内と外、両側からのケアを心がけて!

対策11:着圧ストッキングを着用する

着圧ストッキングは、普通よりも締め付けが強いストッキングです。下半身に圧力をかけて血行を良くしてくれるため、むくみ解消に効果が期待できます。

特に、足首からふくらはぎにかけて圧力が強くなっているのがポイント。「第2の心臓」と呼ばれるふくらはぎの収縮をサポートし、血流を促進してくれます。

着圧ストッキングには、足の冷え防止効果も期待できるよ!

対策12:服用するピルを変えてみる

さまざまな対策をやってみても、効果がみられない場合は、使用するピルを変更するのも1つの方法です。ピルは人によって合う、合わないがあります。いつまでも症状が改善しないようなら、服用するピルを変えられないか医師に相談してみてください。

体重増加が続くのは、飲んでいるピルが自分に合っていないのかも!

ピルと体重増加に関するよくある質問

ピルと体重増加に関するよくある質問

ここでは、ピルと体重増加に関するよくある質問をまとめています。それぞれ、詳しく回答しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ピルによる体重増加はいつまで続く?

ピルによる食欲増加やむくみなどの影響は通常、1~2か月程度でおさまります。ピルで体重が増加してしまうのは、主にホルモンバランスの変化が原因です。そのため、副作用を感じるのはピルを飲みはじめてすぐの時期が多くなっています。
しかし、ピルによるホルモンの乱れは一時的なものです。時間が経過すれば体が慣れてバランスが整い、自然におさまっていくため、過剰に心配する必要はありません。まずは3か月継続して使用してみましょう。

もし2~3か月経っても体重増加が続くようならピルが合っていないのかも!医師と相談して変更を考えてみよう!

ピルを飲むのをやめたら痩せられる?

痩せたいためにピルの服用をやめるのはおすすめできません。たしかに、ピルをやめれば飲んでいるときより痩せやすくなるケースもあるでしょう。しかし、ピルは以下のように多くのメリットをもっています。

<ピルを飲むメリット>

  • 生理周期のコントロール
  • 生理痛、生理不順、PMSの改善
  • ニキビ治療
  • コラーゲンの増加

そのため、ピルを飲まなくなると、次のように、さまざまなデメリットが起きる恐れがあります。

<ピルをやめるデメリット>

  • きちんとした周期で生理が来なくなる場合がある。
  • 生理不順や生理痛、PMS、ニキビなどの症状が服用前に戻る。
  • 一時的に抜け毛が増える。

ピルを中断すると、もし痩せられたとしても、体にさまざまな不調が起きるかもしれません。そのため、ピルをやめるのではなく、本記事で紹介した太らないための対策を実行して、続けながら体重増加を抑えていきましょう。

安易にピルをやめてしまうと、さまざまなトラブルが起きることも!痩せたいなら、自分でできる対策からはじめよう!

名医のチョイス

目次ピルをやめたら痩せた人がいる2つの理由痩せる以外の2つのメリットピルをやめる前に注意すべき3つのデメリットピルをやめ…

ピルを飲むときはしっかり対策して体重増加を防止しましょう

ピルを飲むときはしっかり対策して体重増加を防止しましょう

「飲むと太る」ともいわれるピルですが、現在処方されている低用量ピルには、直接体重を増加させる作用はありません。しかし、ホルモンの影響で起きる食欲亢進や保水作用によるむくみなどで、太ったように見えてしまったり、実際に体重が増えてしまったりするケースがあります。

体重が増えるならピルを飲むのをやめたいと思う方もいるかもしれません。しかし、ピルの中断にはさまざまなデメリットがあるため、おすすめできません。ピルを飲んでも太りたくない方は、ぜひ本記事で紹介した対策を参考にしてみてください。

ピルをやめるのではなく、しっかりと対策をして、体重増加やむくみを防止していこう!