目次
この記事では、ピルの休薬期間中がしんどい理由や対処法を解説するよ!
「ピルの休薬期間中に体調が悪くなるのはなぜ?」
「休薬期間中にしんどいときは、どうすればいいの?」
生理痛やPMSの症状緩和に期待できるピルですが、休薬期間がしんどいと感じる人も多くいます。「なぜ体調が悪くなってしまうのか」原因や対処法について詳しく解説します。
この記事でわかること
- ピルの休薬期間中の体調不良について
- 体調不要の原因
- 体調不良の対処法
ピルを飲み始めたのに休薬期間中がしんどい
避妊効果だけではなく、生理痛やPMSの症状緩和を期待してピルを飲み始める人は多いです。しかし、休薬期間には「体調が悪い」「しんどい」と感じる可能性があります。
休薬期間は生理(消退出血)を起こすためにあり、薬を飲まずに過ごすか、偽薬を飲むのが一般的です。この期間は体内の女性ホルモンバランスが変わることで、体調を崩しやすい傾向があります。
ここでは、休薬期間中にどんな症状が現れやすいのか、しんどいときにはどんな対処を取るべきかについて解説します。
休薬期間に体調が悪くなりやすい原因についても解説するよ!
ピル休薬期間中に起きるしんどい症状
ピルの休薬期間中には、以下のような症状が現れます。
ピルの休薬期間に起きる症状
- 気分が落ち込み情緒不安定になる
- お腹が痛くなる
- 吐き気がする
- 眠くなる
- 頭痛がする
休薬期間中に上記のような体調不良が現れた場合は、風邪ではなくピルが原因の可能性が高いです。
生理前・生理中と同じようなしんどさを感じるケースが多く、「ピルを飲んでいるのにどうして効かないの?」「生理痛もPMSも治らない!」と不安に思ってしまいがちです。特に、頭痛や情緒不安定は多くの人に起こります。
せっかくピルを飲んでいるのに、どうして体調が悪くなってしまうんだろう…
ピル休薬期間中にしんどいと感じる4つの原因
頭痛や腹痛がつらいのはもちろん、眠気が強いと学校の授業や仕事に集中できなくなって困まることもあります。ピルの休薬期間中に「体調がしんどい」と感じる原因は、以下の4つです。
原因
- 体内のホルモンバランスの変化
- 月経困難症
- 子宮内膜症
- 血栓症
それぞれ詳しく解説するよ!
休薬期間がしんどい原因1:体内のホルモンバランスの変化
まず考えられる原因は、体内のホルモンバランスの変化です。休薬期間中はピルを飲まないか、女性ホルモンが含まれていない偽薬を服用し続けます。ピルによって量が少なく安定していた女性ホルモンが増えるため、自律神経が乱れやすくなっています。
自律神経が乱れると起こるのが、頭痛・吐き気・だるさなどの症状です。人によって症状の重さや種類は異なり、手足のしびれやめまいが起きることもあります。
ストレスが溜まっていたり、寝不足・偏食が続いていたりすると症状が重くなりやすいよ!
休薬期間がしんどい原因2:月経困難症
月経困難症が原因で、休薬期間中に体調を崩している可能性もあります。ピルを飲む前から生理中の頭痛・腹痛・吐き気といった重い症状に悩まされていた人は、もともと月経困難症だったとも考えられます。
休薬期間中に起こる消退出血は生理と同じ原理なので、子宮を収縮させて出血を促す「プロスタグランジン」というホルモンが分泌されます。月経困難症の人は特にプロスタグランジン分泌量が多いため、ピルを服用していても強い痛みを感じるのが特徴です。
ピルの服用によって月経困難症になるのではなく、もともと月経困難症だった可能性が高いと考えられるよ!
休薬期間がしんどい原因3:子宮内膜症
月経困難症のほかに、子宮内膜症を患っているケースもあるでしょう。子宮内膜症とは、本来あるべきではない場所に子宮内膜ができてしまう病気です。30代女性が発症しやすい病気で、約50%の人が経血量の多さを感じています。
ピルは子宮内膜症の治療にも使われるため、「服用前よりも多少は経血量が減った」「少しだけ生理痛が軽くなった」という人もいるはずです。しかし、子宮内膜症が重症の場合、ピルを飲んでいても「休薬期間中の消退出血がしんどい」と感じることがあります。
子宮内膜症になると不妊になってしまうから、早めに受診して治療を始めよう!
休薬期間がしんどい原因4:血栓症
ピルの重篤な副作用としてよく挙げられるのが、血栓症です。血の塊が血流を止め、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こします。頭痛や吐き気などの体調不良のほかに、以下のような症状がある場合は血栓症を疑うことも一つです。
血栓症の初期症状
- 胸の強い痛み
- 手足のしびれ
- 息切れ
- むくみ
- めまい
- 意識障害
- 失神
ピルを服用し始めてから3〜4ヶ月以内は血栓症になるリスクが高いため、飲み始めたばかりの人は特に注意が必要です。当てはまる症状がある場合は、すぐに医師の診察を受けるようにしてください。
ピルを服用して血栓症になるのは、1万人のうち約3~9人といわれているよ!
ピル休薬期間中にしんどいと感じたときの対処法6選
ピルの休薬期間中に体調を崩してしまったら、どのように対処するべきなのでしょうか?基本的には安静に過ごすのが適切ですが、それでもしんどい場合は以下の方法を試してみてください。
ピル休薬期間中にしんどいと感じたときの対処法
- ピルを飲み始めたばかりの場合は、2〜3ヶ月様子を見る
- 軽いストレッチや運動でストレスを発散する
- 医師に相談して痛み止めや吐き気止めを服用する
- 病院に行って月経困難症や子宮内膜症の検査を受ける
- 休薬期間が短いピルに切り替える
- 長期連続服用できるピルで休薬期間を減らす
病気が原因の可能性もあるから、どうしてもつらいときは医師に相談してね!
ピルを飲み始めたばかりの場合は、2〜3ヶ月様子を見る
ピルを飲み始めたばかりの頃は、体内のホルモンバランスが急に変化して頭痛・吐き気などの副作用が出やすくなっています。休薬期間まで副作用が続く人もいますが、2〜3ヶ月経つと落ち着くことがほとんどです。
我慢できる程度のしんどさであれば、服用を続けて様子をみてください。服用を続けても毎月の休薬期間がつらい場合は、ほかの病気の可能性や、ピルが体に合っていない可能性があります。
軽いストレッチや運動でストレスを発散する
休薬期間がしんどいときは、軽いストレッチや運動を取り入れてみることも良いです。体を動かして血流がよくなると、子宮まわりの筋肉がほぐれてやわらかくなります。子宮がスムーズに収縮するようになるため、生理中の痛みの原因であるプロスタグランジンの過剰な分泌を抑制できるのがメリットです。
また、運動をするとストレス発散になり、乱れた自律神経を整えられます。自律神経の乱れも体調不良につながるため、無理のない範囲でウォーキングやヨガなどを取り入れてみてください。
どうしてもつらいときは無理しないでね!
医師に相談したうえで痛み止めや吐き気止めを服用する
頭痛や腹痛、吐き気がひどいときは、薬を飲むのも一つの手です。ただし、自己判断で服用するのではなく、医師に相談してから飲むようにしましょう。
基本的に併用が禁止されている頭痛薬や吐き気止めはありませんが、どちらかの効果が強まったり弱まったりする可能性があります。副作用が強まることも考えられるため、慎重に服用してください。
病院に行って月経困難症や子宮内膜症の検査を受ける
ピルを飲んでいるのに生理中の頭痛や腹痛がひどい場合は、病気の疑いもあります。病院に行き、月経困難症や子宮内膜症を患っていないか検査するのが賢明です。
超音波検査をするのが一般的ですが、血液検査を行う場合もあります。検査は基本的に保険適用で、2,500〜5,000円ほどが相場です。
1度検査を受けてみよう!
休薬期間が短いピルに切り替える
ピルの種類を変えることもおすすめです。ヤーズフレックスという超低用量ピルは、休薬期間が4日と通常よりも短いため、つらい期間を減らすことができます。
担当医師に休薬期間がつらいことを伝えて、相談してみてね!
長期連続服用できるピルで休薬期間を減らす
毎月体調を崩すのが嫌な人は、長期連続服用できるピルを検討してみましょう。ジェミーナという超定量ピルは約3カ月、ヤーズフレックスは約4カ月連続で服用できます。毎月の生理のわずらわしさと休薬期間の頻度が少なくなるのがメリットです。
ジェミーナもヤーズフレックスも、避妊効果はないので注意してね!
ピルの休薬期間に関するよくある質問と回答
最後に、ピルの休薬期間に関するよくある質問を集めました。
休薬期間にまつわる疑問を解消しよう!
- ピルに休薬期間があるのはなぜですか?
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ピルの休薬期間は、卵巣を活動させるためにあります。女性ホルモンは、卵巣から作られるものです。ピルを飲むと、卵巣から女性ホルモンを出さなくても十分だと脳が判断するため、卵巣の働きが抑制されます。
休薬したり、偽薬を飲んだりすると体内の女性ホルモン量が減り、再び卵巣から女性ホルモンが分泌されるようになるという仕組みです。定期的に卵巣を動かすことにより、卵巣の機能を正常に保ちます。
消退出血の有無によって、妊娠しているかどうかをチェックする目的もあるんだよ!
- ピルの休薬期間中に生理がこない場合は、妊娠していますか?
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通常であれば、休薬期間の2日目を目処に生理(消退出血)が起こります。なかなか生理がこず、直近で性交渉をしていた場合は妊娠の可能性があるため、検査するようにしましょう。
性交渉をしていない場合は、ストレスが原因で生理が遅れていると考えられます。生理が遅れていること自体がストレスになることもあるので、あまり悩まず、気長に生理がくるのを待ちましょう。
2ヶ月連続で生理がこない場合は、病院で妊娠の検査を受けてみてね
- ピルの休薬期間中も避妊効果はありますか?
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ピルの休薬期間中でも、避妊効果は続いています。ピルの服用中は卵子が育たず、排卵が抑制されている状態です。子宮に卵子がなければ、休薬期間中に性交渉があったとしても受精卵はできません。そのため、ピルの休薬期間でも避妊効果はあるといえます。
ただし、100%の避妊効果があるわけではないことや、性感染症の予防効果がないことは頭に入れておきましょう。
休薬期間も服薬期間も、性交渉をするときはコンドームを使うようにしよう!
- 休薬期間明けにピルを飲み忘れてしまいました
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休薬期間明けの飲み忘れに気づいた場合は、すぐに前回分の1錠を服用します。その後は、いつも通りの時間帯に服用を続けて問題ありません。
休薬期間を9日以上とってしまった場合は、卵子の発育が進んでいる可能性が高いと考えられます。避妊効果が高まるまでに1週間ほどかかるため、性交渉を避けるか、必ずコンドームを使用するようにしてください。
どうしても休薬期間明けにピルの再開を忘れてしまう場合は、偽薬が含まれているピルを利用しましょう。休薬期間中も女性ホルモンが含まれていない薬を飲み続けるため、服用の習慣を忘れずに済みます。
ピルの休薬期間中にしんどいと感じたら、自分を労ろう
今回は、ピルの休薬期間に体調を崩しやすい原因を解説しました。体内のホルモンバランスが変化することが主な原因ですが、月経困難症・子宮内膜症・血栓症などの病気によって体調が悪くなっている可能性もあります。
休薬期間中に「しんどい」と感じたら無理をせず、軽い運動をしたり痛み止め・吐き気度めを服用したりして対処してください。特にピルの飲み始めは休薬期間に体調が悪くなりやすいため、2〜3ヶ月は服用を続けることを推奨します。
3ヶ月以上服用しているにもかかわらず、休薬期間中に体調を崩すようであれば、病院で子宮内膜症などの検査を受けてみてください。医師に相談して、ピルの種類を変えてもらうことも一つです。
休薬期間中に体調が悪く、生理が始まらない場合は妊娠の可能性もあるよ!