再生医療という言葉を聞いたことがありますでしょうか。美容医療にも使われている再生医療は、アンチエイジングに効果が期待できる技術。では、どのような治療がされていくのでしょうか。この記事では、肌の再生医療について、基礎的な知識をご案内いたします。
再生医療とは
再生医療とは、怪我や事故などで失われた身体の組織や臓器に対して、機能回復・再生を目的とする治療のことです。
これまで治療法のなかった病気や怪我も、再生医療を用いることで解決する可能性があるという素晴らしい技術。また、新薬の開発や難病の原因解明にも用いられています。
美容医療における再生医療について
そんな再生医療ですが、実は美容業界でも注目が集まっています。
実際に再生医療を用いたさまざまな美容医療の実用化が進んでいるのですが、中でも効果的といわれているのは「アンチエイジング」の分野です。
- シワ
- シミ
- ほうれい線
- たるみ
こうした症状は年を重ねるにつれて感じやすく、避けて通ることはできません。
従来、シワやたるみに対する美容医療はヒアルロン酸注射やマシンを使った施術が主流でした。症状に合わせて対処することはできますが、根本から解消するのはなかなか難しいとされてきたのです。
しかし、再生医療は老化症状の根本にアプローチすることで自己治癒力を高め、改善へと導くことができる技術。画期的な美容法といえるでしょう。
エイジングケアに効果的な再生美容医療紹介
それでは実際にエイジングケアに効果的な治療方法をご紹介します。
PRP療法
PRPとは、血液の中で血小板を多く含む血漿「多血小板血漿」のことを指します。
そのPRPを自分の血液中から取り出し、気になる部位に注入する治療法をPRP皮膚再生療法というのです。
血小板には血を止めたり、傷を修復したりといった働きがあります。
また、血小板には身体の細胞を若返らせる「成長因子」が含まれているため、肌トラブルに対して修復・改善効果が期待できます。
幹細胞療法
幹細胞には主に2つの能力があります。
- 自分自身と同じものを作り出す能力(自己複製能)
- 自分とは違う細胞に変身する能力(多分化能)
幹細胞療法では、肌の老化に繋がる活性酸素を除去する酵素を生み出すことができます。
その酵素の発生により、肌の老化が遅くなりアンチエイジングに繋がるのです。
また、老化によって減少した肌細胞を増やすこともできます。
この幹細胞を直接体内に注入することで、シワやたるみの改善効果はもちろん、ニキビ跡やほうれい線などの肌トラブルへの広い効果も期待できます。
ヒト幹細胞培養上清液療法
この治療法では、細胞本体ではなく、幹細胞を培養した際に残った培養液の上澄み液を使います。
このヒト幹細胞培養上清液には、細胞の修復やコラーゲンの増生を促すといった美容効果まで幅広い効果があるのです。
エイジングケアの効果としては、以下のような効果が挙げられるでしょう。
- シミ
- シワ
- 小ジワ
- クマ
- たるみ
- くすみ
こうしたお悩みがある方は、ぜひ検討して見てください。
新しい分野の美容法
美容効果だけでなく、医療としても画期的な効果や可能性が期待できる再生医療。
世界中でも注目されており、これからの未来でどんどん新しい治療法の開発が予想されます。
まだ新しい分野の美容法であるからこそ、自分でしっかりと知識を身に着け、リスクを知ったうえで施術を検討してみてくださいね。
監修:石川佳奈先生
藤田保健衛生大学(現:藤田医科大学)卒業。
アラガンボトックスビスタ認定医・アラガンジュビダームビスタ認定医。
市民病院にて勤務後、大手美容クリニックにて美容外科、美容皮膚科の経験を積む。
2021年6月より「bella beauty clinic」院長を務める傍ら、美容医療に関する記事の監修も多数行う。