銀座一丁目駅から徒歩約1分という好立地にある「BIKAN CLINIC」。院長のパク・クァンミン先生は、美容大国・韓国と日本の両国で医師免許を持ち、耳鼻咽喉科専門医としての緻密な解剖学的知識を武器に、特に難易度の高い「鼻の修正手術」に情熱を注いでいます。他院で断られた経験を持つ患者さまが全国から足を運ぶその理由は、単なる美しさの追求だけでなく、機能性と安全性を優先する真摯な姿勢にあります。今回はパク先生に、医師を志したきっかけから、鼻治療への並々ならぬこだわりまで詳しくお伺いしました。
ドラマへの憧れから、睡眠2時間の過酷な研修医時代を経て

____先生が医師を目指されたきっかけについて教えていただけますか?
パク・クァンミン先生高校生の頃、韓国で非常に流行っていた『総合病院』という医療ドラマを見たのが大きなきっかけです。緊迫した救急の現場で、外科医たちが命を救うために奔走する姿がとにかく格好良く見えましたね。それまでは建築家なども考えていたのですが、そのドラマの影響で「自分も医師になりたい」と強く決意しました。
____韓国での医学部時代は、かなり厳しかったとお聞きしました。
パク・クァンミン先生日本よりも競争が少し厳しい雰囲気かもしれません。特に研修医時代は、1日に2時間ほどしか寝られない日々が続きました。当時はそれが当たり前でしたから、文句を言う余裕もなかったですね。ただ、5〜6年生の時の実習で実際に患者さまと接し、自分の手で誰かを助けられる喜びを実感できたことで、「この道を選んで本当によかった」と確信しました。現在は韓国でも勤務時間の制限が進んでいますが、あの過酷な時期に培った精神力と経験は、今の私の土台になっています。
____そこからなぜ、美容医療、特に「鼻」の分野に進まれたのでしょうか?
パク・クァンミン先生私はもともと耳鼻科の専門医です。実はアメリカや韓国では、顔の美容整形は整形外科と耳鼻科が半分ずつ担っているほど、耳鼻科医が美容に深く関わっています。耳鼻科医の強みは、鼻の「見た目」だけでなく、呼吸などの「機能」も同時に改善できる点にあります。専門医研修の頃から鼻の造形には非常に強い関心があり、専門医取得後、鼻特化型のクリニックで4〜5年ほど研鑽を積み、技術を磨き上げました。
____日本で開業された経緯について教えていただけますか?
パク・クァンミン先生10年ほど前から、韓国で診療している私のもとを訪ねてくださる日本の患者さまが非常に増えたんですね。日本語の勉強を始め、日本の医師免許を取得したタイミングでコロナ禍となりました。元々は韓国と日本を行き来する予定でしたが、じっくりと腰を据えて日本の患者さまと向き合いたいと考え、日本での開業を決めました。
修正手術の駆け込み寺として。「縮んだ鼻」を再建する技術

____クリニックに来院される患者さまに、多いお悩みを教えてください。
パク・クァンミン先生当院は鼻の専門クリニックですので、特に「他院での手術後の修正」を希望される方が多くいらっしゃいます。中でも深刻なのが、術後の感染などによって鼻が硬く縮んでしまう「拘縮(こうしゅく)」という状態です。鼻が短く、低くなってしまい、皮膚も硬くなって伸びないため、非常に難易度の高い再建手術が必要になります。他院で「これ以上の修正は難しい」と断られた方が、最後の希望を求めて来院されることが多いですね。
____拘縮状態になってしまった鼻を改善するために、どのような治療を行うのですか?
パク・クァンミン先生拘縮鼻手術*1を行います。拘縮した鼻は皮膚が非常に硬くなっており、無理に伸ばそうとしても伸びません。まずは「再建手術」によって、崩れてしまった内部の土台を作り直し、形を整えるアプローチをとります。ただし、皮膚の状態があまりに硬い場合は、すぐに手術を行うことができません。そのようなケースでは、まず事前に「再生治療」を行い、皮膚の柔らかさや組織の健康状態をある程度回復させてから、段階的に再建手術を計画します。今の状態からどこまで改善が可能か、客観的な見通しを立てることが何より重要です。
____実際の施術は、どのような流れで行われるのでしょうか?
パク・クァンミン先生当院のカウンセリングでは、まず顔のCTスキャンを撮影することから始まります。外側から見ただけでは、内部の軟骨がどう崩れているか、どのような異物が入っているかを正確に判断することはできません。CTで土台の状態を確実に把握し、除去すべきものや再建すべき箇所を特定した上で、綿密な計画を立てます。
また安全のため、採血検査だけでなく鼻の中の「細菌培養検査」も行います。鼻の中には人それぞれ常在菌がいますが、どの抗生剤が効くかは人によって異なりますね。事前に菌の種類を特定し、その方に最も合う抗生剤を選択することで、術後の感染リスクを最小限に抑えることが期待できますね。
手術から処置、検診まですべてを私自身が行います。術後の変化を医師自ら細かく確認し続けることが、合併症の早期発見と患者さまの安心につながると考えています。
____術後のフォローも、先生ご自身が担当されているそうですね。
パク・クァンミン先生大きな手術ですので、術後の経過を私自身の目で確認し、万が一の兆候も見逃さないようにするためです。スタッフ任せにするのではなく、医師と患者さまが二人三脚でダウンタイムを乗り越えていく、そんなアットホームな環境を大切にしています。
「必要なものだけ」を提案し、患者さまの不安に寄り添う

____先生が知識を増やしていく上で普段から行っていることがあれば教えて下さい。
パク・クァンミン先生最も大切にしているのは、最新の医学論文を読み込むことです。特にアメリカなどの英語圏の論文は非常に進んでいるため、定期的にチェックしています。もちろん日本の学会にも参加し、他の先生方と情報を共有することも大切ですが、最終的には論文などの客観的なデータに基づき、自分の経験と照らし合わせて「この手法は本当に実現可能か、患者さまにとって最善か」を熟考するようにしています。
____診察を行う上で、先生が最も大切にされていることは何でしょうか?
パク・クァンミン先生患者さまのお悩みをじっくりと聞くことです。特に修正を希望される方は、これまでの経緯で深い不安や困りごとを抱えています。単に形をどうしたいかだけでなく、何に困っているのかを理解するために、当院のカウンセリング時間は長めに設定していますね。また、派手すぎる仕上がりではなく、顔全体のバランスを考えた「自然な美しさ」を提案することも大切です。韓国でも昔は派手な変化が好まれましたが、今は「やった感がない、自然な美しさ」を求める傾向にあります。患者さまの美意識に寄り添い、バレないほど自然でありながら、確実な変化をもたらすことを目指しています。
____最後に、この記事をお読みの患者さまへメッセージをお願いします。
パク・クァンミン先生鼻の修正や副作用で悩んでいる時間は、とても辛いものだと思います。私に何でもできるとは言えませんが、CTスキャンなどの客観的なデータに基づき、今の状態からどこまで改善できるかを正直にお伝えします。手術をする・しないに関わらず、まずは現状を知るために、気軽にご相談に来ていただきたいですね。




