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「たくさんのドッグフード、どれがうちの子に良いの?」「パッケージの裏を見ても、何が重要なのか分からない…」「失敗して、愛犬を病気にさせたくない!」
子犬のドッグフード選びの際、こんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。子犬が成犬になるまでの成長期間にドッグフードを選び間違えると、病気のリスクが高まり危険です。
この記事では、子犬のドッグフードの正しい選び方から与え方、食べない時の対処法まで解説します。
読み終える頃には、自信を持って愛犬に最適なドッグフードを選べるようになります。子犬の健康な体を作るのは、毎日の食事が重要です。「原材料」「添加物」「粒のサイズ」を基準に、安全なドッグフードを正しく選びましょう。
子犬には成長段階に合わせた専用ドッグフードが不可欠

子犬期に専用ドッグフードを選ぶのは、愛犬の健康にとって重要です。犬の一生で最も体が成長する子犬期は、骨格や筋肉、内臓を形成するために膨大な栄養素を必要とします。子犬用ドッグフードは、子犬期の著しい成長を支えるため、高タンパク・高カロリーです。免疫が未熟な子犬を守るため、免疫力をサポートする栄養素も強化配合されています。AAFCO(米国飼料検査官協会)の厳しい栄養基準をクリアした「子犬用総合栄養食」を選びましょう。
子犬のドッグフード選びで後悔しない3つのポイント

この章では、子犬のドッグフード選びで後悔しないための3つのポイントを解説します。
良質な動物性タンパク質で選ぶ
子犬のドッグフードは、主原料に良質な動物性タンパク質が使われているものを選びます。タンパク質は筋肉や骨など体を作る基本要素です。動物由来のものは必須アミノ酸のバランスが良く、子犬の成長に不可欠です。
原材料表示の最初に「チキン」や「サーモン」など具体的な肉・魚名があるかを確認しましょう。逆に「肉類」といった曖昧な表記は避けます。原材料の筆頭表示が、ドッグフードの品質を見極める基準です。
避けるべき添加物で判断する
安全な子犬用ドッグフードは、合成添加物が含まれていないかで判断します。体が未熟な子犬にとって、合成添加物は健康リスクを高めます。特にBHA・BHT(化学合成された保存料)、合成着色料などには注意しましょう。
安全な製品は、酸化防止剤に「ミックストコフェロール」(ビタミンEのこと)など天然由来の成分を使用しています。購入前には必ず原材料を確認し、不要な添加物が入っていない製品を選びましょう。
犬種の大きさに合う粒サイズを選ぶ
子犬のドッグフードは、その犬種や口の大きさに合った粒サイズ(キブル=ドライドッグフードの粒)で選ぶことが大切です。粒のサイズが不適切だと、喉に詰まらせる窒息のリスクや、丸呑みによる消化不良を引き起こします。
超小型犬には直径5mm前後の超小粒、大型犬の子犬には12mm以上の大粒が推奨されます。愛犬が食べにくそうにしていないか観察することも重要です。安全性と消化性を高めるためにも、適切な粒サイズのドッグフードを選択しましょう。
子犬の成長を支えるドッグフードの正しい与え方3ステップ

ここでは、選んだドッグフードを子犬に正しく与えるための3つのステップを解説します。
パッケージ記載の給与量計算が基本
子犬に与えるドッグフードの量は、パッケージ記載の給与量ガイドで計算するのが基本です。ガイドに記載されている給与量は、子犬の成長に必要な栄養を摂取できるよう設計されています。しかし、犬には個体差があるため、「ボディコンディションスコア」で愛犬の体型をチェックします。
愛犬の体型を基に、ドッグフードの量を微調整しましょう。ボディコンディションスコアとは、見た目や体の触り心地から、犬の肥満度を評価する指標のことです。ガイドの量を基準に、最適な量を見つけることで、愛犬の健康な体型を維持できます。
卒業サインを目安にやめる
ドッグフードのふやかしは、乳歯が生え揃う生後3〜4ヶ月を目安に卒業させます。ドッグフードをふやかすのは、消化を助けるための一時的な措置です。顎の力が十分に育ったら、ドッグフードをふやかす必要はありません。
ぬるま湯の量を徐々に減らしたり、ふやかす時間を短くしたりと、1〜2週間かけてゆっくり硬さに慣れさせましょう。移行期に便の状態を確認することも大切です。顎や歯の健全な発達のためにも、適切なタイミングでドライドッグフードへ移行させましょう。
子犬から成犬へのドッグフード切り替えは時間をかけて行う
子犬用から成犬用へのドッグフード切り替えは、7〜10日間かけてゆっくり行います。急な変更は、新しい成分に消化器が対応できません。下痢や嘔吐を引き起こす原因にもなります。今までのドッグフードに新しいドッグフードを25%ほど混ぜることから始めます。
その後、毎日少しずつ新しいドッグフードの割合を増やしていきましょう。犬は味の変化にも敏感です。時間をかけてドッグフードを切り替えることは、食いつき拒否も防げます。愛犬のお腹と味覚を慣らすため、時間をかけて切り替えてください。
子犬がドッグフードを食べない原因は3つの視点で解決

この章では、子犬が急にドッグフードを食べなくなった時に考えられる原因と、その解決策を3つの視点から解説します。
子犬がドッグフードを拒否したら病気の可能性を疑う
子犬がドッグフードを食べない時は、病気の可能性を疑うべきです。食欲不振は、子犬に起こりがちな様々な疾患の初期症状として現れます。ぐったりしている、嘔吐や下痢を繰り返すといったサインが見られる場合は、迷わず動物病院を受診してください。わがままを疑う前に健康状態を確認することが、愛犬の命を守るための最優先事項です。
子犬の食いつきを改善するポイント
健康に問題がない場合、ドッグフード自体を見直すことで食いつきが改善します。ドッグフードの味や香りが気に入らない、開封後の酸化で風味が落ちていることが原因です。ドッグフードを少量のお湯で温めて香りを立たせるなどの方法が有効です。ドッグフードは開封後1ヶ月で消費できる量を購入しましょう。少しの工夫で、子犬の食欲を改善できます。
食いつきは食器や環境、ストレスも影響する
子犬の食いつきは、食器や食事環境のストレスが影響します。食器が滑ったり、騒がしい場所で食事をしたりすると、子犬は不安で食べることに集中できません。滑りにくい陶器の器に変えたり、静かで落ち着ける場所に食事スペースを固定したりすると改善します。多頭飼育の場合は、他のペットと離れた場所で食事をさせましょう。
子犬の状態に合わせたドッグフードの選び方

この章では、子犬の個性や悩みに合わせた目的別のドッグフード選びを解説します。
偏食な子犬には食いつきを重視したドッグフードを選ぶ
偏食の子犬には、犬の食いつきの良さを重視したドッグフードを選びましょう。犬は味よりも香りで食欲が刺激される動物です。高品質な肉や魚を主原料とした、香りの強いドッグフードを選ぶと喜んで食べます。
フリーズドライ製法の肉を配合したり、素材の香りを活かしたりしたドッグフードが一例です。食が細い子犬のドッグフードも、犬が喜ぶ「香り」を基準に選ぶ必要があります。
お腹が弱い子犬には消化の良さを基準にドッグフードを選ぶ
お腹が弱い子犬のドッグフードは、消化の負担が少ないことを基準に選びます。主原料には、消化に良いとされる白身魚などが使われています。腸内環境を整えるプレバイオティクス等が配合されているかも確認しましょう。
プレバイオティクスとは、腸内にいる良い菌(善玉菌)のエサとなり、その働きを助ける成分のことです。アレルギーの原因を特定しやすいよう、原材料を限定した「LID」(限定原材料食)のドッグフードも有効な選択肢です。敏感な子犬のドッグフードは、消化に優しく、腸をサポートする成分で選びましょう。
子犬用ドッグフードは品質と価格のバランスで選ぶ
子犬用ドッグフードは、価格だけでなく品質とのバランスで選びましょう。安価なドッグフードは、栄養価の低い穀物が主原料のことが多いです。愛犬の長期的な健康を考えると、栄養価の低いドッグフードは将来の医療費などがかさみ、高くつきます。
1日の給与量あたりのコストで比較すると、栄養密度の高いドッグフードの方が経済的です。毎日の子犬用ドッグフードだからこそ、価格と品質を見極め、継続できる最適なものを選びましょう。
最適な子犬用ドッグフードを選んで愛犬との健やかな毎日を育もう

子犬期のドッグフード選びは、正しい知識を持つことで、難しいものではなくなります。主原料が「チキン」などの具体的な肉や魚であるかを確認し、BHAや合成着色料といった不要な添加物を避けましょう。給与量はガイドを参考にしつつも、愛犬の体型を見て調整することが基本です。
もしドッグフードを食べなくなっても、まずは健康を疑い、次にドッグフードや環境を見直すという冷静な対応が求められます。偏食やお腹の弱さといった、個性に合わせたドッグフードを選ぶ視点も忘れないようにしましょう。