東京都武蔵野市、JR中央線「武蔵境」駅から徒歩6分。緑豊かなこの街に、犬や猫はもちろん、ウサギやフェレット、ハムスターといったエキゾチックアニマルまで、あらゆる動物たちとその家族を温かく迎え入れる「武蔵野まりん動物病院」があります。院長を務める戸谷周太先生は、「どんな動物にもきちんと向き合える」ことを信条とする、情熱にあふれた若き獣医師です。クリニックの名前にもなっている、今は亡き愛犬「マリン」との思い出を原点に、「断らない医療」を掲げる戸谷先生に、獣医師を志したきっかけや、すべての動物たちへ注ぐ深い愛情、そして飼い主さまへの思いについて、詳しくお話を伺いました。
愛犬「マリン」との出会い、獣医師としての原点

____先生が獣医師を目指されたきっかけについて教えていただけますか?
戸谷周太先生とてもありきたりな話になってしまうのですが、小学生の頃に初めて犬を飼ったのが、すべての始まりです。その子の名前が「マリン」。ヨークシャーテリアの男の子で、当院の名前の由来にもなっています。
____クリニックの名前にまでされたのですね。
戸谷周太先生はい。「初心を忘れないように」という思いを込めました。まりんが、私の獣医師としての原点なんです。マリンを迎えてから、その可愛さに夢中になり、犬や猫、そして様々な小動物たちと暮らすようになりました。動物たちの世話をしたり、病院に連れて行ったりする中で、自然と「動物に関わる仕事がしたい」と考えるようになりました。
____その中でも、なぜ獣医師の道を選ばれたのでしょうか?
戸谷周太先生大切な家族である動物たちが年を重ね、病気をする姿を見るうちに、「自分の手で、この子たちを治してあげたい」という思いが日に日に強くなっていったのです。それが、獣医師を目指すことを決意した、一番の理由ですね。
____大学をご卒業された後は、どのようなご経験を積まれたのですか?
戸谷周太先生2018年に北里大学獣医学部を卒業した後、一つの動物病院グループに約7年間勤務しました。そこは、犬や猫だけでなく、エキゾチックアニマルも積極的に診療する病院だったので、幅広い動物の診察を経験し、多くのことを学びました。最後の2年間は分院長も任せていただき、さらに最後の1年間は、別の夜間救急病院でも週に一度勤務し、緊急を要する様々な症例にも対応してきました。こうした経験を通じて、「どんな動物が、どんな状態で来ても、自分なら向き合える」という自信がつき、長年の夢だった開業を決意しました。
「断りたくない」。すべての動物を平等に診る、オールラウンドな専門性

____先生のクリニックは、犬猫からエキゾチックアニマルまで、幅広く診療されているのが特徴ですね。
戸谷周太先生はい。私の昔からのモットーは、「断りたくない」ということです。
____「断りたくない」、ですか。
戸谷周太先生ええ。とくにエキゾチックアニマルを飼っていると、「うちでは専門外なので診られません」と、診療を断られてしまうケースが少なくありません。飼い主さんにとっては、大切な家族がぐったりしている中で、受け入れてくれる病院を探し回るのは、本当に辛く、不安なことだと思います。私自身、多くの動物と暮らしてきたからこそ、その気持ちが痛いほど分かります。 ですから、私は特定の動物や分野に特化するのではなく、犬も、猫も、ウサギも、ハムスターも、その他の動物も、すべての動物を平等に、そして高いレベルで診られる獣医師でありたい、と考えています。それが、当院の最大の強みであり、私の専門性だと思っています。
____まさに「オールアニマル」のドクターですね。
戸谷周太先生「整形外科が得意です」「循環器が専門です」といった専門性も、もちろん素晴らしいことです。しかし、私は、広く深く知識を身につけることで、この地域で暮らす、あらゆる動物たちの「最初のかかりつけ医」になりたい。エキゾチックアニマルに偏りすぎて、犬や猫の診療がおろそかになる、ということも絶対にあってはなりません。どんな動物でも、まずは安心して駆け込める場所。そんな存在でありたいと、常に願っています。
対話を重ね、心に寄り添う。飼い主さまと共に歩む診療スタイル

____実際にクリニックで診察を受ける場合、どのような流れになりますか?
戸谷周太先生当院では、飼い主さまとのコミュニケーションを何よりも大切にしているため、診察*1の時間は十分に余裕をもってお取りしています。 まず、受付を済ませていただいた後、診察室で、私自身が飼い主さまからじっくりとお話を伺います。いつから、どんな様子か、何か変わったことはないか。言葉を話せない動物たちだからこそ、飼い主さまからの情報が、診断の最も重要な手がかりになります。
____診察では、どのようなことを心がけていますか?
戸谷周太先生例えば、「耳が痛そう」という主訴で来院された場合でも、耳だけを診て終わり、ということは決してありません。必ず、全身の状態をくまなくチェックします。主訴に囚われすぎず、全体を診ることで、隠れた病気のサインを見つけ出すことができるからです。そして、動物たちが少しでも安心できるよう、目線を合わせ、優しく声をかけながら診察を進めていきます。私自身が動物大好きなので、つい可愛がりながらになってしまいますが。
____治療方針は、どのように決めていくのでしょうか?
戸谷周太先生検査の結果や、考えられる病気、そして治療の選択肢について、丁寧にご説明します。そして、飼い主さまと一緒に、その子にとって何が最善なのかを考えていきます。かけがえのないご家族についての重要なご判断を、飼い主さまだけにお任せすることは決してありません。ご納得いただけるまで、何度でもお話しさせていただきます。
飼い主さまと、かけがえのない家族のために
____診察を行う上で、飼い主さんや動物たちと向き合う際に、先生が最も大切にされていることは何でしょうか?
戸谷周太先生飼い主さまに対しては、先ほどもお話しした**「対話」**です。診察を終えてご自宅に帰られた後で、「あれも聞いておけばよかった」という後悔が残らないよう、疑問や不安をすべて解消できるようなコミュニケーションを心がけています。獣医療もある種のサービス業ですから、飼い主さまにご満足いただくことも、非常に大切なことだと考えています。 そして、動物たちに対しては、常に愛情を持って接すること。動物たちは、自分たちのことを好きでいてくれる人を、ちゃんと分かってくれると思っています。診察中も、できるだけ怖がらせないように、そして「この人は味方だ」と感じてもらえるように、常に心を配っています。
____最後に、この記事をお読みの飼い主さまへメッセージをお願いします。
戸谷周太先生言葉を話せない動物たちが体調を崩した時、飼い主さまも本当に不安な気持ちでいっぱいだと思います。当院は、そんな飼い主さまと、かけがえのないご家族の心に、常に寄り添える存在でありたいと願っています。 犬や猫はもちろん、ウサギ、フェレット、ハムスター、あるいは、なかなか診てもらえる病院が見つからない動物たちについても、どうぞ安心してお任せください。武蔵野まりん動物病院が、皆さまと動物たちの心強いパートナーとなれましたら幸いです。どんな些細なことでも、お気軽にご相談ください。


