目次
この記事では、ピルを飲むと便秘が改善するのか解説するよ!
「ピルと便秘の関係性について知りたい」
「ピルを服用する際の注意点ってなに?」
ピルは主にホルモンバランスの乱れを整えてくれる薬で、生理痛だけでなく、PMSや子宮内膜症による便秘の改善にも効果を発揮します。継続的に摂取することで生理前の便秘が治ったという人がいる反面、便秘になってしまったという人も少なくありません。
この記事では、ピルを飲むと便秘が治る理由や服用時の注意点について解説しています。また、ピルの種類別効果や費用を表にしているため、参考にしてください。
ピルで生理前の便秘が改善できる2つの理由
ピルで生理前の便秘が改善できる理由は主に以下の2つが挙げられます。
- 子宮内膜症の改善
- ホルモンバランスの安定
子宮内膜症の改善
ピルで便秘が改善できる理由として、子宮内膜症の改善が挙げられます。子宮内膜症は、便秘が併発する可能性のある病気です。子宮内膜が腸や子宮以外にできる病気で、直腸と強くくっつくことで、便秘や下痢の原因となります。
ピルの服用によって子宮内膜が厚くなりすぎるのを防止できるため、実際に子宮内膜症の予防や治療でも処方されています。
子宮内膜症の治療にピルが使われることを覚えておこう!
ホルモンバランスの安定
ホルモンバランスが安定すると、生理前の便秘が改善されやすくなります。女性ホルモンは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類に分けられ、それぞれのバランスが一定になることでホルモンバランスが安定する仕組みです。
2種類のうち黄体ホルモンは、大腸の働きを抑える作用があり、大腸の動きが抑えられると便が上手く排出されないため、便秘になってしまいます。
とくに妊娠中の女性は黄体ホルモンの分泌が増えてしまう傾向があり、便秘になりやすいとされています。女性のホルモンバランスは非常に乱れやすく、不調につながることも少なくありません。
ピルを飲むだけでバランスを安定させようとするのではなく、睡眠や食生活の改善、ストレスを減らすなどの対策を並行して行うとさらに効果的です。
ホルモンバランスの安定は健康と深くつながっているんだね!
ピルが原因で便秘になることもある
ピルが原因で便秘を引き起こすこともあります。ピルが便秘を引き起こす理由は以下の通りです。
- ピルの副作用
ピルの副作用
ピルには、便秘を引き起こす副作用もあります。一般的にピルが原因で便秘になっている場合、飲み始めてから2〜3ヶ月間は便秘の症状がでてくることが多いといわれています。
ピルを長期的に服用すると副作用は軽減していくことが多いため、便秘になってしまった場合は、3ヶ月ほど様子を見ましょう。
しばらく経っても症状が改善しなかったりむしろひどくなっていると感じたりした際は、一度医師に相談してください。
また、ピル服用中の便秘がひどすぎる、どうしてもつらさが我慢できないという人も、医師に相談や診察してもらうことをおすすめします。
ピルが便秘を引き起こすこともあるんだね!
ピルが原因で便秘になった際の3つの対処法
ピルが原因で便秘になった際は、以下の対処法をおすすめします。
- 生活習慣の改善
- 服用するピルを変える
- 下剤や便秘薬を併用する
生活習慣の改善
ピルが原因で便秘になってしまった際は、生活習慣の改善が必要です。便秘の多くは、腸内環境を整えることで改善します。
便秘に効果があるものとしては、「食生活の改善」「ストレスの軽減」「十分な睡眠」が挙げられます。とくに食生活が重要で、食物繊維を多く含む食材を摂取することが重要です。
イモ類や海藻類、オリーブオイルやナッツなどを積極的に食べるようにしましょう。ほかにも、善玉菌を増やすオリゴ糖なども大腸の運動を高めてくれます。
ストレスや睡眠不足の改善も便秘に効果的です。ちょっとしたストレスでも知らず知らずのうちに体へ悪影響を与えてしまうため、日ごろの生活習慣を見直してみましょう。
ほかにも、積極的に水分を摂取したり、過剰なダイエットを控えたりすることで便秘が改善するケースもあります。
バランスの良い食生活を送るようにしよう!
服用するピルを変える
ピルを飲み始めてから便秘になったのであれば、服用しているピルが身体に合っていない可能性があります。ピルにはさまざまな種類があり、どれを選んでいいかわからないという人も多いでしょう。
日本では一般的に、ドラッグストアなどで市販としてピルの取り扱いがないため、医師から診察を受け、処方箋を受け取る必要があります。
また、医師から診察を受けたことによって「このピルは自分に合っているはず」と思い込んでしまう人も多いでしょう。
ピルによって使われている黄体ホルモンの種類が異なり、どの黄体ホルモンが自分の体に合うのかは、服用してからでないとわからないこともあります。
ピルを2シートほど継続して飲んでも便秘が改善しないのであれば、服用するピルの変更を検討することをおすすめします。
体に合っていないと感じたらすぐに医師に相談するようにしよう!
下剤や便秘薬を併用する
ピルが原因で便秘になっていても、避妊目的や生理痛の軽減などで飲み続けたいと考えている人もいるでしょう。その場合は、下剤や便秘薬の併用をおすすめします。
一見、下剤や便秘薬の併用を躊躇されてしまいがちなピルですが、基本的には一緒に飲んでしまっても問題はないといわれています。ほかにも、便秘改善効果がある漢方薬などもおすすめです。
ただし、下剤や便秘薬、漢方薬を併用することによって、不正出血や避妊効果の弱まりにつながることがあります。ピルや便秘薬などを2〜3ヶ月服用しても便秘や不正出血が改善しない場合、一度医師に相談することをおすすめします。
また、下剤や便秘薬、漢方薬とピルの飲み合わせが心配だという人も、医師に相談するようにしましょう。
下剤や便秘薬の併用については、事前に医師に確認しておくことが重要だよ!
ピルが原因の便秘以外での3つの副作用
ピルを服用するとさまざまな副作用を引き起こすことがあります。便秘以外の副作用は主に以下の3つが挙げられます。
- 不正出血
- 頭痛や吐き気
- 血栓症
不正出血
ピルの服用で起こる副作用として、不正出血が挙げられます。不正出血は通常の月経よりも血が少なく、色がさまざまなのが特徴です。原因として、ピルの飲みはじめは子宮内膜に厚みがあり内膜が剥がれやすいため、不正出血が起こりやすくなります。
しかし、継続して飲み続けることで、徐々に落ち着いていくことが多い症状なので、不正出血があるからといって焦らずに通常通り過ごしましょう。
ただし、不正出血が不安な人は、かかりつけの医師に相談してみることをおすすめします。また、不正出血はピルを飲み忘れることでも起こる症状です。
予期せぬ出血でも焦らず医師に相談しよう!
頭痛や吐き気
ピルを飲み始めて3ヶ月程度までは、頭痛や吐き気などの副作用が出ることがあります。頭痛や吐き気といった副作用が出ている場合、我慢は禁物です。
とくに吐き気が副作用として現れる人が多くいます。吐き気が副作用として現れる原因は、ピルを飲むことで脳が妊娠したと勘違いするからです。吐き気を感じやすい場合は、吐き気の症状が出づらい食後や就寝前に飲むと良いでしょう。
どうしても吐き気を我慢できない時は、吐き気止めを飲むことで改善することがあります。吐き気止めは市販のものでも問題はありませんが、服用する前にできるだけ医師に相談するようにしましょう。
また、ゆとりのある服装にしたりラクな姿勢をとったりすることで改善する場合もあります。頭痛がひどい場合も同様に我慢せずに、ロキソニンなどの鎮静剤を服用しましょう。
飲み合わせが気になるのであれば、医師に相談することをおすすめします。
血栓症
血栓症の初期症状 | 血栓症のリスクが高い人 |
・激しい頭痛、目の前のちらつき ・めまい ・舌がもつれる ・しゃべりづらい ・目がかすむ ・視野が狭く感じる ・足が痛い ・足がむくむ ・足がだるい ・激しい腹痛 ・胸の痛みや息切れがある | ・たばこを吸っている ・40歳以上 ・BMIが30以上 ・高血圧 ・糖尿病 ・脂質異常症 ・授乳中の人 ・家族に血栓症に関する病気をした人がいる ・前兆のない片頭痛がある |
稀に現れるピルの副作用として、血栓症が挙げられます。血栓症は血管の中に血栓ができてしまい、毛細血管を詰まらせて臓器障害を引き起こす病気です。
血管が詰まることで血流が悪くなり、激しい胸の痛みや腹痛、頭痛やめまい、しゃべりづらさや目のかすみが症状として現れます。
ピルの服用開始から3〜4ヶ月程度が最もリスクが高く、喫煙者や40歳以上、BMIが30以上などの条件が重なることで、血栓症が発生する確率が高くなるのが特徴です。
ピルの服用によって発症する確率は低いといわれていますが、血栓症の症状が現れた場合はピルの服用を中止し、医療機関で受診を行ってください。
ピルの詳しい効果や副作用については以下の記事から見られるよ!
ピルとはどんな薬?8つの効果から種類・副作用をわかりやすく解説! – 名医のチョイス (mchoice.jp)
便秘が原因でピルを変える際におすすめのピル3選
ピルの服用で便秘になってしまう場合、次のピルをおすすめします。
- トリキュラー
- シンフェーズ
- ヤーズ
ピル名 | トリキュラー | シンフェーズ | ヤーズ(保険適用の場合あり) |
費用 | 2,500〜3,000円 | 2,300〜4,000円 | 2,000〜3,000円 |
効果 | ・99%の避妊効果 ・生理痛やPMS緩和 ・ニキビや肌荒れの改善 | ・約90%の避妊効果 ・月経困難症、PMS改善 ・不正出血が起こりづらい | ・副作用が少ない ・月経困難症の改善 ※日本では、避妊薬としての有効性、安全性は確認されていない |
成分 | 【黄体ホルモン】レボノルゲストレル 【卵胞ホルモン】エチニルエストラジオール | 【黄体ホルモン】ノルエチステロン 【卵胞ホルモン】エチニルエストラジオール | 【黄体ホルモン】ドロスピレノン 【卵胞ホルモン】エチニルエストラジオール |
とくにヤーズは、副作用の少ない超低用量ピルとされており、子宮内膜が厚くなるのを防ぎます。ただし、日本でヤーズは避妊目的として処方されていないため、避妊目的で処方してもらいたい場合は注意が必要です。
シンフェーズはサンデースタートピルといわれており、1錠目を日曜日から飲み始めます。これは、生理が週末と被らないようにするためです。
トリキュラーは第2世代の低用量ピルとして知られており、避妊効果を発揮します。99%の確率で避妊効果があるとされているため、避妊目的でピルを服用する際はトリキュラーがおすすめです。
ただし、トリキュラーは血栓症を発症するリスクがあるため、飲み始めてから3ヶ月程度までは体調に注意してください。
ほかにもさまざまな種類のピルがあり、それぞれ効果や副作用、費用が大きく異なるため、処方時に医師と相談してみましょう。
ピルの詳しい購入方法については以下の記事を参考にしてね!
ピルの4つの購入方法!購入場所ごとの安さや安全性についても解説! – 名医のチョイス (mchoice.jp)
ピルと便秘の関連性におけるよくある質問
ピルと便秘についてよくある質問をまとめました。疑問に思ったことはないか以下の質問から確認しましょう。
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ピルと便秘薬は併用しても大丈夫?
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基本的にピルと便秘薬は、併用しても問題ないといわれています。しかし、人によっては不正出血が起きてしまうこともあるようです。
そのため、ピルと便秘薬を併用する際は注意が必要です。また、一緒に服用することでピルの作用を強めてしまったり、弱めてしまったりすることもあります
。飲み合わせが気になる場合は、医師に相談し受診時に、飲んでいるピルの種類を伝えるようにしましょう。
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低用量ピルの副作用で便秘になる?
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低用量ピルの副作用として、便秘になる可能性があります。これはどの低用量ピルを飲んだ場合も同じで、成分が身体に合わないことで現れる症状の1つです。
ただし、便秘はちょっとした生活習慣の乱れやストレス、睡眠不足で引き起こされる症状でもあります。そのため、便秘の原因は、必ずしもピルというわけではありません。
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独断で市販の便秘薬を併用していい?
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ピルは便秘薬と併用できますが、市販の便秘薬を飲む場合は飲み合わせに注意が必要です。市販の便秘薬を使用するのであれば、必ず医師と相談しながら決めることをおすすめします。
また、病院によっては電話やLINE、メールなどでも相談に対応してくれることがあるため、病院へ行く時間がない人はそちらを利用してみてください。
自分だけの判断で薬を併用するのはやめよう!
ピルで便秘になったと感じたらピルの種類を変えよう
ピルを飲み始めたことが原因で便秘になってしまった場合は、ピルの種類を変えるようにしましょう。生活習慣の改善や便秘薬の服用で治ることもありますが、成分が合っていないのであればピルの種類を変えることで改善します。
処方されたピルが合わなかったことを医師に伝えることで、自分に合ったピルを探してもらえます。また、ピルの種類を変える際はできるだけピルを処方してもらった病院に行くようにしましょう。
ピルが原因で便秘に悩んでいる人は、ひとまず医師に相談してみよう!