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ピルに含まれるプロゲステロンとは?主な効果や量、エストロゲンとの違いについて

  • 5月 24, 2023
  • 5月 24, 2023
ピルに含まれるプロゲステロンとは?主な効果や量、エストロゲンとの違いについて

 

チョイチョイ

今回はピルに含まれている成分の1つ、プロゲステロンについて解説するよ!

  • プロゲステロンの効果や作用が知りたい!
  • エストロゲンとの違いは?

ピルを使ってみようと考えている人の中には、どんな成分が使われているか分からない方も多いのではないでしょうか。ピルには、黄体ホルモンのプロゲステロンと卵胞ホルモンのエストロゲンという成分が含まれています。

今回は、ピルの主成分であるプロゲステロンとエストロゲンの違い、プロゲステロンが含まれるピルを服用する際の効果などについて解説します。

ピルに含まれるプロゲステロンに関するよくある質問にも回答しているので、ぜひ最後までご覧ください。

プロゲステロンとは?

プロゲステロンとは?

ここでは、プロゲステロンの効果やホルモンバランスとの関係性について紹介します。

プロゲステロンの概要

  • プロゲステロンの効果・作用
  • プロゲステロンとホルモンバランスの関係性
チョイチョイ

プロゲステロンの基本知識を解説するよ!

プロゲステロンの効果・作用

プロゲステロンは排卵後、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を安定させ妊娠しやすい環境を維持するはたらきがあります。それに加え、基礎体温を上昇させるはたらきによって、排卵状況や時期などを確認することが可能です。

また、受精後の準備に向けて、水分や栄養素をため込んだり、食欲を増したりする作用もあります。受精が確認できないとプロゲステロンの血中濃度が低くなり、子宮内膜が剥がれ生理の出血が始まります。

プロゲステロンはこれらの効果や作用から、妊娠を維持するために欠かせない重要なホルモンです。

プロゲステロンとホルモンバランスの関係性

プロゲステロン(黄体ホルモン)は排卵から次の月経の準備期間である黄体期に、分泌量を一気に増加させます。

月経周期ではエストロゲン(卵胞ホルモン)や卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)などと一緒に複雑なホルモンバランスの関係性を築いています。

月経周期とは卵胞期から始まり、排卵期・黄体期の3つの期間に分けられている期間のことです。

視床下部や下垂体などから指令を受けた他のホルモンの影響で、プロゲステロンとエストロゲンは分泌を繰り返し、女性の体に影響を与えています。

例えば、エストロゲンの分泌には視床下部の命令から下垂体に向けて「ゴナドトロピン放出ホルモン」が出されます。それにより、卵胞刺激ホルモン(FSH)が卵巣へ分泌され、卵胞が成熟する過程でエストロゲンの分泌が起こる仕組みです。

プロゲステロンも他のホルモンとの関係で、下垂体から黄体形成ホルモン(LH)が分泌された後に排卵がおこり、黄体に変化していく過程でプロゲステロンの分泌が増します。

このようにプロゲステロンは、さまざまなホルモンバランスの仕組みによって女性の体内で役割を果たしています。

ポイント

  • プロゲステロンは妊娠を維持する効果がある
  • エストロゲンとプロゲステロンはホルモンバランスを維持している

ピルに含まれるプロゲステロンとエストロゲンの違いを表で解説

ピルに含まれるプロゲステロンとエストロゲンの違いを表で解説

プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)には、効果や作用、過剰摂取した場合など、それぞれに以下の違いがあります。

プロゲステロンエストロゲン
効果・基礎体温の上昇
・子宮内膜の安定
・乳腺発達
・子宮内膜を厚くする
・自律神経を安定させる
・女性らしい体をつくる
作用・むくみやすい
・栄養素をためる
・食欲が増す
・眠くなる
・肌をきれいにする
・脳や骨などを活性化
過剰摂取・セロトニンの低下
・うつ状態
・イライラ
・生理が重い
・脂肪の蓄え
不足摂取・生理不順
・不正出血
・出血量の変化
・性交痛
・膣炎

上記のようにホルモンの効果や作用などが分かれています。女性の月経周期を安定させるためには、バランスよく分泌されることが重要です。

チョイチョイ

プロゲステロンとエストロゲンの違いを理解しよう!

ポイント

  • プロゲステロンとエストロゲンはバランスよく分泌している
  • 2つのホルモンで効果や作用が違う

プロゲステロンの量について

プロゲステロンの量について

女性ホルモンの1つであるプロゲステロン(黄体ホルモン)の量が過剰または少ない場合、体にどのような症状を及ぼすのでしょうか。

プロゲステロンの量による症状

  • プロゲステロンの量が過剰な場合に起こる症状
  • プロゲステロンの量が少ない場合に起こる症状
  • 低用量ピルにはプロゲステロンが少量入っている
チョイチョイ

プロゲステロンの量について解説していくよ!

プロゲステロンの量が過剰な場合に起こる症状

プロゲステロン(黄体ホルモン)は生理前に分泌量が多くなるといわれています。
以下は、量が過剰なときに起こる症状です。

過剰摂取で起こる症状

  • 眠気
  • だるさ
  • むくみ
  • 肌荒れ
  • 腰痛
  • 肩こり
  • 便秘
  • 情緒不安定

このように過剰な量の場合は、さまざまな不快な影響を及ぼす可能性があります。長く続くときには、一度医療機関へ相談しましょう。

プロゲステロンの量が少ない場合に起こる症状

プロゲステロン(黄体ホルモン)の量が少ない場合も、体に症状がでる可能性があります。
以下は、少ないときに起こる症状です。

不足摂取で起こる症状

  • 不妊
  • 生理不順
  • 不正出血

プロゲステロンの量が少ない場合は、月経周期が乱れやすくなります。

また、プロゲステロン(黄体ホルモン)には妊娠を維持するはたらきがあるため、ストレスや睡眠不足などで体への負荷が大きい場合、ホルモンの分泌量が減ることがあります。

これは、脳が妊娠よりも体を守ることを優先すると判断するためです。症状が明らかな場合は体を休めるようにしましょう。

低用量ピルにはプロゲステロンが少量入っている

どんな種類の低用量ピルでも、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の成分が含まれています。しかし、同じ低用量ピルでもプロゲステロンの種類によって、第1世代~第4世代に分かれています。

以下は、世代別に分かれているプロゲステロンの4種類です。

プロゲステロンの量による4種類

  • 第1世代:ノルエチステロン(NET)
  • 第2世代:レボノルゲストレル(LNG)
  • 第3世代:デソゲストレル(DSG)
  • 第4世代:ドロスピレノン(DRSP)

世代によるプロゲステロンの違いは、男性ホルモンを活発にするアンドロゲンの作用の強さにあります。アンドロゲンの作用の強さは、第1世代から第4世代にかけて弱くなるのが特徴です。

ポイント

  • ホルモンが過剰または不足していると体に異変が起きる
  • プロゲステロンには4つの種類がある
  • アンドロゲンの作用の強さが違う

エストロゲンの量で分類!?プロゲステロンが含まれるピル

エストロゲンの量で分類!?プロゲステロンが含まれるピル

ここでは女性ホルモンのエストロゲンの量によって、分類されるピルを解説します。

エストロゲン量で分類されるピル

  • アフターピル
  • 高用量ピル
  • 中用量ピル
  • 低用量ピル
  • 超低用量ピル
チョイチョイ

ピルはエストロゲンの量によって分類されてるんだよ!

アフターピル

アフターピルは、避妊がうまくいかなかったときに服用する目的で使用されます。

コンドームが破れたり外れたりして妊娠のおそれがあるとき、性交から72時間以内の服用で妊娠の可能性を抑えられる薬剤です。日本のアフターピルには、ヤッペ法とレボノルゲストレル法(LNG)の2種類あります。

レボノルゲストレルはプロゲステロンの一種を有効成分としている薬剤です。

高用量ピル

効果も副作用も他のピルに比べて高いのが高用量ピルです。1錠にエストロゲンが50μg以上配合されています。

日本では1960年ごろに発売されていましたが、ホルモン量が多くリスクも高いのが特徴です。現在、日本で高用量ピルを取り扱っている医療機関はありません。

中用量ピル

エストロゲンが50μg配合されているのが中用量ピルです。月経移動や緊急避妊対策、月経困難症の改善などに期待できます。

中用量ピルは高用量ピルに比べるとエストロゲン量は抑えられていますが、低用量ピルと比べると副作用が出やすくなります

種類はソフィアAやルテジオンがありましたが、現在はプラノバール1種類のみです。

低用量ピル

主に経口避妊薬として使用されているのが、エストロゲンが50μg未満の低用量ピルです。

使用目的はさまざまあり、生理痛や避妊、肌荒れ、PMSの改善などにも期待ができます。月経周期に合わせて21錠タイプと28錠タイプのどちらかを選び服用しますが、飲み忘れが心配な方は28錠タイプの低用量ピルをおすすめします。

超低用量ピル

超低用量ピルに含まれているエストロゲン量は、低用量ピルよりさらに少ない30μg未満です。

主に月経困難症や子宮内膜症などの治療を目的として使用され、費用に関しては基本的に保険適用の対象とされています。

個人差はありますが、副作用は出にくいとされています。しかし、頭痛や不正出血、悪心などのリスクが消えるわけではありません。

ポイント

  • エストロゲンの量によりピルの種類が変わる
  • 医療機関の取り扱いは低用量ピルが一般的である

プロゲステロンのみ含まれるミニピル

プロゲステロンのみ含まれるミニピル

ピルの中にはプロゲステロンのみ配合されている、ミニピルというものがあります。

エストロゲン(卵胞ホルモン)を含まないため、血栓症リスクが低かったり、医師の診断結果によっては35歳や喫煙者も処方されたりするメリットをもっています。一方で、毎日同じ時間に服用しないといけないのがデメリットです。

ミニピルは国内で承認されていない薬剤のため、使用を希望される方は医療機関に相談しましょう。

チョイチョイ

低用量ピルと同じような効果が期待できるよ!

ポイント

  • ミニピルはプロゲステロンのみ配合である
  • 血栓症リスクが低い
  • 低用量ピルを処方されない人でも飲める

【Q&A】ピルに含まれるプロゲステロンに関するよくある質問

【Q&A】ピルに含まれるプロゲステロンに関するよくある質問

最後にプロゲステロンに関する質問に答えていきます。
ぜひ参考にしてみてください。

チョイチョイ

プロゲステロンに関する質問を紹介するよ!

プロゲステロンが入ったピルを飲むと、うつになりやすいのは本当?

プロゲステロン(黄体ホルモン)が直接、女性のうつの原因になることはありません。

月経周期により女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの変化が、女性の気持ちに変化を与えることがあります。

プロゲステロンのみ配合されているミニピルに避妊効果はありますか?

正しく服用することで高い避妊効果が期待できます。

ただし、ノアルテンやディナゲストなどの避妊効果が認められていないミニピルもあります。避妊目的でミニピルを服用したいときは、その旨を医師に伝えるようにしましょう。

プロゲステロンとむくみは関係ありますか?

プロゲステロンとむくみは関係しています。

排卵後プロゲステロンは、体内に水分や栄養素をためようするため、むくみやすくなります。ただし、むくみにくい人もいるため女性全員がピルを飲んでむくむわけではありません。

プロゲステロンについて正しく理解してピルを服用しましょう!

プロゲステロンについて正しく理解してピルを服用しましょう!

女性の月経周期はエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)のバランスが保たれています。

プロゲステロンは妊娠の維持に影響がある重要なホルモンです。黄体期には分泌量が増え、基礎体温を上げたり、子宮内膜の環境を整えたりするはたらきがあります。

また、プロゲステロンの配合量によって第1世代~第4世代に分類され、世代の違いにアンドロゲン作用の強さが関係しています。

プロゲステロンは、エストロゲンと違う効果や作用があり、ピルを服用する際は副作用を含め正しく理解したうえで使用しましょう。避妊以外にも月経困難症やPMSなどの改善も期待できるため、気になる方はぜひ一度医療機関へ相談してみてください。

チョイチョイ

プロゲステロンは月経周期に重要なホルモンなんだよね!