性感染症として代表的な梅毒。
本記事では、梅毒の症状や治療法、予防法まで解説していきます。
男女別でどのような症状が起きるのか、感染経路や危険性など、今後感染しないための方法も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
梅毒とは?
梅毒とは、梅毒トレポネーマという細菌による性感染症です。粘膜同士の接触による感染がほとんどで、主に性行為によって感染します。
梅毒は若い男女に多く発生している感染症で、男性は20~40代、女性は20代が多い傾向です。また、年を追うごとに感染者は増加しています。
感染力が強く、感染している状態でパートナーと性行為をすると、相手にも感染させてしまうリスクが高くなります。
梅毒の原因
梅毒は、梅毒トレポネーマ感染者との粘膜接触で感染します。性行為が主な感染要因で、キス、アナルセックス、オーラルセックスでも感染する可能性があります。
また、妊娠中の女性の胎盤を通じて胎児に感染する「先天性梅毒」もあるため、生まれてくる子どもにも悪影響を与えかねません。
梅毒の症状経過
梅毒に感染すると、症状は1~4期に経過が分けられます。
梅毒の特徴として、初期の段階では痛みや痒みはほとんどありません。そのため、しこりや発疹ができても放置しがちなのが怖いところです。
では、経過ごとの症状について解説します。
第1期(3週間~3か月)
口、性器、肛門などに3mm~3㎝くらいのしこりが発症します。痛みはほとんどなく、自分では気づかないこともあります。
症状は通常3~4週間ほど経過した後で、早くて1週間、遅くて1年以上経ったあとに症状が出ることも。
症状は、発症後3~12週間くらいで無くなりますが、梅毒トレポネーマは体内に存在している可能性があるため、別の症状が出ることもあります。
第2期(3か月以上)
梅毒トレポネーマが血管を通して全身に転移し、手、足、全身に広がります。発疹のようなものが発症し、リンパ節の腫れが起こることも。
また、喉や扁桃腺の腫れ、梅毒性脱毛症などしこり以外の症状も出ることがあります。
第2期の症状も時間の経過とともに落ち着いていきますが、梅毒トレポネーマは体内に生き残り続けます。
第3期(3~10年)
皮膚や筋肉、骨にゴム腫が発症することがあります。進行すると血管や神経の障害、内臓にも腫瘍ができることがあり、症状が徐々に重くなっていきます。
第3期の症状は、第2期の症状が落ち着いてから数年後経ったあとに現れるため、忘れたころに発症するのが恐ろしいところです。
第4期(10年以上)
治療しないまま10年以上放置すると、心臓や脳などの器官に症状が出てきます。
- 心血管梅毒・・・心臓やその近辺にある血管に梅毒が感染する症状。最悪の場合、心臓発作や心不全を引き起こすこともある。
- 神経梅毒・・・脳への障害を引き起こす。記憶障害、歩行障害、排尿障害など、日常生活に支障をきたす。
今まで発症しても気づかないことがありますが、第4期までくると日常生活に支障がきたすほどの症状が現れます。最悪の場合、命を落とすことも。
梅毒が進行し臓器に損傷をきたすと、修復ができなくなることもあるため、早めの診療が不可欠です。
梅毒の症状【男女別】
梅毒の症状【男性】
男性が梅毒に感染した場合、唇や性器、肛門などに「初期硬結」という硬いしこりが発症します。
特に亀頭、冠状溝、陰茎など性器周辺が発症しやすい部位です。
主に女性との性行為によって感染し、コンドームを装着しなかったことから起こるケースが多くなっています。
梅毒の症状【女性】
女性が梅毒に感染した場合、陰部、口唇部、肛門などに初期硬結ができます。
太ももの付け根を通るリンパ節も腫れることがありますが、無痛性で自然に治癒されます。
しかし、一見治癒したと思っても、血管には梅毒トレポネーマが生存している可能性があるため、初期症状の段階でしっかり受診するようにしましょう。
梅毒を放置すると…
梅毒を放置すると、長期的に心臓や脳に重大な症状を引き起こすリスクが高くなります。
心臓への症状が大きくなると、命に関わることもあるため、早期の治療が欠かせません。
早期で梅毒を治療できれば完治することが可能なので、皮膚にしこりができたり、梅毒感染者と性行為をしてしまった方は、早めに受診するようにしてください。
梅毒の治療法
梅毒の治療には、抗菌薬である「ペニシリン」を服用します。
第1期であれば2~4週間ほど、第2期は4~8週間ほど通院しながら、ペニシリンを1日3回服用していきます。
ペニシリンを服用する際の注意点は、服用途中で症状が無くなったとしても完治しているとは限らないため、医師の指示に従って服用するようにしてください。
梅毒を予防するには
コンドームを着用する
梅毒をはじめとした性感染症は、性器同士の接触で感染することが多いため、性行為を行う場合はコンドームを着用することで感染リスクを下げることが可能です。
ただし、100%感染を防げるものではないため、パートナーと定期的に検診をして感染予防に努めるのもおすすめです。
不特定多数のパートナーとの性行為を避ける
梅毒は誰が感染しているのか、第一印象では分かりづらいため、不特定対数のパートナーとの性行為は避けた方が良いでしょう。
近年、出会い系アプリなどで気軽に異性と会えるようになっていることから、今まで以上に責任を持って行動することが大切です。
梅毒の症状まとめ
本記事では梅毒の症状や感染経過などを解説してきました。
梅毒は感染を予防できる性感染症なので、本記事を参考に感染しないよう努めてみてください。
もし感染を疑われることがあれば、早めにクリニックへ受診し、医師の指示に従って治療を受けるようにしましょう。