神奈川県横浜市・都筑ふれあいの丘駅の改札を出てすぐに位置するショコラウィメンズクリニック。院長を務める木崎尚子先生は、若者の無料相談を受けるユースクリニックにも力を入れているとのこと。そんな木崎先生の産婦人科への想いを掘り下げていきたいと思います。
産婦人科医として、女性の味方でありたい
____先生はなぜ医師になりたいと思われたのですか。
木崎尚子先生小さい頃、頭痛持ちだった母を助けてあげたいと思ったことが最初だったと思います。
また、同級生のお見舞いで小児病棟に行った時、学校にも行けずにずっと入院している子たちがたくさんいることを知って衝撃を受けました。この子たちの力になりたいと思ったこともきっかけのひとつです。
____では、産婦人科を目指されたのはなぜでしょうか。
木崎尚子先生指先が器用だったので、最初は外科医になりたかったんです。ただ、大学生の時に産婦人科の授業を受けたり、分娩に立ち会ったりしたことで産婦人科に惹かれ、目指すようになりました。 女性のことは女性が一番よくわかっているはずなので、産婦人科医として女性の味方でありたいなと思ったことも大きな理由のひとつです。
あらゆる選択肢の中から、自分に本当に合う治療法を選択して欲しい
____クリニックに来院される患者さまに多いお悩みと、それに対してどのような提案をされているのか教えてください。
木崎尚子先生月経痛、月経過多、PMS、月経不順といった月経に関するお悩みと、更年期のお悩みですね。 月経のお悩みに関しては、まずは原因になるような婦人科疾患がないかをチェックします。月経不順であればホルモンを見たりすることもありますね。月経の量が少ない・短い場合、うまくホルモンが分泌されていない可能性があります。 そういったことも踏まえて考えうる治療法はすべてご説明し、最終的には患者さんに判断していただきます。
____更年期に関してはいかがでしょうか。
木崎尚子先生更年期は症状が多種多様です。患者さん自身も更年期だと気づいていない場合があるので、まずはどのような症状がいつからあるのかを丁寧にヒアリングします。更年期の可能性がある場合は、任意でホルモン検査をすることもありますね。 更年期にも治療法がたくさんあるので、それぞれのメリット・デメリットをお伝えした上で、患者さんの意見を伺って治療を進めていきます。
____患者さんの意見をかなり尊重されているのですね。
木崎尚子先生他の病院から転院して来られる患者さんの中には、前の病院ではひとつの治療法しか提示されなかったという方も多いんです。治療法を医師側が決めているということだと思うのですが、それだと本当に患者さんの希望に合っているかわかりません。
更年期など症状がたくさんあるものの場合は、辛い症状ベスト3をあげてもらってそれに合った治療法をいくつか提示するという形をとることもあります。
選択肢が多すぎると迷っちゃう人もいるんですけどね。そういう方には選択肢をある程度絞って、「ここから始めてみますか?」と提案させていただく場合もあります。
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来てくれた患者さんの一生涯のかかりつけ医でありたい
____先生ご自身は何の名医だと思われますか?
木崎尚子先生婦人科って長く関わる場所だと思うんです。なので、一度診療に来てくれた患者さん全員を生涯にわたって診ていければなと思っています。専門を作るとそれ以外の悩みで来づらくなってしまうので、窓口を広くしておきたいんです。 私が目指すのは女性の一生涯のかかりつけ医なので、ちょっと気になることがあったら相談しに来てもらいたくて。もちろん私の手に負えないものは他の病院にご紹介という形をとることもありますが、基本的には何でもご相談いただければと思います。
____今後力を入れていきたい分野などはありますか?
木崎尚子先生中学生から22歳程度(大学生)までの若者が無料で相談できる“ユースクリニック”です。婦人科にはまだまだ行きづらさを感じているという方もいます。でもそうじゃなくて、なるべく早くから自分の体に向き合ってもらいたいんです。
ユースクリニックというと性の相談をするところという印象を持っている方も多いのですが、それだけではなく、月経に関するお悩みもご相談いただけます。「私の生理って正常ですか?」と聞きに来てくれるだけでいいんです。
自分の体と向き合うきっかけになってくれればと思いますね。
自身もスタッフも常に笑顔で。出来る限り全力で患者さんと向き合いたい
____先生が患者さんと接する上で心掛けていることはありますか?
木崎尚子先生まず一番は、笑顔を絶やさないこと。緊張して来られる方も多いので、私に限らずスタッフ全員が笑顔でいることを心掛けています。
また、患者さんの話を聞くという部分も大切にしていることのひとつです。もちろん限られた診療時間があるので、その人に何時間も費やすことはできないんですけど、出来る限り話を聞くようにしています。
あとは、なるべくわかりやすい言葉で説明することでしょうか。基本的に専門用語は使わず、砕いた言い方で理解してもらえるようにお話をします。
病気の仕組みとかって細かく説明しようとすると難しい部分もたくさんあるんです。数分の間に全部を理解するのは難しいし、患者さんが混乱して終わっちゃうことは避けたい。大事な部分をしっかり理解してもらえるように、イラストや図を使いながらお伝えすることもありますね。
____治療法などをしっかりと理解した上で選択してもらいたいということですね。
木崎尚子先生そうですね。可能な治療法は全部候補としてご説明して、こんな治療法があったなんて聞いていない、という事態にならないようにしたいです。すべてご説明した上で、治療法は押し付けず患者さんに委ねています。 その他にも、エコーを撮った方にはエコーの上からペンで重要な部分をなぞってお渡しするといったことも行っています。エコーだけ渡されても分かりづらいですからね。医師でも人が撮ったエコー写真ってわかりづらいんですよ(笑)。 特に妊婦検診の時は、何も書いていないエコー写真とは別に、赤ちゃんの顔を書いたものも1枚お渡しするんです。パパが来れないときでも、後で説明しやすいと好評をいただいています。