歯を失ってしまったとき、多くの人は「どんな治療法を選ぶべきか」と悩むのではないでしょうか。ブリッジや入れ歯は一般的ですが「周囲の歯に負担がかかりそう」「違和感が出やすいのでは」などの理由で踏み出しにくいケースもあると思います。そこで選択肢となるのがインプラントです。富山県砺波市にある「長久デンタルクリニック」では、包括的な観点から未来の歯を守る「予防管理型」の治療を実践し、その一環としてインプラント治療を取り入れています。今回は院長の長久宗弘先生に、クリニックのコンセプトやインプラント治療の利点などについて詳しくお話を伺いました。
歯の健康を長く保つための「予防管理型」クリニック

____先生が医療の道を志したきっかけについて教えていただけますか?
長久宗弘先生私の父が歯科医師だったこともあり、幼い頃から自宅や医院で父の働く姿を見ていました。さらに親戚にも歯科医師が多く、自然に「歯医者になりたい」と考えていたんです。高校時代も、親から「将来は歯医者だろう」と言われる環境でしたし、気づけば歯科の道に進んでいました。家業や親戚の影響は大きかったですね。
____実際に歯科医師になられてみての印象はいかがですか。
長久宗弘先生大きな組織で働くよりは、自分で多くのことに挑戦できる歯科診療所の方が、私の性格には合っていると感じます。歯科医師は、保険診療から自費診療まで幅広く技術を学べますし、地域医療にも深く関われるのが魅力ですね。若い頃は島根県の人口わずか600人ほどの離島で数年間、地域医療に携わっていました。そうした体験を通じて「地域に根ざした歯科医療とは何か」を強く考えるようになりましたし、今の自分の診療スタイルにつながっていると感じます。
____開業の際に大切にしたことや、コンセプトはなんでしょうか。
長久宗弘先生「虫歯や歯周病を予防し、患者さんの歯をできるだけ長く守る」ことを大切にしています。開業前には「悪くなり始めの初期段階」あるいは「何も悪いところがない状態」からご来院いただいて、むし歯や歯周病によって歯を失うことがないように予防管理を行うクリニックにしたいと考えました。もし歯を失ってしまった場合でも、噛み合わせのバランスやリスクなどトータルで考慮し、患者さまの将来にとって最良と思える治療法を提供しています。地域密着型かつ予防管理型のクリニックとして、地域の皆さまの歯の健康を支えたいですね。
周囲の歯に負担をかけずに噛む機能を取り戻す「インプラント」という選択肢

____先生が注力されている治療について教えてください。
長久宗弘先生欠損した歯の治療の中では、インプラント*1に力を入れています。当院は「予防管理型のクリニック」ということで、歯を失わないようにする予防や診療を中心に行っていますが、インプラントが推奨されるケースではこの治療を行っています。
____どういったケースで、インプラント治療を推奨されるのでしょうか。
長久宗弘先生歯を失った時の選択肢は、大まかに「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」「何もしない」の4つがあります。しかし、ブリッジには両隣の歯を削る必要があり、入れ歯には装着時の違和感などの懸念があります。何もしないで放置すれば、噛み合わせの不均衡で他の歯に大きな負担がかかり、さらなる歯の喪失につながります。
インプラントだと、骨に人工の歯根を埋め込むことで、歯を削らずに噛む機能を取り戻せます。この「他の歯を削らずに済む」という点がとくに重要です。「同じ歯を5回治療すると、その歯は壊れてしまう」という通説があって、削って詰めてを繰り返すと歯は脆くなり、将来的に欠損するリスクが高くなってしまいます。その点、インプラントは失った部分の骨に直接埋め込む治療法ですので、周囲の歯に負担をかけることがありません。これまでの治療で歯を削りすぎてしまった方や、将来の欠損のリスクを抑えたいケースでとくに推奨しています。
____インプラント治療の中で、クリニック独自の取り組みはありますか。
長久宗弘先生当院では、難易度の高いインプラント手術においては、都内の大学で講師も務めるドクターを招き、協力しながら専門性の高い治療を行っています。この取り組みによって、患者さまがわざわざ大都市まで足を運ばなくても、馴染みのある地域で適切なインプラント治療を受けられるようにしています。
____インプラント治療の流れを教えてください。
長久宗弘先生まずはカウンセリングで、患者さまのお悩みやご要望、生活スタイルなどについて伺います。次に検査を行い、精密検査に基づいた診断と、治療計画や費用のお見積りを行います。治療についてのご不明点もしっかりご説明し、ご納得いただけたら治療に進む流れです。
インプラントの埋入後は、骨と結合するまで待機期間を設けます。その後、二次手術としてインプラントと人工歯を繋ぐアバットメントと人工歯を装着したら治療は完了です。治療後もメンテナンスや検診のために、定期的な通院をお願いしています。
患者さま一人ひとりの背景を考慮した治療プランを提案

____先生がカウンセリングで心がけていることはなんでしょうか。
長久宗弘先生一番は「お越しくださった患者さまに感謝を伝える」ことです。歯医者は、テーマパークを訪れる時のような「ウキウキした気分」で行く場所ではないですよね。痛みや不安を抱えた中、勇気を出して予約を取り、足を運んでいただくだけでも本当にありがたいと感じます。だからこそしっかりとお話に耳を傾け、患者さま一人ひとりのお口の状態やご要望に応えられる治療プランをご提案することを心がけています。
____最後に、患者さまへメッセージをお願いします。
長久宗弘先生患者さまにとって、歯医者はどうしても「あまり行きたくない場所」であると思います。しかし、生涯にわたって歯の健康を保つためには、予防の観点や悪化する前の治療が有効です。歯についてお悩みのことがあれば、ぜひお気軽にご相談いただければ嬉しいです。
当院では、同じ症状であっても、患者さまの生活スタイル、ご年齢やご職業などあらゆる背景を考慮したうえで、入れ歯やインプラントなど、それぞれ適した治療プランの提案を行っています。地域の皆さまがご自分の歯を長く保ち、ずっと快適な噛み合わせで食べられるよう、これからも尽力していきます。