埼玉県を拠点に首都圏で活動されている簗 由一郎(やな ゆういちろう)先生は、形成外科専門医として、これまでさまざまな手術を手掛けてきたドクターです。その簗先生が力を入れている治療のひとつが、足の「巻き爪治療」です。今回は簗先生に、巻き爪治療にかける思いや現在の多岐にわたる活動について詳しくお話を伺いました。
「人の役に立ちたい」。その思いを胸に、医師の道へ

____先生が医師を目指されたきっかけについて教えていただけますか?
簗由一郎先生特別なきっかけがあったわけではないのですが、高校を卒業して浪人していた頃、ふと「人の役に立つ仕事がしたい」と、強く思うようになり医学の道を志すことを決めました。
____数ある診療科のなかから、なぜ形成外科の道を選ばれたのでしょうか?
簗由一郎先生患者さまの見た目や機能をより美しく、正常な状態に戻すことで、その後の人生までを明るくできる点に大きな魅力を感じたからです。研修医としてさまざまな医療に触れるなかで、形成外科の治療によって、患者さまの表情が晴れやかになっていく様子に心を動かされました。<病気を治すだけでなく、患者さま一人ひとりの「もっとこうなりたい」という前向きな思いに寄り添える分野に、大きなやりがいを感じています。現在は、主に巻き爪・陥入爪と眼瞼下垂などの眼形成外科の治療を専門としています。
____なぜ「巻き爪」と「眼瞼下垂」という、異なる2つの分野を専門にされているのでしょうか?
簗由一郎先生一言でいえば、「悩んでいる患者さまは大勢いるのに、専門的に取り組む医師がほとんどいなかったから」です。私が形成外科医として大学病院で働き始めた当初、形成外科の中心は、失われた組織を再建するような大掛かりな手術が主流でした。そのため、巻き爪や眼瞼下垂は、比較的よくある疾患でありながら専門家が不在という状況が続いていました。
自分が担当する患者さま一人ひとりの悩みに向き合い続けているうちに、いつしかそれぞれの分野の専門家として、皆さまから頼っていただけるようになっていました。
____巻き爪(陥入爪)治療は、保険診療と自費診療のハイブリッド診療なのですね。
簗由一郎先生巻き爪(陥入爪)治療*1は保険診療と自費診療が混在し、多くの患者さまが、何が正しい情報なのか分からず困っている現状があります。痛みを和らげるためのワイヤー矯正などは、効果的な治療法の一つですが、これらは保険が適用されません。一方で、根本的な治療法である手術は、健康保険を使って受けることができます。治療を開始するにあたって、まずは治療方法の違いを知ることが大切です。患者さまがご自身に合う病院を探す手助けのひとつになれば、と考えています。
また患者さまが、ご自身の状況やライフスタイルに合わせて最適な治療を選べるようにするため、、巻き爪に関する情報発信のウェブサイトを開設しました。掲示板のコーナーには、日々多くの質問が寄せられていて、できる限り私が直接返信するようにしています。
オリジナル器具の開発も。痛みの原因を取り除く、巻き爪治療

____巻き爪の治療を受ける場合、どのような流れになりますか?
簗由一郎先生まず痛みの原因が本当に爪の変形(巻き爪に併発した陥入爪)によるものなのか、変形に関係なく、単純に爪が皮膚に食い込んでいること(陥入爪)なのかを、正確に診断します。軽症の場合は、塗り薬や皮膚を引っ張って爪との当たりを和らげる「テーピング療法」といった、保存的療法で改善することがあります。
巻き爪が原因の陥入爪の場合、保存的療法で改善しなければ、ワイヤーやクリップ型の器具を用いた矯正治療を検討します。爪の厚みや硬さ、曲がり方は千差万別で、根元から大きく巻いている爪、薄くて柔らかい爪など、状態によって最適な器具が異なります。
数ある選択肢のなかでも、私自身が開発に携わった「ネイル・エイド」は、クリップ式で扱いやすく、従来のワイヤー法に比べて、器具の加工や爪への侵襲を加えずに、短期間で装着することができるという特徴があります。また外した器具を繰り返し使う事ができるので、患者さんの負担を抑えることが可能です。__再発を繰り返す場合、手術を行います。
矯正を繰り返しても、何度も再発してしまうような重症例に対しては、爪の根元を処理する手術が有効な選択肢です。爪の幅は少し狭くなりますが、痛みの原因を根本から取り除くことができます。この手術に関しては基本的に健康保険が適用される日帰り手術となります。これらすべての選択肢をメリット・デメリット含めてご説明した上で、患者さまと一緒に治療法を決めています。
私は美容外科医ではなく、「医者」でありたい

____診察を行う上で、先生が最も大切にされていることは何でしょうか?
簗由一郎先生私は、整容面の配慮が重要な眼形成外科も専門にしているため、美容外科医のような手術も数多く手掛けています。しかし、自分のことを美容外科医であるまえに、一人の医者でありたいと考えています。医師として患者さまの悩みを解決して差し上げる事が、私にとってのやりがいとなっています。「長年抱えてきたコンプレックスや、機能的な問題を解決したい」と切実に願っている方に、私の技術と知識を提供したいですね。巻き爪治療においてもそこにあるのは同じ思いです。
____最後に、この記事をお読みの患者さまへメッセージをお願いします。
簗由一郎先生私は現在、複数の病院で診療を行っています。この働き方を選んだ理由は、専門性を最大限に活かし、それを必要としている地域に出向いていくことで、より多くの患者さまの役に立てると考えたからです。私が患者さまの悩みを解決できるかもしれませんし、もし私の専門外であったとしても、信頼できる別の医師をご紹介することもできます。何が正しい治療法なのか分からず、一人で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。もし、患者さまが道に迷ってしまっているのなら、ぜひ一度私に相談してください。一緒に最善の治療を考えましょう。
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