学芸大学駅の西口から少し歩いた場所にある「ブランデンタルケアクリニック」。「歯医者さんが怖い」。そんな思いを抱える人々の、最後の砦とも言える存在です。「健康＝美しさ」をコンセプトに掲げ、虫歯や歯周病に二度とならない口内環境づくりを目指しています。今回は院長を務める樫山洋子先生に、歯科医師を志したきっかけや、とくに力を入れている「前歯の被せもの」への、審美的なこだわりについて、詳しくお話を伺いました。

＿＿＿＿先生が歯科医師を目指されたきっかけについて教えていただけますか？

樫山洋子先生歯科衛生士をしていた母の、ある一言が、私の将来を決めました。「衛生士は、患者さまの痛いのを治してあげられない。でも、歯医者さんになれば、治してあげられるのよ」。その言葉を聞いて、幼いながらに、「そうか、歯医者さんになれば、人の痛みを救えるんだ」と、強く心に刻まれたのを覚えています。その思いは、中学生になる頃には、明確な目標に変わっていました。母が、自宅から通える範囲に、歯科大学への推薦制度がある高校を見つけてくれて、その高校に入るために、中学時代から、一生懸命、勉強に励みました。

＿＿＿＿実際に歯科医師になってどう感じましたか？

樫山洋子先生例えば、歯の形を彫刻したり、模型を削ったりするといった歯学部に入ってからの実習は、とても楽しく、夢中になって取り組めました。思えば、母の影響で、大学時代には、自分で洋服を作ったりもしていましたから、昔から何かを創り出すことが、好きだったのかもしれません。

＿＿＿＿ご自身のクリニックを開業されるに至った経緯を教えてください。

樫山洋子先生大学卒業後は、まず幅広い知識と技術を身につけるために、一般歯科に勤務しました。その後、興味があった「審美歯科」の分野に進み、専門のクリニックで、多くの経験を積ませていただきました。

審美歯科医として、たくさんの患者さまと向き合う中で、「見た目の美しさ」と、「歯の健康」の両方を、決して妥協することなく、高いレベルで両立させたい、という思いが芽生えてきました。自分なりの理想の医療を心ゆくまで追求できる場所として、このクリニックを開業しました。

＿＿＿＿先生が特に力を入れている「古い被せもののやり直し」について詳しく教えていただけますか？

樫山洋子先生顔の印象を大きく左右する、前歯の被せものの、やり直し*1を得意としています。昔入れた被せものが、経年変化で歯茎と合わなくなってきたり、色や形が、今の自分にしっくりこなくなったり。そんなお悩みを、数多く解決してきました。私の治療の、最も重要なプロセスは、「仮歯」の段階にあります。古い被せものを外した後、最終的なセラミックの歯が完成するまで、仮歯で過ごしていただくのですが、この仮歯が、美しさの「設計図」です。

仮歯の段階で、患者さまと時間をかけて、理想の形を相談します。歯の長さ、丸み、並び方。ミリ単位のデザインが、笑った時の口角の上がり方や、お顔全体の印象まで、劇的に変えるのです。その設計図をもとに、最終的な被せものを作ってくれるのが、私の、絶対的な信頼を置く、歯科技工士さんです。開業以来、10年近く、ずっと同じ技工士さんに、審美的な治療は全てお願いしています。私の美意識やこだわりを、完璧に理解し、形にしてくれる最高のパートナーです。この匠の技を持つ技工士さんとの出会いがなければ、今の私の治療は、成り立ちません。

＿＿＿＿実際にクリニックで被せもののやり直しを受ける場合、どのような流れになりますか？

樫山洋子先生まず、古い被せものを外し、型取りをした後、「仮歯」を私がその場でデザインし、装着。その日は、仮歯のまま、お帰りいただけます。後日、技工士さんから、最終的なセラミックの被せものが届いたら、再度ご来院いただき、装着して、完成となります。ですから、最低でも、2回は足を運んでいただくことになりますね。

＿＿＿＿クリニックは、白を基調とした、清潔感のある、優しい雰囲気ですね。

樫山洋子先生「歯医者さんは怖い」というイメージを、少しでも和らげられるように、院内の雰囲気作りには、とくに心を配っています。スタッフにも、「私たちにとっては、毎日のことでも、患者さまにとっては、今日が初めての、不安な一日かもしれない。その気持ちを、決して忘れないでね」といつも話してます。

女医である私を頼って、とくに痛みに敏感な、怖がりの患者さまも多くいらっしゃいますね。そんな方々が、少しでもリラックスして、安心して治療を受けられる。そんな、温かいクリニックでありたい、と願っています。

＿＿＿＿診察を行う上で、先生が最も大切にされていることは何でしょうか？

樫山洋子先生「患者さまの理想が、私のゴール」。それに尽きると思います。もちろん、プロとして、「こうした方が、より自然で、美しいですよ」というご提案は、させていただきます。しかし、それを押し付けることは決してありません。一人よがりの治療をするのではなく、あくまで、患者さまの気持ちに寄り添い、二人三脚で一緒にゴールを目指していく。その姿勢を、何よりも大切にしています。

____最後に、この記事をお読みの患者さまへメッセージをお願いします。

樫山洋子先生以前、歯が悪く、見た目にも、あまり頓着されていない、男性の患者さまが来院されました。その方の前歯を綺麗に治療した数週間後、彼は見違えるように素敵な格好で、クリニックに現れたのです。

その時、私は確信しました。前歯の見た目を美しくすることは、他人の評価のためだけではなく、自分自身に、自信をもたらしてくれるのだ、と。

ただ、見た目のためだけに、健康な歯を削る必要はありません。「美しさ」と「健康」の両方を手に入れることは可能です。信頼できる先生と、よく相談して、患者さまに最高の笑顔を手に入れてほしい、と心から願っています。