舌痛症の名医
角田智之先生 
つのだデンタルケアクリニック

福岡の玄関口、JR博多駅の近くにある「つのだデンタルケアクリニック」。院長の角田智之先生は国内でも数少ない舌痛症の専門治療を行う歯科医師です。「縁ある方々の幸せのために」。患者さまの健康と幸せを願い診療を続ける角田先生に、舌痛症診療と予防診療の重要性をお聞きしました。

めざすのは患者さまと世の中の役に立つクリニック

___先生のご経歴を教えてください。

角田智之先生明海大学歯学部を卒業後、日本大学医学部付属板橋病院歯科口腔外科、久留米大学病院口腔外科を経て、2008年に福岡市で「つのだ歯科口腔クリニック」を開設しました。2015年に同じ福岡市内で移転開業に伴い、「つのだデンタルケアクリニック」に名称を変更し、現在まで診療を行っています。

___歯科医師をめざしたきっかけはなんですか?

角田智之先生父親と兄が歯科医師で、幼いころから父親の仕事をみてきたせいか、自然と歯科医師をめざしました。

___診察を行う上で大切にしていることはなんでしょうか?

角田智之先生「目の前の患者さまの役に立つために自分には何ができるだろうか?」と、毎日自問しながら診療を行っています。当院の存在理由は特に重要だと考えていますので、患者さまに喜んでもらえ世の中の役に立つクリニックをめざし、努力を怠らないようにしています。

国内でも数少ない舌痛症の専門治療

___先生が得意としている施術を教えてください。

角田智之先生私は、心理的要因にて発症するといわれている舌痛症(ぜっつうしょう) *1​​ を専門に診察しています。舌痛症は、舌に何もないのに痛みが持続する不思議な病気で、患者さまご本人にしかその苦しみがわからない辛い病気です。
軽度の痛みの方もいますが、生活に支障がでるほどの痛みを訴える患者さまも少なくありません。舌痛症を専門的に診察している医師は非常に少なく、全国から問い合わせもありますので、オンライン診察 も行っています。

___どのような悩みを抱えている患者さまに来院してほしいですか?

角田智之先生舌が痛く、どこの歯科で診てもらっても治らない患者さまに来院していただきたいですし、実際に、そのような患者さまが多く受診されています。さらに、原因不明の痛みや難治性の痛みを抱えておられる患者さまにも、ぜひ足を運んでいただければと思います。
それから、何も症状はないけれども何年も歯科を受診していない患者さまですね。おそらくこれまで、歯科と縁がなかったのでしょうが、お口の中は年齢とともに必ず変化していきます。何もないから大丈夫ではなく、何もないからこそ、その状態を維持するため、予防歯科についての知識をアップデートしていただきたいと思っています。

___クリニックの特徴を教えてください。

角田智之先生当院は、舌痛症診療と予防診療がメインのクリニックですので、舌痛症のカウンセリングルームと、予防やメンテナンス診療のエリアを充実させています。また、予防に関しては、唾液検査 *2​​ を行っており、患者さまお一人おひとりの虫歯・歯周病リスクを判定し、リスクに応じた予防プログラムを提供しています。
これにより、患者さま自身が、なにが原因で虫歯や歯周病になったのかがわかり、その原因を私たちと一緒に考えることで改善指導に役立てています。そうすることにより、「歯科医院で治療してもらう」受け身から「自分で虫歯・歯周病の管理をする」という能動的思考に変化し、自発的な予防につながります。メンテナンスの患者さまは、自ら3〜4か月先の予約を行ってくださっています。 その他、小児の虫歯予防にも力をいれており、院内の小児エリアの壁はポップな柄に、またメンテナンスユニットには象さん柄を採用しています。お子さんが恐怖を感じず、親子で楽しく来院できるように配慮しています。 大人でも子どもでも、継続的に通院していただくことが結果的には患者さまの健康に貢献に繋がると考えています。

「予防」のためにもメンテナンスを習慣化

___先生が知識を増やしていく上で普段から行っていることがあれば教えてください。

角田智之先生まずは読書です。ただ、それだけでは知識に過ぎないので、患者さまにとって役に立つ知識であれば即実践することを心がけています。もちろんその他に、学会や勉強会にも定期的に参加していますが、できるだけ患者さまに役立つ知識に絞りこみ、有意義に時間を使っています。
知識だけではなく、とにかく実践日々診察する患者さまが「先生」であり、患者さまの体を通して様々なことを学ばせていただいています。

___クリニックを選ぶ際に重視すべきポイントはありますか?

角田智之先生歯科クリニックには、大きく二つに分けられると思います。「主訴解決型医院」と「予防重視型医院」です。主訴解決型医院とは、痛みや詰め物がとれた、歯茎から血が出るなどの訴えに対し治療する医院です。そうすると、患者さまの目的も医院の目的も痛みや不快症状がなくなることがゴールになります。
一方、予防重視型医院では、痛みや詰め物がとれたなど不快症状を最優先で処置するのはもちろんですが、 同時に予防を重要視し、患者さまが一本も歯を失わず、生涯自分の歯で食事を楽しめるようにすることを目的とします。そのためには、患者さまそれぞれの健康情報を収集するなど医院の努力も必要です。加えて、患者さまも自らの歯を守るという思考と行動が重要。治療主体よりも予防の重要性など詳しく説明する歯科医院がより好ましいのではないでしょうか。

___キレイで健康な歯を保つ上で最も大切なことはなんでしょうか?

角田智之先生数か月毎の定期的なメンテナンスです。治療が終わったらおしまいではなく、そこがスタートだと考えています。治療したところをきれいにトラブルなく保つには、メンテナンスが欠かせません。
具体的には、歯科衛生士が行う清掃状態のチェック、生活習慣を含めたアドバイス、エアフローという診療機器を使用し細菌が形成するバイオフィルの可及的除去などです。口腔内の環境は、毎日のブラッシングはもちろん、ストレスや年齢によっても大きく変わります。ただ、初期の変化は患者さま自らでは気づけないことが多いので、そのサポートが我々の重要な役目です。
私は、出張や旅行で自宅を空ける時以外は、毎日必ず自宅のトイレを掃除しています。毎日続ければ簡単にすみますし、習慣化することで、掃除をしないと気持ち悪くなります。同じように、歯科でメンテナンスを習慣づけていただきたいと思っています。

プロフィール
角田智之先生
つのだデンタルケアクリニック/院長 角田智之
埼玉県出身。明海大学卒業後、日本大学医学部歯科口腔外科学教室入局。その後、関東、福岡などで数々の病院で研鑽を積む。2008年、福岡市博多区東那珂に「つのだ歯科口腔クリニック」開設。2015年、現在地に移転し「つのだデンタルケアクリニック」に名称を変更する。舌痛症診療と予防診療に力を注ぎ、地域医療にも貢献する。
問い合わせ:092-400-0080

治療メニュー等

取材日:2024年5月1日 *1
◾️舌痛症:
専門的には“身体表現性障害”と呼ばれるものの一種で、これは簡単にご説明すると“舌に何も問題がないのに、症状がある”ことを指します。つまり舌に器質的な病変がないにも関わらず、痛みなどの症状がある状態のことを言います。そのため、舌の見た目に異常がなく、検査を受けても問題が見つからなかったのに、舌先のピリピリとした痛み、舌をやけどしたようなヒリヒリとした痛み、しびれなどの症状がある時は舌痛症が疑われます。
身体表現性障害と心身症を混同されている方も多いのですが、これらは別のものとして考えなければいけません。心身症とは、精神的ストレスや人間関係などにより、器質的な障害が生じてお体に悪影響をおよぼしている状態のことを言います。ストレスにより発症することが多い胃潰瘍や十二指腸潰瘍などがこれにあたります。 一方、身体表現性障害とは、慢性的に続く痛みなどの症状の原因となる器質的な病変は認められず、人間関係にともなうストレスなどの心理的要因によって症状が現れている状態を言います。
舌痛症は最近出てきた病気ではなく、古くから知られている病気です。中高年の女性に多くみられます。症状があっても器質的な病変が見つからないため、歯科、耳鼻咽喉科、内科を受診しても「ストレスのせい」となるケースが多いようです。その結果、ドクターショッピングを繰り返したり、症状があるのに我慢するしかないという患者さまも多いです。
*2
◾️唾液検査:
ガムを噛んで唾液を採取する簡単な検査です。唾液を検査することで、お口の中の虫歯菌の数や緩衝能(体質的な虫歯のなりやすさ)、ドライマウスの有無などがわかります。この検査により個人の虫歯リスクを判定し、歯ブラシの選定などオーダーメイドな予防プログラムをご提案します。
むし歯の発生には、食事内容や歯磨きだけでなく、お口の中にいるむし歯菌の数や唾液の質や量などが深く関わっています。予防歯科に力を入れている当院では、初診時、すべての患者さまに唾液検査を受けていただき、むし歯や歯周病のリスク、お口の健康度を把握しています。
◾️費用:唾液検査(SMT虫歯・歯周病リスク検査)/3,500円(税込)
※その他の審美歯科治療費についてはHPをご参照ください。


ライタープロフィール
福島和加子
患者さまのために何ができるのか、と日々真摯に治療に向き合う角田先生。中でも舌痛症の専門医として、痛みに苦しむ患者さまの大きな頼りどころとなっています。オンライン診療も可能ですので、お悩みの方はぜひお問い合わせを。