セラミック治療の名医
前原美保先生 
Miho歯科医院

「エナメル質は鎧なり」という恩師の教えのもと、歯を残すことを前提に治療を行う「Miho歯科医院」の院長、前原美保先生。お口の環境を整え、予防にも力を注いでいます。今回、前原先生の歯科医としての信念や、こだわりの治療について詳しくお話をお聞きしました。

大切なのは、できるだけ抜かない、削らないない治療

___クリニックの特徴を教えていただけますか?

前原美保先生「お口の健康を作る歯科医療」をめざしていることですね。悪くなった歯を治療するだけではなく、そもそも歯が悪くならないように、お口の中の健康や予防の大切さも患者さまにお伝えしています。
また、治療が必要なほど悪くなってしまった場合でも、歯をできるだけ抜かない、削らないない治療を行っています。

___「できるだけ抜かない、削らないない治療」は歯科として珍しいと思いますが。

前原美保先生そうですね。このような治療をめざしたのは、恩師からの教えがきっかけとなっています。学生時代、その教授から「エナメル質は鎧なり」と教わり、歯を削れば鎧がなくなり弱くなってしまうということを学びました。
ですが、一般的な歯科医院では歯を削るのが当たり前。恩師からの教えとの間に矛盾を感じ、歯を残すことを前提にした治療を行うようになりました。

___そのために導入している医療機器があるそうですね。

前原美保先生ドイツ製のマイクロスコープや拡大鏡などを使用し、精密治療を行っています。これにより、削る部分を必要最小限にすることができ、患者さまへの負担が少ない低侵襲の処置を行うことも可能です。

___歯科嫌いの患者さまも受診しやすくなりますね。その他の特徴はいかがでしょうか?

前原美保先生バリのリゾートホテルをイメージしてデザインした医院の内装は、オシャレでリラックスできる空間だと患者さまに好評です。
また、カウンセリングルームがあり、患者さまと個別に対話ができる時間や空間を設けています。お悩みをしっかりと伺った上で、治療に求めるものや期間、費用など、患者さまのライフスタイルに合わせたオーダーメイドの治療をご提案しています。
さらに、女性歯科医師ということで、男性の先生では緊張してしまうという患者さまにも安心して通っていただいています。

受診した当日に治療が完了。セラミック治療「セレック」

___先生が歯科医師を志したきっかけを教えていただけますか?

前原美保先生6歳年下の弟がおりまして、幼い頃に岡山大学歯学部で歯列矯正をしていました。私も付き添いで一緒に通っていたのですが、その時に目にした女性歯科医師の姿に憧れたんです。白衣を着て活躍している様子を見て、私もいつかこうなりたいと思うように。その夢を追って、岡山大学歯学部に入学しました。

___先生が特に力を注いでいる治療はなんでしょうか?

前原美保先生セラミック治療です。
中でも、「セレック」*1と呼ばれる、虫歯治療として持続効果が長いセラミック治療システムを導入しています。お口の中をカメラで撮影した後、3D画像を用いて詰め物を設計し、その場でミリングマシーンを使ってセラミックを削ります。
一般的な歯科では数回にわたり受診し、詰め物や被せ物の治療を行いますが、当院の場合には受診した当日に70〜90分程で終了することができ、患者さまの負担も少なく済んでいます。

セラミックではさまざまな種類をご用意していますが、特に人気があるのは「イーマックス」というガラスセラミックです。天然歯に近い透明性があり、プラークがつきにくく、また、噛み合う天然歯にも優しいというメリットがあります。

___診察を行う上で大切にしていることを教えてください。

前原美保先生歯科治療は精密で複雑な治療工程が多いので、一つひとつのステップで手を抜かず正確に行うよう常に心がけています。
同時に、患者さまへのわかりやすい説明も欠かせません。自らの歯の状態をきちんと理解していただくために、iPadや歯の模型なども使っています。
それから、患者さまが長期にわたってご自身の歯で健康に過ごしてもらえるよう、治療後のアフターケアや予防も大切にし、お一人おひとりの生活習慣に応じたアドバイスを行っています。

食生活とブラッシング、そして定期検診できれいな歯を

___先生がさらに知識を増やす上で普段から行っていることを教えてください。

前原美保先生研修会や学会などに参加して実際に他の先生から学んだり、オンラインセミナーを通して自宅や診療室からも学ぶ機会を得ています。
リアルな研修会は、同じ目的で集まった歯科医師と情報交換ができるのが魅力ですね。

___きれいで健康な歯を保つ上で大切なことはなんでしょうか?

前原美保先生虫歯になりにくい食生活とブラッシング習慣の確立です。
また、歯科医師による定期検診も大切です。3〜6ヶ月に通い、虫歯チェック、歯周病の検査、ブラッシング指導、虫歯治療や歯石除去、お口全体のクリーニング、歯肉マッサージ、フッ素塗布などを行うことをおすすめします。

___クリニックを選ぶ際に重視した方が良いポイントを教えてください。

前原美保先生まずは、治療法について丁寧に説明をしてもらえるかどうか。それから、治療の選択肢を一つだけではなく複数提示してももらえるかもポイントです。

___どのような悩みを抱えている患者さまに来院してほしいですか?

前原美保先生虫歯治療のやり直しばかりで悩んできた患者さまには、自費治療ではありますが、ぜひセラミックでの治療を検討していただきたいですね。
保険治療の場合、費用は低く抑えられますが、治療の幅も狭くなってしまいます。メリットの多い自費治療で、繰り返しの治療から脱却してほしいですね。

プロフィール
前原美保先生
Miho歯科医院/院長 前原美保
岡山大学歯学部卒業後、臨床研修医を経て岡山県、兵庫県、大阪府の歯科医院に勤務。その後4年間、小児歯科の院長を経験し、2013年にMIHO歯科医院を開院する。お口の健康を作る歯科医療をめざし、地域に密着した歯科医師として尽力している。

<所属学会>
日本口腔インプラント学会
日本歯周病学会
日本抗加齢医学会
歯科臨床研鑽会

問い合わせ:072-270-4618

治療メニュー等

取材日:2024年6月22日

*1
◾️施術名:セレック(セラミック治療)
◾️施術の説明:
セレックは約40年ほどの歴史があり、虫歯の治療としては長持ちする予後の良いセラミック治療システムです。コンピュータ制御によって、セラミックブロックから詰め物・被せ物を設計・作製するCAD/CAM技術を利用しており、医療先進国のドイツで誕生しました。
口腔内スキャナー(Intra Oral Scanar:IOS)と呼ばれるコンパクトなカメラでお口の中をカラーで撮影し、最先端の3D画像を用いてコンピューターで詰め物の設計をデザインして、ミリングマシーンと呼ばれる加工機によりその場でセラミックのブロックから詰め物を短時間で削ります。従来の粘土状の材料(印象材といいます)を用いた型取りでは、固まった印象材を外す際に変形が起こりやすく、どうしてもその精度に限界がありました。お口のスキャンではそのようなエラーは発生しません。作製する詰め物は大きさにより5〜10分程度で削り終わります。
◾️施術のリスク:
・しみたり痛むことがある。
・割れたり欠けたり取れることがある。
・虫歯が大きくて歯の神経が近い場合など神経を取る治療を伴うことがある。
◾️治療期間:
スキャン、設計、製作、装着が最短で1日です。ただし、虫歯、歯周病の治療が必要な場合は、先にそちらを行います。また、特殊な色づけが必要な場合は、後日の装着になります。
◾️費用:
【被せ物(クラウン)】
e.maxクラウン:140,800円(税込)
【詰め物(クラウンインレー)】
e.maxインレー:78,650円(税込)
※2020年11月1日現在の価格です。
※その他のセレックの費用はお問い合わせください。


ライタープロフィール
福島和加子
広告代理店在職中に、経営者や医師、移住者など様々なバックグラウンドを持つ人物への取材を経験。その後フリーランスとなり、「人の生きる姿」を引き出すインタビューライターとして活動中。美容医療業界を中心に、健康に関わるインタビュー記事も多数執筆。