虫歯を放置して、気づいたら耐えられない痛みになっていた…という経験がある方も多いかもしれません。大阪市淀川区にある「おくだ歯科医院」に勤める峯田茉里先生は、神経治療の専門医として5つの歯科医院を掛け持ちし、地域の患者さまに向き合っています。今回は峯田先生に歯の神経治療についてや、患者さまへの思いを伺いました。
神経治療の専門医として地域の患者さまを担当
___歯科医師を志したきっかけを教えてください。
峯田茉里先生両親がどちらも歯科医だったので、私も歯科大学に進学することになりました。最初に勤めた医局が神経治療に特化していたのがきっかけで、神経治療の専門医になりました。
神経治療の専門医になってからは、まる2年くらいです。今は5つの歯科医院を掛け持ちしていますが、神経治療の専門医として複数の医院を掛け持ちしているのは、まだ全国的にも少ないと思います。
___神経治療は、かなり難しい分野ではないでしょうか?
峯田茉里先生一般的にどこの歯科医院でも行われている治療ですが、難しいからこそ大体の先生方が嫌いな分野でもあります。神経治療は歯を残すために重要で、かつ有効な治療手段です。患者様ができるだけ痛みや負担を感じないで済むように注力しています。
痛みが強く負担が大きいからこそ、負担が少なくなる工夫を
___先生が得意とする治療は何ですか?
峯田茉里先生歯の神経治療(根管治療)*1です。虫歯になった際、神経まで感染が進行すると炎症を起こします。脈に合わせてズキズキ痛むことが多いですし、無症状で進行している場合もあります。
歯の神経が感染してしばらく経つと、痛みが消えることがあります。これで治ったと思われる患者さまは結構いるのですが、実際は神経が感染により痛みを感じることができなくなっただけなのです。
___もし抜歯が必要になった際は、どのように対応いただけるのでしょうか?
峯田茉里先生私は神経治療の専門医ですが、他の分野に精通している先生や専門医と一緒に働いています。
そもそも、歯の神経治療を通して治癒が確認できることと、実際に噛んだ際も問題なく歯として機能できるかは別の分野になります。歯の状態から考えられるケースを想定して、患者さまにお伝えします。その上で患者さまの意向に沿った治療を行っています。
最終的に抜歯が必要になったり別の治療法が必要になったりしても、最後まで責任を持てるチーム体制を整えています。
『歯の将来』を、患者さまと共に考えます
___どのような思いを持って治療に取り組まれていますか?
峯田茉里先生歯の神経治療は、再治療になることがすごく多い分野です。抜歯になることも多い。1本の歯に対し生涯治療できる回数も決まっており、大体多くて5回と言われています。私が治療することがその歯にとって最後の治療になればと思って治療を行っています。
その中で患者さまに対峙する際、将来的なところまで考えてから治療に取り組むようにしています。
___患者さまへのメッセージをお願いします。
峯田茉里先生虫歯治療をする患者さまの中には、神経の痛みに耐えられず市販薬やタブレットで痛みを凌いだり、「抗生剤で治らないですか?」とご質問いただいたりすることもあります。しかし歯の神経で感染を起こしている場合は、基本的には投薬で治るものではありません。
一時的に痛みがおさまったとしても、また何かの拍子に痛みがぶり返すこともあります。歯の痛みだけではなく噛み合わせや違和感、不安な点などあれば、歯科医院に行かれると良いと思います。もちろん当院でも、患者さま一人一人に合った治療方法をご案内してまいります。