YouTubeとテニスを軸にした予防医療の名医
岩井勇策先生 
岩井勇策リハビリ科

「健康寿命を延ばし、人生を最期まで謳歌する」。これは誰もが願うことですが、現代医療だけではなかなか難しいのが現状です。そんな中、「リハビリフィットネス中心の予防医療」を掲げ、ユニークなアプローチで人々の健康をサポートする岩井勇策リハビリ科があります。今回は、株式会社東京予防医学センター代表、YouTuber、リハビリ科クリニック院長、プロテニスプレーヤー、スポーツドクターなど多方面でも活躍されているクリニックの岩井勇策(いわいゆうさく)先生に、予防医療への情熱と活動の真髄についてお話を伺いました。

医師の道へ、そして予防医療への情熱

____先生が医療の道を志したきっかけについて教えていただけますか?

岩井勇策先生医師の道を選んだきっかけはテニスでした。中学・高校とテニスに打ち込む中で、テニスに関わる仕事に就きたいという思いが芽生えたんです。当初はテニスコーチやトレーナーを検討していましたが、医師である父の影響もあり、「スポーツドクター」という道があることを母親が見つけてくれました。横浜市のテニス広報誌でテニス肘に関する記事を執筆していたスポーツドクターに直接話を聞きに行ったところ、「とにかく医者になりなさい」という言葉を受けまして、そこから医学部を目指すことになりました。

____なぜ予防医療をしようと思ったのでしょうか?

岩井勇策先生大学卒業後、研修医として様々な科を経験する中で、特に印象に残ったのが立川相互病院での地域医療研修プログラムでした。訪問診療や訪問介護、訪問看護の現場を目の当たりにし、「動けない」ことが患者さんの幸せを大きく奪っていることを痛感しました。この経験から、「患者さんが最期まで自分の足で歩けるようにすること」こそが、最も必要とされている医療だと確信し、研修医中にトレーナー資格を取得しつつ、リハビリテーション科を選択しました。

そのほか、糖尿病のような内科系疾患の予防にも強い関心を持っていたんですね。糖尿病学会での学びを通し、発症前の予防が極めて重要であることを再認識しました。病院に行く前の段階でアプローチできる場所を模索する中で、教えていただいたのが産業医という道です。産業医として3年間勤務する中で、検診で健康状態が悪化した社員への電話指導などを行いましたが、生活習慣(特に運動習慣)の改善は極めて困難であることを痛感しました。また、メンタルヘルス面談を通じて、その人に合った本来やりたいことをやらないでいると、自身にも周りにとっても良くない方向へ向かってしまうケースが多く驚きました。そんな社員さんとのやりとりを通じて「やりたいことをやって生きる人生こそ真の健康」という東京予防医学センターの理念を見出し、「会社経営をする」決意を固めたのです。

____そこから岩井勇策リハビリ科設立までどのような経緯があったのでしょうか?

岩井勇策先生元々医師を目指したきっかけであるテニスの怪我の予防とパフォーマンスアップに貢献したいという想いと、産業医時代に抱いた「病気の根本原因となる運動習慣の改善にアプローチをしたい」という想いが一つになり、まずはテニスを通して運動習慣の形成をサポートするサービスを提供しようということで会社を設立しました。当初はクリニックを開設する予定はありませんでした。しかし会社運営メンバーの祖父が入院し、相談を受けた際、既存の医療ではリハビリに関して大幅な改善が必要でした。私が担当医として在宅医療へ移行するため、クリニックが必要となり、岩井勇策リハビリ科の開設に至りました。現在、クリニックでの直接的な診療は限定的で、主にオンラインでの診療や、会社のお客様からの相談対応、そして柔道整復師や鍼灸師、理学療法士といった社外の治療家やトレーナーと連携する際に活用しています。様々な専門家や企業との連携を通じて、人々が健康になるためのサポートを多角的に展開する「全世界健康プロジェクト」を行っています。

岩井勇策リハビリ科のユニークな取り組みと健康への哲学

____岩井勇策リハビリ科ではどのような取り組みを行っているのでしょうか?

岩井勇策先生岩井勇策リハビリ科は、東京都の北区、板橋区、練馬区、足立区、荒川区、豊島区、文京区、新宿区、中野区、渋谷区、杉並区など一部の地域、また埼玉の一部の地域で訪問診療を行っています。また予防医療としての効果を高めるため、東京予防医学センターが主催する毎朝6:00〜6:30にZoomのエクササイズも実施しています。スポーツ、トレーニング、ケアという運動の3本柱を意識し、運動習慣の確保と睡眠習慣の確立を促すために行っていますね。Zoomのエクササイズは基本的にオンラインで行っているため、特定のスペースは設けていません。

____予防医療として、どのようなことに注力しているのでしょうか?

岩井勇策先生特に注力しているのは、従来の「画像を撮ってお薬を処方する」医療ではなく、「生活習慣(特に運動習慣)の改善」に重点を置いた予防医療です。身体の痛みや生活習慣病に対し、薬の処方で終わるのではなく、患者さまご自身が良い運動習慣を身につけることを促します。特に、当社の公式サイトに掲載された「健康の家」の概念図にある運動の3本柱の「スポーツ、トレーニング、ケア」の重要性について説明しています。また、生活習慣改善のためには、「健康の家」の土台にある人生の目的について「自分が本当に何をして生きていきたいのか」という問いに対する答えを明確にしていくことが大事だと考えていますね。

____LINEのオープンチャットを活用した「無料診療所」とはどのような活動でしょうか?

岩井勇策先生LINEのオープンチャット「【ヘルシー王子】のLINE無料診療所」では、基本となる健康情報をお届けしたり、匿名で「腰が痛い」「日焼け止めはどうしたらいいか」など、多種多様な健康に関する質問を受け付け、回答しています。世界的に無料診療所を各地に設立し、貢献されてきたことで有名な、マザー・テレサさんやパッチ・アダムスさんに学び「令和版無料診療所」としてこの活動を行っています。、まず皆さまに正しい情報を入手してもらい、生活習慣改善のきっかけを提供することを目指しています。「無料診療所」の流れは、質問から始まり、動画やテキストで学んでいただき、生活習慣の改善へと導きます。例えば、必要なケアとしてマッサージを推奨する際には、近所のマッサージ店や、認定トレーナーを紹介するなど、自社内外のサービスを柔軟に案内していますね。

____メインの活動はYouTubeでしょうか?

岩井勇策先生はい。LINE無料診療所で情報を届けるためにもYoutubeを重視しています。Youtubeチャンネルはいくつかあり、「無料診療所」では基本となる健康情報を、「いわたび」では健康的なレジャーやアスレチックを、「テニス革命」では健康のためのテニスを通じて、動ける身体を維持するための体育と医学の授業をお届けしています。私の専門分野は「テニスを活用した予防医療」です。薬の処方ではなく、みなさんのお身体をより動けるようにして、「テニス」を通じ、長期的な健康と生きがいを追求する医療を実践しています。

「人生100年時代」を元気で生きがいを持って生きる

____先生が知識を増やしていく上で普段から行っていることがあれば教えて下さい。

岩井勇策先生医療以外の分野からも広く学ぶことと、学んだことを「自分自身が実践してみる」ことを重視しています。本を読むだけでなく、自身の身体で様々な方法を試すことで、本当に体が動きやすくなり、健やかになるかを常に実験しています。その上でエビデンスと照らし合わせ、エビデンスを重要視しつつ、現在明らかになっているエビデンスだけでは不十分なものも補っています。

____診察を行う上で大切にしていることはなんでしょうか?

岩井勇策先生最も大切にしているのは、長期的な未来を見据えることです。「その人が100歳まで自分の足でスキップできる状態を維持できるには何が必要か」という目線で、常に患者さまと向き合っています。例えば、整形外科に行っても痛みが改善しない方には、マッサージや整体院の活用方法、「クリニックに何を求めるべきか」といった適切な医療機関の活用方法や行動の指針を丁寧に説明しています。医師・トレーナー・施術家・アスリートまで幅広く実践してきたことで、このような横断的アドバイスができるようになりました。

____最後に、患者さまへメッセージをお願いします。

岩井勇策先生「人生100年時代」と言われる現代において、100歳まで元気で生きがいを持って生きるためには、「自分が社会のために役立つ」という意識が重要です。患者さまには、本当に自分がやりたいことを見つけ、セカンドキャリアや新たな挑戦を通じ、社会に貢献する素晴らしい人生を歩んでほしいと願っています。その実現のためには、「動けること」が最も大切です。「人生最後の時まで、自分の足で歩きたい」と思う方はぜひ、今お悩みが無くても予防的に、LINEの「無料診療所」へご相談ください。

【ヘルシー王子】のLINE無料診療所:https://yobouigaku-center.com/line/

プロフィール
岩井勇策先生
岩井勇策リハビリ科/代表 岩井勇策(いわいゆうさく)

日本大学医学部を卒業後、東京大学リハビリテーション科、株式会社ニトリ専属産業医、ジェクサーフィットネスクラブパーソナルトレーナー、(株)テニスユニバースウェルネスドクターを経て株式会社 東京予防医学センターと岩井勇策リハビリ科を設立。

<資格>
・プロテニスプレーヤー(日本テニス協会公認)

<過去取得資格>
・日本医師会認定産業医
・日本医師会認定健康スポーツ医
・NSCA-CSCS(トレーナー資格)

治療メニュー等

取材日:2025年5月17日


ライタープロフィール
今崎人実
大手インターネットプロバイダーを経て、Webデザイン事務所に所属。Webデザイナーとして医療専門サイトの構築に携わる。2021年に専業のライターに転身し取材を中心に活動。医師・看護師・放射線治療の研究所などへの取材を得意とし、ライターとして活躍中。