ピルを飲む理由は避妊だけじゃない？ピルの主な効果やメリット・デメリットを解説

今回はピルの主な効果やメリット・デメリットについて紹介するよ！

避妊目的のひとつとしてピルが知られていますが、実は違う目的で服用をはじめる方が増えていることをご存じですか？それは女性特有の悩みであるPMS症状や生理痛の緩和、ニキビ改善などです。

ピルには女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが配合されていて、内服によって女性特有の悩みを緩和する作用があります。

今回は、ピルにまつわる避妊効果以外の作用に合わせて、メリット・デメリットを解説します。

ピルを飲むメリット8選

ピルにはエストロゲンが含まれており、避妊効果以外にもさまざまな目的で内服する女性が増加しています。ここでは、ピルの特徴を紹介しながら得られるメリットを8つ解説します。

エストロゲンの内服は女性にとってメリットが多そうだよね！　さっそく詳しく見ていこう！

生理周期のコントロール

ピルを飲むと生理周期をコントロールできます。生理周期に変化が起きるのは、エストロゲンを内服したことで脳が「妊娠した」と誤認識するためです。誤認識した体は妊娠の準備として、子宮内膜を厚くするはたらき(生理)を抑制します。

ピルを飲むことで生理周期をずらせるので、旅行やデートなどの大切な予定をよりアクティブに過ごせます。

生理痛やPMSの緩和

ピルに含まれるエストロゲンを補うと、子宮内膜の増殖を抑えるはたらきによって、生理痛の緩和作用に期待できます。ほかにも、生理前特有の気持ちの浮き沈みやニキビ、頭痛や肩凝りなどPMS症状の緩和にも有効です。

PMS症状は、女性ホルモンが急激に変動することで起きる症状です。そのため、エストロゲンを含んだピルは、生理痛やPMS症状に悩む方にとって頼もしい存在といえるでしょう。

子宮内膜症や子宮筋腫の治療

ピルの中でも一般的な低用量ピルには、エストロゲンとプロゲステロンが含まれています。排卵を抑制する作用があり、子宮内膜を薄い状態に保つことから、子宮内膜症の進行を遅らせる薬として用いられています。

子宮筋腫の治療にも取り入れられており、女性特有の悩みをカバーする作用が多いといえるでしょう。

一部の婦人科系の病気を予防

ピルを飲むと、一部の婦人科系疾患の予防にも効果的です。日本では出産回数が減少し、排卵数が増えた影響で婦人科系疾患の発症率が増加傾向にあります。

子宮内膜症や子宮筋腫をはじめ、卵巣がんや子宮体がんなどのリスクも、ピルの服用によって予防することが可能です。

ただし、子宮頸がんについては服用によって発症リスクがわずかに高まるといわれているよ

ホルモンバランスを整える

ピルを飲むとホルモンバランスを整えることも可能です。ピルにはPMS症状の緩和や生理痛を抑制する作用がありますが、これは体内のエストロゲン量が内服によって減少したためです。

女性特有の悩みの多くは、生理前後に女性ホルモンが急激に変動することが理由なので、ホルモンバランスを整える作用にも期待できます。

避妊目的

ピルの主な服用目的のひとつとして避妊目的があります。メカニズムとしては、ピルによって脳や体が妊娠したと誤認識するためです。

誤認識した体は妊娠に向けて変化し、黄体ホルモンが分泌されて、体外に卵子を排出するはたらき(排卵)を抑制します。黄体ホルモンの信号によって卵子が卵巣内に留まり、卵管に飛び出ることを防ぐ作用によって避妊効果が得られる仕組みです。

避妊方法としてポピュラーなコンドームは、体の動きによって外れたり破れたりすることがあります。子宮内避妊具であるIUDやパートナーによる不妊手術もありますが、初期費用が高額なため簡単に導入できません。

さまざまな理由によって避妊しなければならない方にとって、ピルの併用は心強い方法と考えられるでしょう。

肌荒れの改善

女性ホルモンを整える作用とあわせて、ニキビを含む肌荒れの改善にも有効です。特に思春期を迎えた方だと、ニキビとあわせて月経過多や生理不順、生理痛などの悩みを抱える方も多いでしょう。

女性の思春期は、黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの血中濃度が上がり、それによって性ホルモンを分泌するメカニズムになっています。性ホルモンの中でもエストロゲンの血中濃度が上昇するので、体が成熟するにつれてさまざまな不調を招いてしまうのです。

各ホルモンの作用によって起きる思春期の悩みも、エストロゲンを含むピルによって緩和・改善に期待できます。近年では親と同伴でクリニックを受診し、ピル処方を受ける学生も増加傾向にあります。

大腸疾患のリスク低減

ピルを飲むと、大腸疾患のリスク軽減にも期待できるといったデータがあります。日本産科婦人科学会編による『低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン（改訂版）』では、以下のように記載されています。

大腸癌について、看護師健康研究（The Nurse Health Study）で、OCの使用によって大腸癌リスクが抑制されることが確認されている。

低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン（改訂版）｜日本産科婦人科学会編

同資料では予防効果について明確になっていないとするものの、大腸がんのリスクが減少するのは、うれしい作用といえるでしょう。

ピルを飲むデメリット3選

避妊効果だけでなく、PMS症状の緩和や肌荒れ予防にも期待できるピルですが、その一方で3つのデメリットもあります。ここでは、以下について解説します。

気軽に飲めるピルも薬のひとつ。だからこそ、副作用やデメリットがあることについてもしっかり押さえておこう！

飲み始めは軽度の副作用が起きやすい

ピルを飲むデメリットとして第一に挙げられるのは副作用です。低用量ピルの副作用においては、眠気や吐き気、乳房の張りなどといった妊娠初期のような症状が見られることがあります。

これは飲み始めの時期に見られやすく、ホルモンバランスが内服によって一時的に乱れたことが理由です。これらの副作用については、車を運転する仕事や機械作業、細かな作業を中心とした方にとっては欠点といえるでしょう。

子宮頸がんのリスクがわずかに高まる

低用量ピルの服用においては子宮頸がん発症のリスクが高まることも確認されています。服用期間が長期化するほどリスクは増加することから、安易にピルを服用することは避けるべきといえるでしょう。

なお、子宮頸がんのリスクは10年の中止期間によって増加傾向が見られなくなるといったデータもあります。子宮頸がんリスクを予防するためにも、服用期間を定めることが大切です。

血栓症のリスク

どのピルにも共通するリスクとして挙げられるのが血栓症です。血栓症とは血管内に血栓(血のかたまり)ができて血管が詰まる病気のことです。

血栓ができると血液循環が妨げられ、正常に機能しない血管は停止(または低下)し、動脈血栓症や静脈血栓症などにつながる恐れがあります。

長時間同じ姿勢で座っているとエコノミークラス症候群を発症するケースがありますが、これは静脈血栓症によるものです。

さらに、血栓症には脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めるといった危険性もあります。特に喫煙者や高血圧症を治療中の方は血栓症や脳卒中のリスクをさらに高めるため、医師に相談した上で検討することが重要です。

ピルにはいい部分も悪い部分もある。服用について検討するときは、自分の体を第一に考えてから決めよう！

名医のチョイス

ピルを飲むとどうなる？副作用や生理へ与える影響について解説

目次ピルを飲むとどうなる？生理に与える3つの影響ピルを飲むとどうなる？副作用や不妊のリスクについてピルを飲んだ後の生理は…

ピルを飲むときの3つの注意点

ピルの利用目的を明確にしたら、次は服用における3つの注意点を押さえましょう。ここでは、下記3つについて解説します。

定期検診を受ける必要がある

ピルを服用する間は必ず定期検診を受けましょう。日本のクリニックでは、ピル服用中の定期検診は以下のスケジュールを推奨しています。

この期間で問診、血圧測定、体重測定の3つを行うのが基本です。また、服用開始から6ヵ月～1年ごとに血液検査、性感染症検査、乳房検査、1年ごとに子宮がん検査の実施が推奨されています。

特に血栓症などの発症や悪化が疑われる方だとその都度検査を行う必要があります。

低用量ピルは、子宮内膜症や子宮筋腫の治療、子宮体がんや子宮内膜症を予防する作用に期待できるといった特徴があります。しかし、さまざまな副作用も考えられるピルだからこそ、定期検診は必ず受けるよう心がけてください。

2回以上飲み忘れると出血が始まる

2回以上飲み忘れると、エストロゲンの低下によって排卵を抑制するはたらきが薄れ、生理(消退出血)がはじまります。

1回の飲み忘れであれば、翌日飲み忘れに気付いた時点で先日分を、一定時刻に当日分を飲むことでエストロゲンの作用は持続します。

2回以上の飲み忘れはピルによる脳への誤認識を解くことにつながるので、避妊目的で服用する方は飲み忘れに注意しましょう。

また、ピルを服用し始めた第一週目や第三週目の後半あたりだと、妊娠する可能性が高まります。いずれかの時期に2回以上飲み忘れてしまい性行為をした場合は、緊急避妊薬(アフターピル)の服用も視野に入れましょう。

正しく服用しなければ妊娠する可能性がある

避妊を目的とする場合は、正しい服用方法が求められます。飲み忘れはもちろん、一定時刻に飲まないだけでも妊娠する可能性は高くなります。飲み忘れが不安な方は、スマートフォンなどでアラーム設定を実施し、一定時刻に服用するよう工夫しましょう。

なお、ピル服用後7日間は避妊効果がありません。第一週目の服用期間はコンドームなどの避妊具を併用することをおすすめします。

ピルの服用にあたっては、守らなければならないことがたくさんあるよ！　安易に服用を決めるのではなく、しっかりとした意識をもつことが大切だよ！

ピルを飲む理由に合わせて正しい方法で服用しよう

それぞれの利用目的にあわせてピルを服用するなら、正しい方法で飲むことが大切です。ここでは、正しい服用方法について下記4つをご紹介します。

生理初日から飲み始める

低用量ピルの場合は、生理初日から飲み始めてください。生理が来た日を一日目と計算して、毎日一定時刻に1錠服用するよう努めましょう。

ただし、体調によっては出血が生理か不正出血か定かではない場合もあるでしょう。そのようなときは、生理5日目まで様子を見てから服用しても問題ありません。

不正出血や生理不順に悩む方は、最初の出血から5日間は様子を見てから判断しましょう。

21錠タイプは7日間休薬し、28錠タイプは7日間偽薬を飲む

ピルには1シート21錠タイプと28錠タイプの2種類あります。21錠タイプの場合は、7日間の休薬期間を設けましょう。8日目を迎えたら、再び21錠タイプのシートを服用してください。

一方、1シート28錠タイプであれば、7日間偽薬(プラセボ)を服用します。シートに含まれる薬なので、別途用意したり処方してもらったりする必要はありません。

飲み忘れたときの対処法は日数によって異なる

万が一ピルを飲み忘れた場合は、飲み忘れた日数によって対処法が異なります。飲み忘れに気づいたときは、以下の方法で服用、または生理を待ちましょう。

ただし、3日以上飲み忘れたのに生理が来ない場合は妊娠の可能性も考えられるため、医師に相談して適切な検査を受けることをおすすめします。

生理周期を変更したい場合

生理周期を変更したいときは、21錠タイプの場合は7日間の休薬期間を設けず、移動させたい日数分だけ次のシートから服用しましょう。

生理の移動が確認できたら休薬期間をつくり、さらに次のシートの1日目から服用を再開してください。

ピルの飲み方によっては生理時期をずらすことも可能なんだね！それなら、海水浴やプールなどのアクティビティもより楽しめそう！

名医のチョイス

ピルの効果はいつから現れる？副作用や飲む際の注意点を徹底解説！

目次ピルってどんな薬？気になる効果は？ピルの効果は種類によって違う！避妊効果だけじゃない！低用量ピルの効果を詳しく解説！…

目的に合ったピルを処方してもらえる！オンラインピル処方サービス5選

ここでは以下5つのオンラインピル処方サービスを紹介します。

名医のチョイス

【2024年版】ピルの定期便購入におすすめなクリニック5選！選び方のポイントも

目次ピルの定期便購入ならオンライン処方がおすすめピルのオンラインクリニックは3つのポイントで選ぼうピルの定期便購入におす…

ピルを飲む理由に関するよくある質問

ここでは、ピルを飲む理由に関するよくある質問を3つご紹介します。

よくある質問はピル服用を検討する人が実際に感じた疑問だよ！しっかり目を通して疑問を解決した上で検討しよう！

ピルを飲む理由は人それぞれ！目的にあわせて適切な方法を検討しよう！

今回は、ピルを飲む上で知っておきたい効果やメリット・デメリットについてご紹介しました。

ピルは女性ホルモンのひとつであるエストロゲンを含んだ薬剤です。女性ホルモンを内服によって補うことで、避妊以外にもさまざまな作用が期待できます。

近年ではPMS症状の緩和目的や子宮体がんや子宮内膜症を予防する目的で服用する方も多く、以前に比べてピルへの認知度が浸透したといえます。

生理痛やニキビ、メンタルバランスの乱れに悩む方は、自分にあうピルを探してみてはいかがでしょうか。

ピルにはさまざまな種類があるよ！このサイトを通してピルの知識を高め、自分にあったピルを探してみてね！