名古屋市営地下鉄名港線「日比野」駅より徒歩15分に位置する、あつた皮ふ科クリニック。院長の佐々木良輔先生は、患者さまの健康・美容を皮膚科の領域で叶える治療を行っています。そんな佐々木良輔先生は、難治性ニキビ治療の名医です。今回は佐々木良輔先生に、医師を目指すきっかけや患者さまとの向き合い方、今後の展望についてお話を伺いました。
自身の悩みから医師を目指し、開業を意識した
____佐々木先生が医師の道を選択された理由についてお聞かせください。
佐々木良輔先生
子供の頃から喘息があったりして、よく救急病院に行ってたんですよ。喘息だけじゃなくてアトピーもあって、よく引っ掻いて血で服が茶色くなっていました。私が子供だった30数年前に受けていた治療では、悩みを解決できないと感じておりました。
こういった悩みを解消できる方法を知りたいと思い、医療に興味を持つようになりました。
また、父が内科医であったため医師という職業が身近であることも大きな理由かなと思います。
____なるほど!自身の悩みに関する知識を得る中で、皮膚科医を目指すことになったのでしょうか。
佐々木良輔先生
私が大学の医学部生であった頃は、喘息やアトピーはアレルギーのイメージが強い時代でした。私も「免疫学」というアレルギーに関連する分野に興味を持ちました。当時、大学の皮膚科教室が免疫系の研究において「皮膚科分野」が盛んだったこともあり、皮膚科医と皮膚疾患の免疫の研究をやりたいと感じるようになりました。
大学生の時、皮膚科に興味があることを当時の浜松医大の准教授に相談したところ、医師として総合診療や救急医療の知識や技術を身に着けてから皮膚科医になるようにアドバイスを受け、その道にまず進みました。その中で、総合診療医として皮膚の症状から病気を予測・発見する経験を積み、やりがいを感じていったのが皮膚科医を目指すきっかけです。
____当時から開業は最初から意識していたのでしょうか。
佐々木良輔先生
総合診療研修後は、免疫学のを勉強したいと思い大学病院に入ったので、全く意識はしていなかったですね。大学病院での勤務をしている間に、患者さんの様々な皮膚の悩みを聞いているうちに皮膚科の診療にやりがいを感じるようになりました。
内科的な治療だけでなく、手術やレーザーの美容分野に携わる中でより開業することへの意識が高くなりましたね。
____開業に至るまでに行ったことなどがあればお聞かせください。
佐々木良輔先生
最初は大学病院・地域の基幹病院に勤務し、通常の皮膚科の治療ができるようになっていくところからスタートしました。大学病院で日本のレーザー治療で第1任者であった秋田浩孝先生にご指導いただき、また、東京女子医大の「青山女性医療研究所」という美容専門の施設でIPL治療の第1任者であった根岸圭先生からもご指導を頂きましたね。
大学病院では新しいレーザー治療の機器に触れる機会をたくさんもらえたため大変勉強になりました。ただ当時の大学病院は新しい研究が主な目的であったため、皮膚の症状などから適切な治療を考案できても、それを実践することができないこともありました。そういったジレンマから、自ら開業してより患者さまにとって良い治療の提案をしていきたいと考えるようになり、今に至ります。
ニキビの悩みに寄り添った治療を提案
____佐々木先生がお得意とされている治療について教えてください。
佐々木良輔先生
「難治性ニキビ」と「ニキビ跡」治療には特に自信があり、多くの患者さまの治療も担当しています。ほかにも、しみやイボ・ホクロのレーザー治療やアトピー性皮膚炎、円形脱毛症、AGA分野の治療など、幅広く行っています。
____なるほど!佐々木先生が行う「難治性ニキビ」の治療を詳しくお聞かせください。
佐々木良輔先生
まずは過去どれくらいの期間ニキビに悩んでいたかをヒアリングし、重症度を分析します。症状が軽ければ、悪化しないように保険診療の薬を出したり、洗顔の仕方を提案したり。
また、保険の治療で効果が出なかった患者さまに対しては、欧米では中等症以上のニキビ治療に使われているイソトレチノイン*1のような保険外の飲み薬を提案することもあります。また保険の外用薬が副作用で使用できない場合は、ケミカルピーリングやイオン導入または敏感肌の方用のニキビ用洗顔フォームの紹介なども行っております。
____ありがとうございます。「ニキビ跡」の治療についてもお聞かせください。
佐々木良輔先生
ニキビ跡の治療に関しては、患者さまごとの悩みをまず聞き出します。赤みや傷跡が気になる方もいれば凹凸が気になる方など、患者さまの悩みはさまざまなので、まずはどんなお悩みを抱えているか聞き出して最適な治療法を判断します。
Vbeam*2というレーザーで赤みを消す治療やエルビウムフラクショナルレーザーで凹みを修復する治療、膨らんでいる患部に注射を打つ治療など、症状に応じた治療法を提案しています。
若年層を中心にニキビの悩みを解決
____貴院に相談に来る患者さまの年齢層・性別の特徴をお聞かせください。
佐々木良輔先生
ニキビに関しては10代の方が多いですね。10代はニキビができ始める方もいれば、すでに跡になってしまう方もいるので、もっとも多いと感じます。
また、基本的に10代~20代の若い方が多いですが、40代になってニキビの凹凸を治したいという来院される方ももちろんいますので、年齢や性別を問わず幅広い方にお越しいただいております。
____年齢によってできない治療などはあるのでしょうか。
佐々木良輔先生
レーザー治療には基本的に年齢制限はありません。ただ投薬治療に関していうと、重症の方が飲む薬(イソトレチノイン)には身長の伸びが抑制されるリスクがあるので、15歳未満の方には使用しないようにしています。
あとは、奇形児が生まれるリスクがあるため、妊娠する可能性のある女性には勧めない場合もあります。
____ニキビに悩んでる患者さまが、日頃から気をつけるべきことは何があるのでしょうか。
佐々木良輔先生
ニキビの炎症が起こる前からニキビができないようにケアすることが一番大事です。ニキビの跡も、ニキビがなければそもそもできないんですよ。
ニキビが目立つときだけ薬を使うのではなく、普段から予防でニキビに効果のあるピーリング剤が入った石鹸で顔を洗うとか、保健適用の塗り薬を普段から使うとか、日頃から気をつけてみると予防につながりますよ。
____薬が苦手な方にはどういった方法を提案していますか。
佐々木良輔先生化粧品や洗顔料を紹介することもます。ニキビには市販でも購入できるレ
チノールという成分が効果的とされていて、おすすめする場合が多いです。しかし、これは患者さまの症状や体質によって合う合わないが異なりますので、きちんとヒアリングした上で別の成分が含まれた化粧品を紹介することもあります。
薬の治療と化粧品での予防も、どちらも継続していかないと効果が得られないため注意してください。
患者さまの目線に立って治療を提案
____佐々木先生が患者さまと向き合う上で大切にしていることや、こだわりはありますか。
佐々木良輔先生
患者さまの目線に立つようにしています。例えばニキビが気になる患者さまも、新しいものを抑えたいという方もいれば、ニキビ跡の赤みが気になっている方、凹凸を改善したいと思っている方もいます。
症状を見て「この症状はこの治療よいですよ」と医学的な提案はするようにしますが、ご本人の悩みをできるだけお聞きするようにしています。
____佐々木先生の知識や経験を、次世代に託すことも考えていますでしょうか。
佐々木良輔先生
そうですね。大学病院で学んだ保険の診療はできても、そこから先を勉強する環境にない医師も意外に多いと感じています。患者さまの悩みに対して「自分が触れてこなかった領域だから」と悩みに寄り添えないのは残念です。
ですので、次世代の医師に対してこれまで触れてこなかった領域に触れる機会や、自身の強みをさらに拡大する知識を与え、育成することが大切だと考えています。そうすることで、皮膚のお悩みを持った方が、身近にある皮膚科のクリニックで保険診療と美容皮膚科診療を安心して受けることができるようになると思います。
____今後の展望と、患者さまへのメッセージをお願いします。
佐々木良輔先生
新しい医療技術をもっと取り入れて、勉強し続けたいと考えています。現状、保険診療と自費診療の壁を越えられず、思うような満足を患者さまに与えられないことが多くあります。
当院では、保険と自費の壁によりカバーできない領域があるなら、何か手段を見つけ、それを実践していきたいと考えています。常に患者さまの目線に立つことを大切にしているので、お肌の悩みに関する相談だけでもぜひご来院ください!