吉祥寺 まなみ皮フ科の葉山愛弥先生は、膠原病を専門とし、大学病院で助教、副病棟長、皮膚病理組織チーフなどを務められるなど、数多くの臨床経験を積まれたお肌のプロ。地元の吉祥寺でクリニックを開院されてからは、地域の人が先生を頼って通われています。葉山先生に、皮膚科・美容皮膚科にかける想いについてお話を伺いました。
高校一年生のときから皮膚科になることを決めていた
____先生のご経歴を教えてください。
葉山愛弥先生皮膚科医を目指そうと思ったのは、高校一年生のときです。
内科的疾患が皮膚の発疹などとして現れる「膠原病(こうげんびょう)」の診断をされている先生と出会い、「皮膚をみて身体の中の病気がわかる皮膚科医ってすごい!」と思ったのがきっかけでした。
皮膚科医になってからは膠原病を専門として、大学病院では膠原病の専門外来を持っていましたし、今でも大学病院の嘱託医として、お手伝いをさせていただくとともに最先端の医療を勉強させていただいております。
____高校生のときの夢を叶えられたんですね!そこから今のクリニックはどういう経緯で開院されたのでしょうか。
葉山愛弥先生自分のクリニックを開院するということは、実は全く考えていなかったんです。
長男を産んだ時から、子供が小学校に上がるタイミングで大学病院の方は一旦退こうと決めていました。
大学病院を退いたあとは、地元にある保険も自費もやっている美容クリニックで非常勤として働いたのですが、子供が大きくなってゆとりが出てきたタイミングで、先輩方からクリニックを開院したらどうかとお声掛け頂いたことをきっかけに開院しました。
子供の成長やライフステージに合わせて環境を変えていったという感じですね。
保険治療でニキビができにくい肌に近づける
____クリニックに来院される患者さまのお悩みで多いものはなんですか?
葉山愛弥先生ダントツで多いのはニキビのお悩みですね。後はアトピー性皮膚炎であったりウイルス性のイボであったり、一般的な皮膚疾患での受診が多いと思います。 美容医療で一番多いのはしみ取りですね。お子さんのイボで通っていたお母さまが、しみが気になるといってしみ取りをされるということもよくあります。
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____ニキビやアトピー性皮膚炎など皮膚疾患を改善していくのに、大切なことは何でしょうか。
葉山愛弥先生クリニックで一番重要視しているのが外用指導です。処方している薬を一年塗り続けているのに治らないという患者さまに「これだけの量を、こんなふうに塗るんだよ」と伝えて実践してもらうと、1週間で治ったりすることがあります。 患者さまとお話しすると「薬の量をケチケチ使っていました」とか「塗り方が違っていました」という方も多くいらっしゃるので、外用指導はとても大切にしています。
____薬をただ塗るのではなく、正しく塗ることで効果が違ってくるということですね。
葉山愛弥先生はい。その一つの例として、ニキビがあります。ニキビは昔あまり治療法がなく、ニキビ跡が残らないようにするのが難しかったのですが、いまは保険治療で過酸化ベンゾイルやアダパレンゲルといったピーリングがあるので、保険治療でもニキビができにくい肌に近づけていくことができます。 ただ刺激のある薬ですし、すぐ塗ってすぐ治るわけではないので、やめてしまう方も多いんです。だから診察の時に、こういう理由でこれだけ塗ってくださいと力を入れて話すことが大事になります。 そうして塗り方や効果についてきちんと理解をし、実践してくれたことでニキビをはじめ、皮膚疾患がよくなった方が、ご家族やお友達にこのクリニックをご紹介してくださり、みなさんに通って頂いています。
____美容医療ではしみ取りが一番人気とのことですが、しみ取りにおすすめの施術を教えてください。
葉山愛弥先生スポット的にしみがある場合は、生まれつきのアザも保険で取れるルビーレーザー *1がおすすめですし、しみやくすみ、赤ら顔などの色むらはIPL(BBL)光治療 *2もおすすめです。 BBL光治療は照射フィルターを変えることで、皮膚に深達するレーザーの深さを調節できるので、しみのあるところは浅めに当ててしみに効くようにし、小鼻の周りなど血管が開いて赤っぽくなっているとことは深めに変えて当てるなど、その方のお肌の状態に合わせてオーダーメイドのような感じ当てています。 スキンケアでいうと肝斑はゼオスキンでも結構きれいに消えて、しみでも体感としてはBBLに匹敵するくらいの効果が出たりするので、レーザーだけでケアをする時代から少し変わってきたような気もします。
ハイフの間に高周波を入れて効果を高止まりさせる
____先生ご自身がエイジングケアのためにチョイスしたい、おすすめの施術を教えてください。
葉山愛弥先生小じわやたるみのケアには、高周波 *3がおすすめです。すごく即効性があるわけではないのですが、たるみやしわの予防効果と改善が期待できます。 ハイフとハイフの間に入れてあげると、効果を高止まりさせてくれるというか、良い状態を保ちやすくなりますよ!高周波だけはわたし自身も、なんとか続けようと思って頑張っています(笑) あとはボトックス *4ですね。しわは一度刻まれてしまうと取るのが大変なので、ボトックスと高周波でしわやたるみの予防をして、垂れてきたらハイフや糸リフトなどを取り入れるのがよいと思います。
____アラフォー以上の女性が取り入れた方がいい成分などはありますか?
葉山愛弥先生スキンケアでいうと、ビタミンCとビタミンAは入れたほうがいいと思います。これは通年で取り入れるのがおすすめです。 ビタミンA配合の商品やペプチドの多い商品は少し高いのでアラサーくらいからでよいと思いますが、ビタミンCは20代から取り入れてもらったほうがいいと思います。 あと、日焼け止めは一年中使っていただくのと、肝斑の予防としてトラネキサム酸とビタミンCの内服もおすすめです。わたし自身も、この2つは10年くらい飲んでいます。ただし適応と、薬剤に伴う副作用もゼロではありませんので、年に一度くらいは血液検査を主とした健康診断を受けていただきたいです。
膨大な知識から、確かなケア方法を提案
_____先生がご自身を◯◯の名医というとしたら、何の名医だと思いますか?
葉山愛弥先生私は皮膚科専門医で大学勤務期間もわりと長いので、肌のことは散々勉強してきたから知識も多いと思います。だから今の症状に対してこれが合うこれが合わない、これをやったほうがいいと提案をするのが一番得意なのかなと思います。だから「肌診断の名医」でしょうか。
____最後に、患者さまとどう向き合われているか、その想いを教えてください。
葉山愛弥先生アトピー性皮膚炎やニキビなどでこられる患者さまの中には、症状がでていることに慣れている方もいらっしゃいます。でも、肌はもっと良くなるよということを伝えて、さらに上を目指してもらえるように、余計なことまで色々お話しして(笑)コミュニケーションを大切にお声がけしています。 働いているのが地元なので、地域密着型で気軽に頼ってもらえるといいなぁと思っています。