東京都中央区の臨海地区に位置する、都営王江戸線、勝どき駅から徒歩1分の場所にある勝どきウィメンズクリニック。院長の松葉先生は、周産期センターでの勤務を中心に産婦人科診療に従事されてきました。そんな松葉先生に、婦人科治療への想いについて伺いました。

＿＿＿先生のご経歴について教えてください。

松葉悠子先生私は元々外科の道を志しており、大学卒業後は東大病院で研修を行いました。心臓血管外科に配属され研修をしたこともありました。ただ、やってみると外科よりも産婦人科の方が自分に合っているのではないかと思うようになったんです。ちょうどこの時期、産婦人科医が少なかったこともあり、産婦人科に進むことを決意。実際に働いてみると、患者さまに喜ばれる仕事であると実感し、日々やりがいを感じていました。

産科も婦人科もすべて研修しましたが、私自身の妊娠や出産などライフスタイルの変化もありながら柔軟に働けるのは産科だったため、産科中心の専門性を身につけようと決めました。

＿＿＿周産期センターで勤務をされていたとのことですが、どういった経緯で開業を決意されたのですか？

松葉悠子先生周産期センターには、毎日たくさんの妊婦さんが診療に来られます。ただ、外来からお産までさまざまな状況の方が一つの窓口にお越しになるので、うまく機能しきれていない場合も少なくないのです。周産期センターのような大きな施設では、より緊急度の高い妊婦さんの診療や治療を行える状態が理想と考えていますが、それを実現するためには、外来と、お産・手術は分散した方が良いんですよね。

そこで、これまでの経験を活かし、外来をメインとした窓口を作ろうと思ったのが開業のきっかけでした。病院と連携しながら、その受け皿となるような存在になりたいという思いがあったんです。そのため当院では現在、出産や手術、高度生殖補助医療などは行っておらず、妊婦健診*1や子宮がん*2検診など、婦人科のプライマリーケアをメインにしています。

＿＿＿クリニックの特徴や強みを教えてください。

松葉悠子先生地域の方が気軽に通えるクリニックであるため、どんなことにも満遍なく対応することを強みとしています。また、周産期センター時代の繋がりから病院との連携が強固であることは特徴の一つですね。病院から、合併症のない妊婦さんや手術を必要としない患者さまを紹介をいただくケースも増えてきています。

クリニックとして特に意識しているのは通いやすさや相談のしやすさ。日々忙しい生活を送られる方でも利用しやすいよう、HPからウェブ予約ができるようにしています。予約管理も徹底しており、待ち時間も少なく診療を受けていただけます。

＿＿＿クリニックにはどんな悩みを持った患者さまがお越しになりますか？

松葉悠子先生一番多いのは生理痛に関するお悩みです。生理不順やPMS、月経過多などが挙げられますね。多くの場合はピルや黄体ホルモンの服用などで様子を見ていきます。また、最近では不妊の相談も増えてきました。初回から高度な治療が必要な際には病院を紹介しますが、まずは検査を行い、排卵が起こりやすい環境を作ることから始めるケースが多いですね。不妊検査については東京都の助成金などもあり、カップルでお越しになられる方も増えています。

患者さまに特にお伝えしていることは、生理痛を放置しないでほしいということです。生理痛は「よくあること」と思われがちですが、放置していると不妊症に繋がったり、子宮内膜症を発症したりする可能性があります。そのため、少しでも辛い、しんどい場合には我慢せずすぐに相談にお越しください。

＿＿＿現在、先生が特に注力して取り組まれていることがあれば教えてください。

松葉悠子先生生理や更年期などの情報発信を行うことです。これまで生理痛や更年期は「我慢して当たり前の症状」という認識が当たり前に広がっていました。しかし、これらは女性のパフォーマンス低下の大きな要因であり、しっかりと対処しなければいけません。

私は1年前から学校医をしており、養護の先生や高校生に相談を行うようになりました。病院の外に出てみると、医療従事者とそうではない方では認識が大きく異なると痛感したんです。そのため、今後は普段病院に来ない方に向けたアプローチにも力を入れていきたいと考えています。

＿＿＿最後に、患者さまへのメッセージをお願いします。

松葉悠子先生今後、勝どきエリアは子育て世代がさらに増え、住民も増加していくと考えられています。地域にお住まいの方々が気軽に利用できるクリニックを目指していきたいと思います。
また、2024年4月からは新しく晴海ウィメンズクリニックというクリニックを開院し、より多くの方をお迎えできるようになりました。私自身も新しく院長やスタッフを増やしたことで、さらなる責任を感じています。どんな些細なことでも結構ですので、ぜひお気軽にお越しいただけますと幸いです。