群馬県高崎市、関越自動車道のインターチェンジからほど近い、利便性の高い立地に「高崎佐藤眼科」はあります。院長を務める佐藤拓先生は、群馬大学附属病院眼科に20年間にわたり在籍。加齢黄斑変性の診断と治療を専門に、数多くの難症例の手術を手がけ、網膜硝子体領域に携わってきました。そんな佐藤先生が、近年とくに力を注いでいるのが、ICL(眼内コンタクトレンズ)視力矯正治療です。今回は佐藤先生に、医師を志したきっかけや、ICL治療へのこだわりについて、詳しくお話を伺いました。
「困っている人に寄り添いたい」。24時間テレビが導いた、医師への道

____先生が医師を目指されたきっかけについて教えていただけますか?
佐藤拓先生進路に悩んでいた高校2年生の頃、何気なく「24時間テレビ」を観ていたのです。番組を通じて、病気をはじめ、さんざまな困難を抱えている方がたくさんいらっしゃるということをそのとき深く感じました。同時に、サポートする多くの方の存在も知り、自分も人々の暮らしに貢献できる職業に就きたいと思いました。これが、医師という職業に興味を持ったきっかけです。
____その中でも、眼科の道に進まれたきっかけはあったのでしょうか?
佐藤拓先生医学を学ぶなかで、「手術」というものに惹かれていました。手術をすることで、短期間で劇的に、患者さんの状況を変えることができます。とりわけ眼科の手術には、失明を食い止めるという重大な意味合いのものもあれば、見え方を改善することで、日常生活の質そのものを大きく向上させるものもあります。眼科の場合、一つひとつの手術時間が比較的短いため、1日でより多くの方にお力添えできる。そこに大きな魅力を感じて、眼科を選びました。眼科医になって、今年でおよそ30年になります。
____ご自身のクリニックを開業されるに至った経緯を教えてください。
佐藤拓先生実は、もともと大学教授になるような道を歩んでいたんです。研究や講演、論文の作成などにも注力していました。ところが、そんな折、父が脳腫瘍を患いました。それまで医師として診る側にいた自分が、初めて患者の家族の立場に立ったのです。その時に、「臨床に振り切った医療を、一人ひとりの患者さんに全力で提供したい」という思いが湧き上がりました。
大学病院では、臨床だけでなく、教育と研究にも多くの時間を割く必要があります。ですが、私は、患者さんとそのご家族の目線に立って、できる限りの臨床を提供できる場所を作りたかったのです。大学病院で20年間かけて培ってきた知識と経験と技術を、すべてこの地域に届けられるクリニックを作ろうと決意し、高崎の地に開業いたしました。
目の病気をしっかり見極めてからの「ICL」。安心と納得の視力矯正

____先生が特に力を入れている「ICL」について詳しく教えていただけますか?
佐藤拓先生元々は、ICL*1の専門ではなかったのですが、学会で技術の進化を学ぶにつれて、「なんと素晴らしい治療なのだろう」と感銘を受けました。日本では、過去にさんざまなトラブルが報じられた影響もあり、屈折矯正手術そのものに対して慎重な見方をされる方も少なくありません。しかし、近視が強くてお困りの方、ドライアイやアレルギーの症状が重く、コンタクトレンズを長時間装用できない方は、一定数いらっしゃいます。メガネは度が強くてレンズが分厚くなってしまう、かといってコンタクトも長時間は装用できない。そう悩んでおられる方にとってICLは非常に有益な選択肢になり得ると確信し、正しい形でこの治療を届けたいと考え、当院でも取り組むようになりました。
____ICLの特徴として、どのような点がございますか?
佐藤拓先生ICLは、角膜を削ることなく、目の中に小さなレンズを挿入して近視や乱視を矯正する治療です。角膜の形状を変えないため、術後のドライアイのリスクが抑えられ、コントラスト感度も良好な、質の高い見え方が期待できます。また、万が一、見え方に違和感があった場合には、レンズを取り出すことができるという点も、大きな安心材料です。将来、白内障になった際にも、ICLのレンズを抜いてから白内障手術を受けることが可能です。こうした「元に戻せる」という特性は、特に長い将来がある若い世代の方にとって、大きなメリットではないでしょうか。たとえば、20代半ばから30代半ばの方がICLを受ければ、コンタクトレンズなしで20年、30年と過ごすことが期待でき、日々のケアの負担から解放される。その意味は、非常に大きいと感じています。
____実際にICLの手術を受ける場合、どのような流れになりますか?
佐藤拓先生当院がとくにこだわっているのは、「ICL治療に進む前に、目の病気がないかを、徹底的に確認する」という点です。特に、屈折度数マイナス6.0D以上の「強度近視」の方は、網膜剥離や緑内障、近視性黄斑変性といった疾患のリスクが高くなります。当院は長年にわたり、加齢黄斑変性をはじめとする網膜硝子体疾患を診てきた実績がございますので、そうした疾患の有無を精密に検査する体制が整っています。まず、目の病気がないことをしっかりと確認し、その上でICLを勧めてよい目かどうかを見極め、安心して治療に進んでいただく。その丁寧なプロセスを、何よりも大切にしています。
適応が確認された後は、コンタクトレンズの装用を一定期間中止していただいた上で、日を改めて2回の術前検査を行います。ICLの度数は、一度入れたらコンタクトレンズのように気軽に交換できるわけではありません。ですから、どの度数がその方の目に長く合うかを、時間をかけて慎重に見定めるのです。乱視を矯正した方がよいのか、度数が強すぎないか。そうした細かい判断を、異なる日に2回行うことで、精度を高めています。レンズの度数とサイズが確定したら、レンズをオーダーメイドで発注します。メーカーに在庫があれば2〜4週間ほど、在庫がない場合は数ヶ月かかることもございますが、届き次第、手術日を設定いたします。
____手術、そして術後の流れについても教えてください。
佐藤拓先生手術自体は、片眼5分程度で終了します。当院では、通常の点眼麻酔に加え笑気ガスによる吸入麻酔も併用しております。これにより、緊張感や不安感が少ない、リラックスした状態で手術を受けていただくことが可能です。術後は、翌日、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後と定期検査を行い、度数のずれがないか、ICLのサイズが適正か、レンズが目に悪影響を及ぼしていないかを、丁寧にチェックしてまいります。
強制ではございませんが、定期検査は年に1度は実施することがお勧めです。長期にわたって安心していただけるよう、アフターフォローにも力を入れています。ICLは入れて終わり、ではなく、その後の目の状態を見守り続けることが、とても大切だと考えています。
目の健康を、長く守るために。若い世代へ伝えたい大切なこと

___普段、診察を行う上で、先生が大切にされていることは何でしょうか?
佐藤拓先生定期的な検診を受けていただけるよう、患者さんに毎回、丁寧にお伝えすることです。私は、「加齢黄斑変性」という、失明にもつながる重い病気を長年専門にしてきました。その経験からお伝えしたいのは、多くの方が、目の「病気」という可能性を、あまり意識されていない、ということです。見えにくい、疲れる、乾く。そうした症状を、「年齢のせいかな」「まあ仕方がない」と受け流してしまいがちですが、目の病気で本当に怖いのは、痛みや痒みではなく、じわじわと、見えなくなっていくことです。早期に発見できれば救える目が、気づくのが遅れたために救えなくなるケースがある。この事実を、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思っています。
____最後に、この記事をお読みの患者さんへメッセージをお願いします。
佐藤拓先生特に若い方にこそ、ご自身の目を大切にしていただきたいと思っています。若ければ若いほど、これから長く使う目ですから。時々でいいので、片目ずつ見え方をチェックしてみてください。メガネやコンタクトをしていても見づらい、片目だけ急に見え方が変わった、真ん中あたりが見づらい、物が歪んで見える。そうした変化を感じたら、迷わず眼科を受診していただきたいのです。とくに片目だけ急に見え方が変わるという症状は、何か病気が隠れているサインかもしれません。
早ければ早いほど、救える可能性は広がります。また、近視が強くて、コンタクトの長時間装用にお悩みの方には、ICLという選択肢があることも、ぜひ知っていただきたい。1日でも早くコンタクトレンズの装用時間を減らせれば、それだけ目への負担も軽くなります。朝起きた瞬間から裸眼で過ごせる快適さは、想像以上に日々の暮らしを豊かにしてくれるはずです。患者さんの目が、これからもずっと健やかであるために。少しでも気になることがあれば、どうぞ気軽に、お近くの眼科に足を運んでみてください。その一歩が、患者さんの大切な目を、守ることにつながるはずです。

