梅田駅から徒歩3分、大阪駅より徒歩5分という大阪の中心地に位置する"菜のはなインナーケアクリニック"。院長の小村先生は"真の美と健康は内側から作る"をコンセプトに、内側からのケアを治療計画に取り入れ、患者さんの体質や生活習慣から個々に適した治療や指導をされています。小村先生のインナーケア治療へのこだわりや再生医療の分野など、"患者さんの美肌を叶える"上で力を入れている点について伺いました。
病気になってからではなく、「なる前に予防できる」クリニックを目指して
____小村先生が医師を目指されたきっかけを教えてください。
小村菜緒先生トキコクリニックは開業して26年になります。もともと母が始めたクリニックで、幼い頃から美容医療というものが私にとってはごく身近な存在でした。治療を受けて喜ばれる患者さんの姿を昔から何度も見ているので、「私もこんな仕事がしたい」といつからか思うようになったのも自然な流れかもしれません。
____「インナーケア」とクリニック名に名付けるのは珍しいと思いましたが、こちらも何かきっかけがあったのでしょうか。
小村菜緒先生美容医療に携わる前は、急性期の病院に勤務をしていました。そこへ運ばれてくる患者さんは、病気が重篤になってから来院される方も多く、治療にあたりながら、こんなに重い症状になってしまう前に病気の予防や、もっと早く手をうつことができないかと考えるようになりましたね。
学生時代に海外留学もしていたのですが、アメリカへ行くと予防医療のクリニックが普通に存在するんです。日本では病院は「病気になってから行くところ」でしたので、「病気になるよりも前に、体が不調になったら行く」病院が普通にあることに驚きました。
病気という診断がつく前に相談先があることは大事なことですし、いつか日本でもそんな施設の存在が当たり前になったらいいなと思って、「インナーケアクリニック」と名前を付けました。
____アメリカでは予防医療の病院が普通にあるんですね!他の美容皮膚科さんと違う点や特徴などがあれば伺えますでしょうか?
小村菜緒先生トキコクリニックは美容皮膚科として知られてはいるのですが、美容内科も昔から行っています。
例えばニキビに悩んで来院された方に対しては、お肌のピーリングをしたり、適切な外用薬を処方するといった外側からのケアは基本的に行っているのに加えて、普段の栄養状態や生活について詳しく話を伺い、様々な検査で現状を確認した上で患者さんの生活習慣に対して指導していくような、内側からのケアも積極的に行っています。
ただ、日頃からトキコクリニックへ通われている患者さんはそのことをご存じなんですけど、初めて来院された方や検索で来られる方には、あまり知られてないことを感じていたので、もっと知っていただきたい!という思いもあり、クリニック名からインナーケアを意識して入れましたね。
栄養面でのアプローチは時間はかかるけど、結果的に効果が長持ちします。
____クリニックには、どのような悩みで来られる患者さんが多いのでしょうか?
小村菜緒先生年齢層は幅広くて10代から80代の方まで来られます。10~20代の方はニキビの相談がメインで、年齢が上がるにつれたるみの相談が増えてきます。4,50代以上の方になると、更年期や全身のアンチエイジングの相談が増えてくる印象です。
ニキビの治療では、「外側からのケア」と「内側からのケア」、双方のアプローチを行うことを特にこだわっています。ニキビを繰り返しやすい方はホルモンのバランスが乱れていたり、不足している栄養があることが多いです。その患者さんに何が足りていないのか、逆に摂りすぎている栄養素はないかを確認した上で、本当に摂らないといけないものを決めていく必要があります。
____「インナーケア」専門とのことですが、具体的に栄養面でのアプローチはどのような進め方で治療されるのでしょうか?
小村菜緒先生生活習慣、普段の食生活などのヒアリングをした上で、患者さんの血液を採取して栄養の解析をかけます。栄養素と一言で言っても種類がたくさんありますので、その中でも患者さんにとっては、どの栄養素がどの程度不足しているのか、と言った栄養素のバランスが分かります。解析結果や普段の生活習慣等を元に患者さん毎にオーダーメイドでお薬やサプリの処方を決めています。
例えばニキビの場合は先ほどお伝えした通り、ビタミンやミネラル、タンパク質が不足している方が多く見受けられます。逆に摂りすぎている栄養素として、炎症の原因になるような脂質の摂りすぎが検出されることもあります。揚げ物やお菓子が好きでよく食べる方はこの成分が上がりやすくなりますので、量を控えていくと良いですね。
また逆に健康に気を遣っている方で自己流でサプリを飲まれている方だと、飲みすぎて過剰症になっているケースもあります。
____内側からのケアをプラスすることで、どのような変化が考えられるのでしょう?
小村菜緒先生普段から摂取する栄養素を変えたり、生活習慣を見直すことで、数日ですぐに変化が起こるわけではありませんが、コツコツ続けていくことで揺らぎにくい強い肌に生まれ変わっていく印象です。特に、ニキビは一度できるとぶり返すことがありますが、お肌自体がニキビが出来づらいお肌へだんだんと変わっていきますので、数日で辞めるのではなく、長期的に続けていただきたいですね。
既にへこみや赤みなどニキビ跡になってしまっている場合はPOTENZAなどの外側からの治療と内側の治療の二本立てで考えることで、ニキビの改善に相乗効果をもたらします。お肌を治すために必要な栄養素をきちんと摂ることで自分の再生能力を高めるのと、外からの治療と併用していただけると良いです。トキコクリニックでも毛穴やニキビ跡をしっかり治してくれるPOTENZAを入れておりますので、もし何かあればご相談ください。
アンチエイジングの今のトレンドは点滴や再生医療です。
____先ほどアンチエイジングでお悩みの方もいらっしゃると伺いました。アンチエイジング治療として、今力を入れて取り組んでいるものはありますか?
小村菜緒先生インナーケアとして栄養指導やナチュラルホルモン補充療法を行ったり、またお悩み毎に点滴の相談にのる事も多いです。当院は様々な種類の点滴があって、比較的新しい点滴で言うと*1NMN点滴というものがあります。NMNは「ニコチンアミドモノヌクレオチド」と言って体の中で作られるビタミンに似た物質です。糖質などの代謝に関わっていますが、加齢によって生産量が減少してしまいます。
また、NMNは老化に関わると言われているサーチュイン遺伝子を活性化することで、老化に関わる反応をストップさせ、肌細胞や体力などの身体機能を改善し、生活習慣病の予防や全身のアンチエイジングに効果的であると言われています。こちらは40代以上の方を中心に人気があります。
____*1NMN点滴は今話題になっている点滴ですよね。他にも力を入れている分野があれば教えてください。
小村菜緒先生最新の分野で言いますと、再生医療の分野で3種類の治療を行っています。まず*2幹細胞と言ってさまざまな細胞になることができる能力がある細胞を元に、取り出した活性化因子をお肌へ注入する方法があります。弱っている細胞を修復してくれたり、自らの幹細胞の働きを活発にしてくれるので、新陳代謝や血行促進、保湿力向上などのさまざまな効果が期待できます。
他に*3ACRSや*4PRP療法という治療法があります。こちらは患者さんの血液を採取して、血液内にある抗炎症成分や成長因子と言った肌質改善に必要な成分を取り出し、お肌に注入する方法です。小じわだったり、肌全体のツヤがなくなってきた方など、年齢に伴う肌質が気になってきた方や慢性的な肌の炎症が続いている方にはオススメの治療法です。
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____最後に、今ニキビやアンチエイジングなど、さまざまな肌悩みのある方へ、先生からメッセージをお願いいたします。
小村菜緒先生患者さんは色んなお悩みを持って来られますが、一時的に症状を抑えるだけでなく、根本的に”治す”ことをゴールにできるクリニックを求めて来られる方も多いです。例えばニキビが気になって薬を塗って一旦は治ったけど結局ぶり返す…というのを繰り返すうちに、「ニキビを治すって難しいんですかね。薬に依存せずにニキビができないようにしたいんですけど」とおっしゃる方がいたり。
慢性的な肌トラブルや体調不良でお悩みの方は、一時的に症状を抑えるだけではなくて根本的に治すことをぜひ考えてみてください。症状を抑え込むことだけでなく、「なりづらい体を作る」ことも大事だと私は考えています。
ただ根本的に治すためには時間も手間もかかりますし、良くなったり悪くなったりを繰り返すこともあります。長期スパンで患者さんに寄り添い、目指したいゴールを確認しながら、そこへ向かうためにサポートしていくことの大切さを日々感じています。あくまで治すのは患者さん自身のチカラです。根本から治すために最大限にサポートしますので、一度ダメになっても諦めず、ぜひ悩んでいることは相談に来てほしいですね。