大阪府・西梅田駅を出てすぐのところにある表参道スキンクリニック 大阪院。医師を務める田中美紀先生にインタビューを行いました。患者さまのことをよく観察し、本当の美しさを引き出してくれる田中先生。患者さまとの信頼関係の築き方や、美容医療への想いを伺いました。
美容の奥深さにハマり、美容医療を極める
____美容皮膚科医になられた経緯を教えてください。
田中美紀先生初めは保険診療を行う皮膚科で勤務していました。赤ちゃんからご年配の方までいろんな方の皮膚を見てきたのですが、保険診療には限界があることに気づいたんです。 例えばニキビで診療に来られた方だと、ニキビが治って落ち着いた後の赤いニキビ跡、クレーター、毛穴の開きなど、保険診療だけでは答えられないニーズにぶつかります。そうしたことにもどかしさを覚えて、美容皮膚科の勉強を始めました。 そうしたら美容の奥深さにハマってしまって。もちろん保険診療も必要だけれど、自費診療も必要な医療だと感じています。
____クリニックに来院される患者さまには、どのようなお悩みが多いですか?
田中美紀先生しみ、毛穴、ニキビ・ニキビ跡、しわ・たるみなどが多いですね。 しみに悩んで来られた患者さんに対しては、まずはどういったしみかなのかを診断します。しみの種類によって、レーザーで治療していいものなのか、トーニングなどのゆるやかな治療をしていくべきものかが違うので、見極めが大切です。 治療法を決めても、途中で効果が乏しかったり、悪化したりする傾向があれば都度治療法を変えながら肌状態をよくしていきます。 毛穴の悩みについても原因が複数あるので、よく見させていただくことから始まります。詰まっていれば汚れがとれるようなピーリングをした後、毛穴を引き締めるような治療を進めるなど、その患者さんに合った治療法をしっかりとご提案させていただきます。

____なるほど。では、ニキビ・ニキビ跡やしわ・たるみについてはどのようにアプローチされているのでしょうか。
田中美紀先生ニキビがある方は、塗り薬や飲み薬といった保険診療がベースにあっての美容医療だと思っているので、必ず保険治療をベースとしてご提案します。ニキビ跡には状態によってCo2フラクショナルレーザー*1やダーマペン*2などをおすすめしていますね。 しわ・たるみについては、患者さんはよく引き上げ=ハイフ*3という固定観念から、ハイフを希望される方が多いんです。でも、実際お会いすると頬がこけているなどで適応していない場合もあります。じっくり診断して、結果ヒアルロン酸注射*4での施術に変えるような方も多いですね。
____悩みはひとつでも、施術内容がたくさんあって選ぶのは難しいですよね。
田中美紀先生患者さんの状態を見て、ご提案できるものはすべてご提案します。最終的に選ぶのは患者さんなのですが、どれにしていいか悩まれる方も多いんですよね。そうした場合は、いくつかの施術を1回ずつ受けてもらって、その結果を見て続けていく施術を決めていただく場合もあります。 いろんな施術方法がありますが、どれもアプローチの方法が違うんです。それぞれにいいところがあるので、患者さんの価値観でいいなと思うものを続けていただきたいと思っています。
美しくなるには内側からのケアも大切

____患者さんを第一に考えられているのですね。田中先生自身は美容に対してどのようなケアを行っていますか?
田中美紀先生私自身もいろいろと施術を受けていますが、欠かしていないのはボトックス注射*5ですね。 また、スキンケアはドクターズコスメしか使ってないのですが、そのおかげで肌のトラブルはほとんどなくなりました。 食生活もかなり気にしています。腸が整っていないとどれだけいいものを摂取しても吸収してくれず、ニキビ、湿疹などの肌トラブルも増えます。そのため、食べるものは気をつけていますね。
____とても美容には気を遣っていらっしゃるんですね。アラフォー女性に対してやっておいた方がいいケア方法などがあれば教えていただきたいです!
田中美紀先生スキンケアでいうと、ビタミンA、ビタミンCは取り入れて欲しいですね。市販のものでもいい商品はあるのですが、効果がしっかり出るのはドクターズコスメ。1本でもいいので、ぜひ使ってみていただきたいです。 あとは、去年コンテストに出たことをきっかけに食生活を変えたんです。朝は必ずフルーツを摂る、白米を玄米に変える、お砂糖は摂取しないなど心がけていたら、腸が整うことで肌の調子もよくなりました。くすみも取れた感じがするので、食べるものを変えるということも意識していただくといいかと思います。

____ストイックな姿勢、素晴らしいです! 先生がご自身を「〇〇の名医」というとしたら、何の名医だと思われますか?
田中美紀先生注入治療全般が好きですが、何かの名医と一つに絞るのであれば、ボトックス治療かもしれません。総合的な治療、患者さん一人一人へのオーダーメイド治療を得意としております。 しわであれば、今あるしわが魔法のようにすべて消えるわけではないけれど、今あるしわをより深くしないためにボトックス注射が有効です。 また、小顔ボトックスや、梅干しジワでお悩みのアゴボトックスも人気ですね。小顔ボトックスとは、咬筋という筋肉にボトックスを打つことでエラの張りがとれる施術です。また、あごにボトックスを打つと筋肉の緊張が取れて顎の形が整うんです。食いしばる癖があったり、肩が疲れていたりする人に打つことで、エラが張りにくくなる、輪郭が細くなるという効果が期待できます。 ボトックス注射で取りきれなかったシワは、他の施術を組み合わせて総合的に治療することも可能です。
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カウンセリングは患者さんとの信頼関係を築くために一番大切な時間です
____最後の質問になりますが、患者様と向き合う時はどのようなことを大切にされていますか?
田中美紀先生患者さんの気持ちとご要望が一番重要です。そのためには信頼関係が大切。まず患者さんにお会いしたらフルネームでしっかり自己紹介して、頭を下げています。 私が他の先生に診察を受けた際、その先生がされていて感銘を受けたことなんです。患者さんとしっかり向き合う姿勢は大切にしたいですね。 患者さんとお話しする際は、顔や体のバランスも全体的に見ています。ただ話を聞くのではなく、表情がハッピーなのかアンハッピーなのか、お肌の状態はどうか、どんな表情をしてお話しされてどこにシワが寄るかなどを見ておくことで、患者さんの今の状態がわかるんです。

____患者様のお悩みを聞くだけでなく、潜在的なお悩みもチェックされているんですね。
田中美紀先生遠慮がちな患者さんだと、悩みを少ししか打ち明けてくれなかったりするんです。そういった方は私の方からお話を掘り下げたり、私から見たもっときれいになるためにできることをご提案することで、本当の悩みを見つけ出していきます。診察室で打ち明けられずに後悔してほしくないんです。 悩みをお聞きし、お値段やダウンタイムなどもすべてご説明した上で、最終的に何を重要視されるかを確認します。お値段、時間、仕上がりなど、どこを重要視するかで今後の施術についてプランニングさせていただく形です。
____カウンセリングについて、一人ひとりじっくり行われているんですね。
田中美紀先生お忙しい方の足止めはしませんが、お時間が大丈夫な方であれば、髪型や服装、ご家族の話なんかもすることがあります。たくさんお話ししていると、患者さんが信頼してくれるんです。治療を行うまでに医者と患者の信頼関係を完璧にしておく。 ここが確立していると、施術に関しても安心して望んでくれるんです。そういった意味では、カウンセリングが一番大切な時間ですね。