宮崎の文教地区の中でもひときわ洗練された建築物の2階にある、みやざき美容クリニック。「骨切り以外はなんでも」と言うほどの幅広いメニューを取り揃え、地域の皆さまのきれいになりたい想いに応えています。 今回はその中でも特にニッチとされる女性特有の治療について、院長の小宮美慧先生にお伺いしました。
子育てとの両立のために美容外科医へ転身
____最初は外科でお仕事をされていたそうですね。
小宮美慧先生はい。久留米大学の外科学に入局してキャリアを積んでいた頃、思いがけず子どもを身籠りました。当時の夫も外科医で、私自身も2人出産したらまた第一線で働きたかったのですが、小さな子を抱えてそれがなかなか難しくて。 それで私の方が大学院に籍を置いて子育てに入ったものの、大学院で研究するというのが性格的に向いていなかったんですね。臨床で患者さまの治療がしたい、最前線でオペもしたいという気持ちが強くなり、自分のやりたいことと現実にギャップが出てきました。 そんな時に城本クリニックの総院長から、新しく開院する宮崎院を任せられる人を探しているというお話がありました。城本クリニックは父が名古屋で院長を勤めていて、そのつながりです。
____それがきっかけで外科から美容外科に転身されたんですか?
小宮美慧先生父が美容外科医だったこともあって、私自身も元々興味は持っていました。ただ全身が診られる医師になりたいと思っていたので、私は外科医になったんです。ですが子育てのこともあり、当直がない美容外科の世界にぐっと引き寄せられまして、転身を決意しました。
____城本クリニック宮崎院の院長からスタートしたんですね。
小宮美慧先生そうです。父の助けを借りながら5年ほど宮崎院の院長を務め、ノウハウを学ばせてもらいました。その後、医療法人を設立して独立し、みやざき美容クリニックとしてスタートしたのが2011年です。
相談しにくいコンプレックスの治療
____先生がお得意な施術は何でしょうか?
小宮美慧先生宮崎という地方都市ですから、オールマイティにできないとダメなんですよね。私が唯一やらないのは骨切りくらいで、それ以外の施術は何でもやります。 ただ需要として多いのは、女性ならではのパーツの手術。例えば授乳や加齢によって乳頭が伸びてしまったり、乳輪が大きくなってしまったりする方がいます。そのようなパーツを整える手術*1に関しては、やっぱり女医を希望される方がほとんどです。
____そのような手術があるとは知りませんでした。
小宮美慧先生胸の手術というと一般的には豊胸をイメージされると思いますが、当院は圧倒的に乳頭縮小が多いですね。 伸びてしまった乳頭のために、新しいパートナーとの出会いや温泉に行くのを戸惑ってしまう方もいるんです。他人はそこまで気にしていないかもしれないけれど、やっぱり自分の中ではコンプレックスになっている。そこを整えてあげるだけで、気持ちも全然変わるんです。 「その方が本来持っている自信が引き出される」、そんなお手伝いができたらなと思っています。
____確かに自分一人で抱えてしまいがちな悩みですよね。
小宮美慧先生そうですね。人には言いにくいパーツ治療ということでは、小陰唇の縮小術*2もあります。最近、ご希望する方が増えてきた治療ですが、それは介護脱毛をする方が増えたからなんです。元々は隠れていたのに脱毛したら露出してしまい、今度はそこがコンプレックスになってしまう。 もちろん日常的に痛みを感じたり、生理用のナプキンで擦れてかぶれてしまうので治療をしたいという方もいます。「こんなに簡単に手術できるんですね」と驚かれることも多いですよ。
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地元のラジオで17年間情報発信
____患者さまはどの辺りからいらっしゃいますか?
小宮美慧先生宮崎だけではなくて周りの県からいらっしゃる方も多いですね。というのも、乳頭や小陰唇の手術は病気ではないので外科や産婦人科などではやらない手術なんです。美容外科でしかも女医でとなると、どうしても限られてきます。ただ、私が始めた頃よりはやっている先生もだいぶ増えましたね。
____このような治療で先生がこだわっているのは、どのような点ですか?
小宮美慧先生バランスですね。美しい胸って乳房と乳輪と乳頭の3つのバランスによって決まりますが、乳頭を縮小するにしても極端に小さいとおかしい。それと少し上を向いていた方がきれいなので、そこも気をつけてデザインしています。 小陰唇も同じようにバランスが大事。小さすぎても不自然なので、できるだけスッキリと傷もきれいに治します。
____どんなデザインが正解か、正直患者さまもわからないですよね・・・。
小宮美慧先生そうですね。「こんな感じの小陰唇にして」と要望されることはないので、そこは信頼関係。症例写真をお見せすることはありますが、ほとんどの方が「先生がいいと思うデザインにしてください」とお任せしていただけるので、それは非常にありがたいですね。
____そのような悩みを抱えた患者さまは、どうやって先生のところにたどり着いているんですか?
小宮美慧先生宮崎でクリニックを始めて17年になりますが、当初からずっとラジオ番組に出させてもらっているんです。月に2、3回、10分くらいのコーナーで地元のパーソナリティの方と美容治療の話をしていて、例えば「今日は女性器の治療について」というようなテーマで話すこともあります。それを聞いて「今まで悩んでいたけれど、宮崎でそんな手術が受けられるんだ」と来院してくださった方もいましたね。
____ラジオがきっかけでですか?面白いですね。
小宮美慧先生すごく多いわけではないですが、届く方には届くみたいで。ラジオって生の声で発信するので、文字で発信するSNSよりも親近感を持っていただける方が多いのかもしれません。
敷居を下げて相談しやすい雰囲気を
____患者さまと向き合う上で先生が大事にしていることを教えてください。
小宮美慧先生患者さまが困ったことや人に話しにくいことを一旦受け止めてくれる先生、という立ち位置でいられたらなと思っています。専門家から見てやらない方がいい治療もありますし、ご本人が気にしすぎていることもあります。そのようなことも含めて、悩んでいることを一旦は打ち明けていただける対象でありたいですね。 そのためには、患者さまと私たちとの間に敷居があったら打ち解けることができませんし、できるだけ親近感を持っていただけるように考えています。SNS発信もそうですし、クリニックの雰囲気もそう。クリニック内は患者さま同士が顔を合わせないよう、待合室も個室で用意しています。そうすることで安心して悩みや秘密を打ち明けやすくなりますしね。
____17年もやっていらっしゃると長いお付き合いの患者さまもいらっしゃいますよね。
小宮美慧先生17年前に高校生だった患者さまが結婚してお母さんになってまた来てくれたり。そういうお付き合いができるのは、一番嬉しいことかもしれません。「おー、久しぶり、ママになったの?」なんて言ったりして、もう親戚のおばちゃん状態(笑)。自分もそんなことが言える年齢になったんだなぁと、それもまた楽しく感じますね。
____クリニックの周辺も変化はありましたか?
小宮美慧先生ようやく宮崎にもここ3、4年で大手の美容クリニックができました。面白いことに、そこに行った方が「こんなことを言われたんだけど、先生はどう思いますか?」と、いわゆるセカンドオピニオン的に意見を求められることが増えてきたんです。「先生は長くやっているから、意見を聞きたい」と。これは今までなかったことですね。
____信頼されている証拠ですね。宮崎の皆さまの美容への意識は変わりましたか?
小宮美慧先生幅広い世代の方々の美容に関する意識が、すごく高くなっています。最新の美容医療は何で、都会ではどんな治療をやっているのか。海外で行っている治療を受けるならどこなのか、実際に受けた方の反応はどうなのか、とか。 SNSの影響が大きいと思いますが、逆にSNSの情報に惑わされて誤解や勘違いをしている方もいます。そこは正しい情報をお伝えしていかなくてはと思っています。
これからは美容における予防医学も
____最後に先生の展望などがあればお聞かせください。
小宮美慧先生美容医療に頼った方がいいこともありますが、予防できることは予防するように情報発信していきたいとは常々考えています。治療をしなくてもきれいに年を重ねていける方法や、治療をした後に長持ちさせる方法など、いわゆる美容医療での予防医学についてはもっと伝えていきたいですね。
____例えばどのようなことですか?
小宮美慧先生私たちは食べたもので体ができています。腸活という言葉がありますが、腸が汚れていると肌荒れにもつながりますし、体内から美しくなるための情報発信も行っていきたいと思っています。 実は私の夫が料理人でして、クリニックの1階でテイクアウトのお弁当屋さんをやっています。そこでは、麹菌を使った野菜中心の料理やグルテンフリーのメニューなどを提供しています。
____まさに内からも外からもキレイを目指すということですね!
小宮美慧先生そうですね。私自身は、見た目だけを整えたり作り替えるだけではなくて、その人が持っている魅力をトータルで輝かせるお手伝いができるといいな、と思っています。