福岡県の博多駅から徒歩4分のところにあるAiメディカルクリニック福岡。そこで働く平島 梨絵先生は、透き通るような透明感のある肌の持ち主です。しかし取材をしてみると意外なことにご自身の肌に悩んだ過去があり、その経験が今の仕事に大きな影響を与えているのだそう。平島先生のこだわりや美容医療への思いを伺いました。
自分がお肌で苦労したからこそ、一人ひとりにオーダーメイドな治療を提供したい
____なぜ美容皮膚科を目指そうと思ったのかを教えてください。
平島 梨絵先生私は生まれつきアトピー体質で肌が焼けやすいこともあり、アトピーは治ったのですが、しみやそばかすが出来やすくて悩んでました。 研修医になったタイミングで、美容治療を受けてみたい!と思って、大手の美容外科に行きました。当時は美容外科と皮膚科の違いもよく分かっていなかったですね(笑) いざ受けてみたら施術で火傷をして、その部分が色素沈着してしまいました。さらにこうしたリスクはあっての美容治療なのに、フォローのための診療時間も短いなと感じたんです。
____それは大変な思いをされましたね。
平島 梨絵先生私も肌に悩んでいた分、もっと誰でも気軽にコスメを買いに行くような感覚で通ってもらえる美容皮膚科医になりたいと思いました。お肌でもなんでも悩みの相談役になれたらと考えています。そのため、患者さんと1:1で長く付き合っていけて、診察時間も長い場所で勤めたいと思って今のクリニックに勤めています。 カウンセラーさんがメニューをあれこれ提案するクリニックもありますが、当院ではドクターと患者さんで話し合って、メニューもそこで全部決めるようにしています。患者さんの症状は個々で異なりますし、肌質や症状に合わせてオーダーメイドで丁寧に治療を提供できるよう努めています。
アラフォー世代の悩みはさまざま。原因や患者さまの要望によってアプローチを変えていくことが大切。
____クリニックにくる相談では、どんなものが多いのでしょうか?
平島 梨絵先生当院では30代後半〜40代くらいの患者さまが多いのですが、しみやそばかす、たるみ、毛穴治療が多いですね。 ただ、しみ一つとっても種類が様々なんです。日光による一般的な老人性色素斑、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)という色素斑や、炎症後の色素沈着、肝斑など、まずは診療によって原因を明らかにしてから患者さまに合った治療法を選択していきます。
____しみ一つとっても種類がたくさんありますね。その中でよく使われている治療法を教えてもらえますか?
平島 梨絵先生ピコシュア *1というしみ取りに特化した機械で行うピコレーザーというレーザー治療法があります。私も自分で体験して効果を感じていますので、オススメできます。
____しみの治療は回数がかかるものですか?
平島 梨絵先生しみは一発で取れると思っている方も意外と多いのですが、しみは長年の積み重ねだったり、ベースに肝斑がある方が多いです。肝斑は女性ホルモンなど体の内側からの影響もありますので回数は必要ですが、状況を見ながら投薬も並行して治療していきます。
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____治療の期間は様々なアプローチを併用することが大切なんですね。たるみに対してはどのような治療を行うのでしょうか。
平島 梨絵先生糸リフト *2、ハイフ *3、他に、チークの部分にヒアルロン酸を注入して引き上げるなどの方法がありますが、たるみ治療の一番人気はハイフです。
ハイフはダブロゴールドという機械を使用しており、他の機械よりも痛みを感じにくく効果が高いと言われています。
美容治療が初めてでオペがまだ怖い、痛みが怖い、肌を縫ったり切ることに抵抗を感じるという方には取り入れやすいと思います。ハイフの場合は3〜6ヶ月に1回を継続していただきます。
ハイフで熱を加えた後、さらに土台を引き上げるための糸リフトを行うと効果が上がります。ハイフと同日に行うことも出来ますよ。
肌を労りながら毛穴治療を
____切ったり縫ったりせずにたるみ治療ができるのは嬉しいですね!毛穴治療ではどのようなことを行うのか教えてください。
平島 梨絵先生水光注射 *4という治療法です。ダーマペンと間違えられやすいのですが、ダーマペンは16本の針を打ちこみ、擦りながら薬液を浸透させます。一方で水光注射は肌を擦りません。 美容大国の韓国で生まれた治療法で、内側からのハリツヤが出て水のように光る肌になります。当院では30代後半〜40代の患者さまが多いこともあって、より効果的な水光注射を採用しています。 もう1つ幹細胞培養液上清液のマイクロショット *5という方法もあります。こちらは水光注射よりも入れている薬液も肌層も違い、水光注射よりも高い効果が期待できます。
____この2つの治療法は何か選ぶ基準はあるのでしょうか?
平島 梨絵先生効果が高いのは幹細胞培養液上清液のマイクロショットです。薬剤は幹細胞培養上清液、中でも当院でも最高級の羊膜もしくは臍帯血を使用しています。どちらを使用するかは肌のお悩みによって変えて、ドクターが直接針で投与します。 たった1回の施術でも毛穴の収縮やくすみの飛び方が違いますが、お値段も高いです。美容はコンスタントに通うことも大事ですので、通えるか?という点も大切な判断軸だと思います。まず治療を始められる方は1ヶ月に1回通われることをオススメしています。
____いずれも針を刺す治療法なんですね。
平島 梨絵先生針を刺す治療全般をメソセラピーと言うのですが、こうして真皮層に働きかけることができるのは美容医療だけなんです。基礎化粧品やエステでは浅い層までしか届かないのですが、メソセラピーによってヒアルロン酸やコラーゲンなど肌の弾力性が出てくる真皮層に働きかけ、内側から肌ツヤを取り戻すことが出来ます。 私も実際に自分の肌で試すことで、痛みや効果実感も含めて患者さまにお伝えできるようにしていますよ。
美肌のためには腸内環境による内側からのケアも忘れずに
____先生が美容で気になる成分や、普段使いしているコスメ・サプリはありますか?
平島 梨絵先生乳酸菌のサプリ、マヌカハニーを採っています。特にお肌のニキビや吹き出物が気になる方は、腸内環境をキレイにすることを意識してお野菜やクレソン、乳酸菌サプリなどを採ると良いと思いますよ。
また、マヌカハニーは抗菌作用があるため、自分の免疫力を高めることと、腸内環境を整えるために朝晩スプーン1杯飲むようにしています。
腸内環境はお肌と密接に関わっています。腸内環境の悪化で、ニキビや吹き出物の原因となっていることも少なくありません。そのため、吹き出物などに悩んでいる方は、食生活から指導しています。
____お肌のために内側からケアすることも大切なんですね。先生はアトピー体質と思えないくらいキレイなお肌だなと思いました。コスメで特にオススメなものはありますか?
平島 梨絵先生様々なコスメがありますが、こだわっているのは日焼け止めですね。日焼け止めだけは、365日、今日家にずっといると決めた日でも、雨でも雪でも毎日続けていただくことが大事です。そのため、毎日でも塗りやすいコスメを選んでいただくと良いでしょう。 他には、ペプチドを配合した基礎化粧品を使っています。肌の常在菌をコントロールする効果があって、保湿力も高く、使っていくうちに内側のハリツヤを得ることができて、愛用しています。
患者さまがもっと気軽にお肌の相談ができるクリニック作りに邁進します
____先生も昔はアトピー体質で悩んでいたとのことでした。現在は医師として患者さまと向き合う中で大切にしていることを、最後に教えてください。
平島 梨絵先生私自身もずっとお肌で悩んでいた1人なのですが、日本で美容医療はまだまだ敷居が高い場所だとは感じています。お値段もそうですし、どこに行ったらいいかわからないとか、この程度のケアであればエステでも良いんじゃないかと思われている方も多いと思います。 小さい悩みでも構いませんので、年齢・性別問わずお肌の相談役として美容医療を気軽に利用していただきたいですね。当院でも、具体的に何したら良いかわからないけどキレイになりたい!と来院される患者さんはたくさんいらっしゃいます。 私は患者さまと接する上で、当たり前なことですが、不必要なものは進めないと決めています。そのために診療時間を長めに設定し、患者さまと1:1でじっくりお話しさせていただきます。いつでも必要な治療だけで、最短で綺麗になれることを患者さまに提案していきます。