三重県津市鳥居町にある津かじわらクリニック。副院長の梶原愛莉砂先生は市内にも数少ない美容皮膚科として、ニキビ治療など患者さまの悩みに合わせた治療を提供されています。今回は、梶原愛莉砂先生が得意とする治療やホームケアの重要性について伺いました。
父の病気をきっかけに、本気で医療と向き合うように
____先生のご経歴について教えてください。
梶原愛莉砂私が中学生の頃、父が癌になり亡くなりました。その経験が自分の中で非常に大きく、医師にはなりたくない、とずっと思っていたんです。ですが、ある方から「医学はまだまだ日進月歩で、強い想いがある人こそなるべきだよ」と言っていただき、本格的に医師を目指し始めました。
私は細かい作業が好きで、形成外科の中でもマイクロサージェリーに興味を持っていました。なかでも力を入れて学んだのが乳房の再建です。父のこともあり、癌治療にはどうしても感情移入してしまっていたのですが、乳房の再建は癌に向き合われている方にとってその後の人生を支えられると思うようになったんです。
____そこから、さらに美容皮膚科にも力を注ぐようになった経緯を教えてください。
梶原愛莉砂乳癌患者さまと関わる中で、「ホルモン療法の影響で肌の悩みが増えた」というお声をよく聞くようになりました。実際に相談されることも多くなり、そこから美容皮膚科にも注力するようになりました。
その後、夫が「津かじわらクリニック」を開業。このエリアは形成外科自体が非常に少なく、最近まで市内の大学病院にも形成外科がありませんでした。そのため、お子さんの怪我やニキビの悩みなど、地域の方が気軽に相談できる場所を作りたいと思い、副院長として美容皮膚科、形成外科を担当する決心をしました。
まずは自身の肌を知ることが、持続可能な肌治療への第一歩
____診療において大切にされていることはありますか?
梶原愛莉砂お肌に悩んでいる患者さまに対しては、まずご自身の肌について知っていただくことを大切にしています。自身の肌への理解を深めることで、毎日の変化や日々の習慣からの影響に気づくようになります。そうすることで適切なケアもわかり、再現性のある治療が可能になるんです。
まずはご自身の肌に触れ、理解するために必要なことをお伝えしていますね。
当院では、患者さま一人ひとりに合わせたカスタマイズ治療を行っており、内服治療や外用治療も組み合わせて行います。肌の悩みに合わせ、トラネキサム酸やビタミンAなどを処方したり、そのほか、幹細胞美容液なども人気ですね。
____先生がご自身を「◯◯の名医」というとしたら、何の名医だと思いますか?
梶原愛莉砂ニキビやニキビ跡の名医でしょうか。
ニキビは保険診療から自由診療まで幅広い治療法が存在します。保険診療ではなかなか改善が見られない患者さまに対し、自由診療をご案内しています。例えばケミカルピーリング *1やダーマペン *2は、ニキビケアに効果的です。そのほか、ドクターズコスメなどを用いた治療の選択肢もあり、患者さまそれぞれの悩みに合わせて提案しています。
形成外科の少ない地域で、自由診療をもっと身近なものにしたい
____美しくなるために取り入れた方が良い施術や、自宅でできるケアを教えてください。
梶原愛莉砂美肌のためには、やはり紫外線対策は欠かせません。自宅で1日過ごす際にも、必ず日焼け止めを使ってケアをしてください。日焼け止めの種類は豊富ですので、使用感や好みに合わせて選んでいただくのが良いかと思います。
また、日焼け止めで大切なのは「塗り直し」です。2〜3時間ごとに塗り直しをしなければ効果が薄れてしまいます。その場合には、スプレータイプや粉タイプが使いやすくおすすめです。
____日々の診療で患者さまとどう向き合われているのか、その想いをお聞かせください。
梶原愛莉砂この地域には、自由診療を受けたことがない患者さまも多くいらっしゃいます。というのも、形成外科がほとんどなく「肌の悩みを病院に相談する」という選択肢自体がなかったからです。そのため、まずは患者さまにご予算をお聞きし、優先順位を立てながら治療を提案することを大切にしています。
美肌治療は1回で終わりというわけではありません。通院を続けやすいよう、予算や悩みに合わせたカスタマイズでの治療を行っています。
____最後に今後の展望を教えてください。
梶原愛莉砂当院をご利用いただく患者さまは、30代〜40代と仕事や子育てにお忙しい方も多くいらっしゃいます。そういった患者さまにも気軽にご利用いただけるよう、自由診療のハードルをもっと下げたいと考えています。これからも一人ひとりの患者さまに寄り添いながら悩みを取り除き、笑顔で帰っていただけるようなクリニックを目指していきたいです。