愛知県丹羽郡大口町に、2000坪の広大な敷地と200台の駐車場を有する「大城皮フ科クリニック」。数多くの美容医療機器を導入し、幅広い肌のお悩みに対応しています。院長の大城宏治先生は、ご自身が皮膚疾患で悩まれた経験から、患者さま一人ひとりの心に寄り添う診療を実践されています。今回は大城先生に、皮膚科医を志したきっかけやクリニックの理念、そして注力されている「モザイク3D」を使用したフラクショナルレーザー治療について、詳しくお話を伺いました。
重度のアトピー経験から生まれた「患者さま想いの皮膚科」

____先生が皮膚科医を目指されたきっかけについて教えていただけますか?
大城宏治先生私自身、5歳ぐらいから研修医になるぐらいまで、重度のアトピー性皮膚炎を患っていました。顔中が真っ赤で、眉毛がなくなるほどひどい時期もあり、通院する機会が多かったんですね。そのような経験の中で「皮膚のかゆみの苦しさやつらさを理解している医師はなかなかいないのではないか」と考えました。自分と同じように皮膚のことで悩む方々の力になりたいという想いで、皮膚科医になることを決意しました。
____クリニックを開業するにあたって大切にされたことやコンセプトについて教えてください。
大城宏治先生「患者さま想いの皮膚科」であること、そして「地域の皆様に、気軽に新しい治療を提供」することがコンセプトです。これらを実現するために、患者さまへの説明を徹底しています。保険診療の疾患にしても美容医療にしても、患者さまがご自身の状態や治療内容をしっかり理解し、納得して治療に臨めるように、時間をかけて丁寧にお話しすることを心がけていますね。
また、人的な体制も整えています。当院はスタッフが47名、所属している医師だけでも約20名在籍しています。アトピーやニキビ、たるみ治療や手術など、どの治療においてもスタッフや医師が連携し、患者さまが抱える疑問や不安にしっかりと向き合うことを大切にしています。これらの取り組みにより患者さまの治療に対する意欲を高め、ご自宅でのセルフケアも含めて、治療を継続していただくことが目標ですね。
ダウンタイムほぼなしで肌質改善が叶うフラクショナルレーザー「モザイク3D」

____先生がとくに注力されている治療について教えていただけますか?
大城宏治先生とくに力を入れているのは「ノンアブレイティブ(非蒸散型)のフラクショナルレーザー」です。当院で使用している機器でいうと「モザイク3D *1」になります。
____「モザイク3D」は、従来のレーザーとはどのような点が違うのでしょうか?
大城宏治先生まずフラクショナルレーザーとは、毛穴の開きや小じわといった肌表面の質感改善、ニキビ跡や深いシワ、傷跡の治療などによく用いられるレーザーです。肌の入れ替え、いわゆるリジュビネーションを目的とした治療の選択肢のひとつです。このフラクショナルレーザーには、大きく分けて「アブレイティブ(蒸散型)」と「ノンアブレイティブ(非蒸散型)」の2種類があります。アブレイティブは皮膚表面を微細に「焼く」タイプで、効果が高い反面ダウンタイムが長く、赤みや腫れ、かさぶたなどが1週間程度生じます。
一方、モザイク3Dはノンアブレイティブタイプです。皮膚表面を焼かずに、特殊なレーザーで真皮に微細な熱ダメージを与えます。イメージとしては、お肉を焦がすのではなく、半生状態にするような感じです。皮膚は熱ダメージを受けると、それを修復しようとする自己治癒力が働き、新しい皮膚に入れ替わろうとします。モザイク3Dではこの作用を利用して、1回の施術で皮膚の約10~15%を新しいものに入れ替えることを目指します。
____先生が「モザイク3D」をおすすめする理由はなんでしょうか。
大城宏治先生モザイク3Dは、ダウンタイムが比較的短いことが特徴です。皮膚表面を傷つけないため、施術当日か翌日には赤みがほとんど引きます。翌日からお化粧も可能なので、効果はしっかり出しつつ、日常生活への支障が少ない点がメリットですね。
よく比較されるピコフラクショナルレーザーは、熱作用を抑えているため真皮層の深い部分までは熱が届きにくいという特徴があり、肌のハリやツヤを出すなどの肌を再構築する効果はノンアブレイティブ型に比べると限定的です。モザイク3Dは、皮膚を「焼かない」にも関わらず皮膚の入れ替えを促せるという点で、独自の強みを持つレーザーと言えますね。
____どういったお悩みを持つ方にとくにおすすめでしょうか?
大城宏治先生幅広い年代、お悩みの方に向いている施術です。たとえば、10代でニキビ跡や毛穴の開きに悩んでいる方に対しては、得られる効果とダウンタイムの短さのバランスからもおすすめできますね。もっとも効果の高いアブレイティブ型の7〜8割ほどの効果を期待できつつ、翌日からお化粧ができるので、日常生活への影響を最小限に抑えられます。
20代、30代になると、肌のツヤやハリ不足を感じ、レーザー治療を検討する方が増えてきます。モザイク3Dは施術を重ねるごとに皮膚自体が新しくなっていくので、エイジングサインのケアにも有効です。また50代以降の方では、深くなってしまったシワに悩まれる方が多いと思います。ボトックス注射などでは改善が難しい「すでに刻まれてしまった深いシワ」に対しても、モザイク3Dで皮膚自体の入れ替えを促すことで改善が期待できます。
総じて、ダウンタイムを長く取れない方に適していると思います。とくに女性の場合は「メイクできない期間があると困る」という方も少なくないので、良い選択肢になるのではないのでしょうか。ほかにも、注射治療などの針を刺すことに抵抗がある方にもおすすめですね。
____治療の流れについて教えてください。
大城宏治先生まず、当院のウェブサイトから、カウンセリング予約を取っていただきます。美容に関するお悩みで来院された場合は、最初に専門のカウンセラーが患者さまのお話を詳しく伺います。その後、必ず医師による診察を行います。医師が患者さまのお肌の状態を拝見し、お悩みやご希望を改めて確認したうえで、その方にもっとも適した治療法をご提案します。
当院はあくまでも「病院」として診療を行っていますので、たとえば患者さまが「このレーザーを受けたい」と希望されても、お肌の状態やライフスタイルに合わないと判断した場合は、正直に「向いていませんよ」とお伝えすることもあります。医学的な根拠に基づいて、本当にその方に合った治療をオーダーメイドで提供することを第一に考えています。
自身の経験を糧に、患者さまに寄り添い「継続できる」治療を提案

____患者さまとの向き合い方で、大切にされていることはなんでしょうか?
大城宏治先生自分自身が重度のアトピーで苦しんだ経験がありますので、治療の時の気持ちやつらさがわかります。診察では、患者さまが普段のケアなどしっかりできている点があれば「すごく良くなりましたね!」と心から褒めますし、逆に改善が必要な点があれば「ここはもう少しこうしましょう」と具体的にお伝えしています。
しかし、医師が一方的に「こうしなさい」と言うだけでは、なかなか行動できないものです。患者さまに治療を続けていただくことが何より大事なので「今回はこれができたから、次はここまで頑張ってみましょう」「薬がこれだけ減ったということは、しっかりケアできた証拠ですよ」といった形で、少しでも前進できている部分を認め、自信を持ってもらうことを意識しています。
患者さまがクリニックにいらっしゃるのは月に数回、ほんの5分10分ですが、ご自宅で治療を続けるのはご本人やご家族です。孤独な戦いにならないよう、私たち医師やスタッフが、患者さまの気持ちを理解し、勇気づける存在になりたいですね。
____自宅での継続的な治療というと、お薬を塗ったりスキンケアをしたり、ということでしょうか?
大城宏治先生そうですね。ただ、たとえば「薬が効かなかったから、今まで1日2回だったのを3回にして、全身に塗ってください」と言うのは簡単ですが、現実的に考えると難しい場合が多いと思います。とくに学生さんや社会人の方は忙しいですよね。
医師は理想論を言いがちですが、私は患者でもあるので「それは無理だろう」という感覚がわかります。なので「全部はできなくてもいいから、これだけは必ず続けてみましょう」「忙しくても、これさえやっておけば、少なくとも悪化はしませんよ」というように、患者さまの生活の中で、無理なく「継続できること」だけを具体的にお伝えするよう徹底しています。
____最後に、患者さまへメッセージをお願いします。
大城宏治先生美容に関心がある方も、アトピーやニキビといった皮膚疾患でお悩みの方も、あまり気負わずに、まずは専門家である私たちに相談していただけたら嬉しいです。ご自身でいろいろ調べたり、試したりすることも素晴らしいのですが、その道のプロだから知っている情報や効率的な方法というものが存在します。肌のお悩みに関しては、私たち皮膚科医を頼っていただくことが、結果的に美肌への近道になるのではないかと思います。
カウンセリングでは、患者さまの「いつまでにどうなりたいか」という目標やご予算、通院可能な頻度などを詳しくお伺いし、一人ひとりに合わせた治療計画を作っていきます。ぜひ一度ご相談いただき、一緒に「美肌への道筋」を歩んでいけたら嬉しいです。