東京都世田谷区経堂、小田急線「経堂」駅から徒歩3分の場所にある「ちなつスキンクリニック」。地域に根ざした温かい雰囲気のクリニックを目指し、保険診療から美容皮膚科診療まで、患者さま一人ひとりに寄り添った医療を提供しています。今回は院長の松本千夏（まつもとちなつ）先生に、医師を目指したきっかけや美容医療への思い、そして得意とするヒアルロン酸注入について、詳しくお話を伺いました。

＿＿＿＿先生が医師になったきっかけについて教えていただけますか？

松本千夏先生幼い頃から健康や医療には関心がありましたが、直接的なきっかけとなったのは、高校生の時に自分が大病を患った経験です。その際にお世話になった近所の女性の先生は親身になって患者さん一人一人にどこまでも寄り添うとても誠実な方で、その先生に会うと不思議と元気になれる、そんな存在でした。「私も、先生のように元気を与えられるような医師になりたい」と強く思うようになり、医学部を目指しました。

＿＿＿＿最初は皮膚科ではなかったご経験もあるのですね。

松本千夏先生医学部の臨床実習で全ての科を回る中で、見た目で病気が診断できる皮膚科に非常に興味を持ち、皮膚科医を目指して研修を始めました。研修を進める中で、皮膚だけでなく、全身をしっかり診られる医師になるため、1年間、救急救命センターで救急医として勤務しました。救急医も非常にやりがいはありましたが、一人の患者さまの人生に長く寄り添うことは難しいと感じ、もともと志望していた皮膚科の道に進みました。救急医としての経験は、全身管理の知識や緊急時の対応能力など、現在の診療にも大いに役立っています。

＿＿＿＿そこから美容医療の分野に進まれたのは、どのような思いがあったのでしょうか？

松本千夏先生思春期にひどいニキビに悩み、外に出るのも辛いと感じる時期がありました。その時、皮膚の悩みが人の心に与える影響の大きさを実感しました。皮膚科専門医として診療する中でも、保険診療だけではなかなか綺麗になりきれないニキビ跡の治療のためにはピーリングやレーザーなどの自費診療の必要性を強く感じ、美容皮膚科医としても経験を積んできました。その中で加齢に伴うお悩みを抱える患者さまと出会う機会を多くいただきました。ヒアルロン酸を注入したり、ボトックス治療を行うだけで、患者さまのお顔がパッと明るくなり、笑顔で帰られる姿を見て、美容医療の持つ力の大きさを感じ、美容皮膚科の分野も深く学ぶようになりました。

皮膚科専門医として、また美容皮膚科医として8年間様々な経験を積む中で、患者さま一人ひとりに本当に寄り添った医療を提供したいという思いが募りました。地元である経堂にご縁があり、2025年4月に開業いたしました。以前のクリニックで一緒に働いていた看護師やカウンセラーも来てくれて、本当にスタッフにも恵まれています。

＿＿＿＿クリニックに来院される患者さまに、多いお悩みを教えてください。

松本千夏先生ほうれい線やマリオネットラインなど、特定のシワを気にされて来院される方は多いです。もちろん、そこに直接ヒアルロン酸を注入する方法もありますが、多くの場合、そのシワの原因は、加齢によるコメカミの痩せや頬のボリュームロス、フェイスラインのたるみなど多岐に渡ります。

＿＿＿＿先生がとくに力を入れている注入治療について詳しく教えてください。

松本千夏先生私がとくに力を入れているのは「自然な仕上がり」を追求する、オーダーメイドのヒアルロン酸注入*1です。当院では、患者さまお一人ひとりの骨格やお顔立ち、皮膚の状態、そして何よりも「どうなりたいか」という理想のイメージを丁寧に伺い、その方本来の美しさを引き出すような、ナチュラルな仕上がりを目指しています。

原因となっている部分のボリュームを補わずに、シワだけを埋めようとすると、不自然な仕上がりになったり、かえってお顔が大きく見えてしまったりすることがあります。ですから、当院では、まずお顔全体のバランスを拝見し、皮膚の柔らかさや脂肪のつき方、骨格などを丁寧に触診しながら、シワやたるみの根本原因がどこにあるのかを見極めます。

その上で、例えばフェイスラインの外側やコメカミなど、土台となる部分に「杭を打つ」ようなイメージでヒアルロン酸を注入し、まずお顔全体をリフトアップさせます。それだけでもお悩みが改善することも多いですし、最後に少量のヒアルロン酸で微調整する、といった段階的なアプローチを取ることが多いです。まさにオーダーメイドで、その方に合った最適な注入法をご提案しています。

＿＿＿＿実際にヒアルロン酸注入を受ける場合、どのような流れになりますか？

松本千夏先生まず、洗顔をしていただいた後、最新の肌分析機でお肌の状態を撮影・分析します。その後、肌分析の結果と、私自身の目視や触診による診察、そして何よりも患者さまのお悩みやご希望を詳細に伺うカウンセリングを行います。

治療計画にご納得いただいた上で施術に移ります。施術前には、ご希望に応じて麻酔クリームを塗布し、痛みをできる限り軽減するようにしています。注入部位を丁寧に消毒した後、極細の針やカニューレ（先端の丸い針）を用いて、慎重にヒアルロン酸を注入していきます。注入後は、患者さまにも仕上がりを一緒に確認していただいています。

ヒアルロン酸注入はダウンタイムがほとんどないため、施術当日からメイクをしてお帰りになることも可能です。術後、少しむくみが出ることがありますが、数日で落ち着くことがほとんどです。ご心配な場合は、数日後に経過を拝見させていただくこともあります。

＿＿＿＿クリニックの雰囲気や内装でこだわった点はありますか？

松本千夏先生当院がある世田谷区経堂は、都心にありながらも、どこか落ち着いた雰囲気のある地域です。初めて美容医療を受ける方や、地元の方が気軽に通えるような、敷居の低いクリニックでありたいと考えています。そのため、院内の雰囲気は、白を基調としながらも、木目調の壁や丸みを帯びたデザイン、温かみのある照明などを取り入れ、清潔感と女性らしい優しさ、そしてリラックスできる空間を意識しました。お子さま連れの方でも安心してご来院いただけるよう、キッズスペースも設けています。緊張して来られる患者さまも多いと思いますので、少しでもほっとしていただけるような、安心できる空間作りを心がけています。

＿＿＿＿知識や技術をアップデートするために、普段から行っていることはありますか？

松本千夏先生皮膚科学会や美容皮膚科学会には毎年参加し、常に最新の知識や治療法を学ぶようにしています。また、ヒアルロン酸製剤を扱っているアラガン社などが主催する注入手技の講習会にも積極的に参加し、著名な先生方から直接指導を受けたり、実践形式で技術を磨いたりしています。日々進化する美容医療の分野で、患者さまに最善の治療を提供できるよう、学び続ける姿勢を大切にしています。

＿＿＿＿診察を行う上で、先生が最も大切にしていることは何でしょうか？

松本千夏先生患者さまの皮膚やお顔は、その方の人生に深く関わるものです。ですから、単に症状や見た目だけを診るのではなく、「人生の伴走者」として、その方の心に寄り添い、お悩みを共有し、一緒に解決策を見つけていく、というスタンスを大切にしています。不安な気持ちを和らげ、安心して治療を受けていただけるよう、丁寧なコミュニケーションを心がけています。

____最後に、この記事をお読みの患者さまへメッセージをお願いします。

松本千夏先生美容医療と聞くと、少し怖いイメージをお持ちだったり、敷居が高いと感じられたりする方もいらっしゃるかもしれません。しかし、当院では、初めての方でも安心してご相談いただけるような、温かく、リラックスできる雰囲気作りを大切にしています。

お肌の悩みや、加齢に伴う変化は、誰にでも訪れるものです。それを一人で抱え込まず、ぜひ一度、私たち専門家にご相談ください。患者さまの人生がより明るく、より豊かになるためのお手伝いができると確信しています。お顔やお肌のことを安心してお任せいただけるよう、これからも真摯に診療に取り組んでまいります。