膝関節治療の名医
北城雅照先生 
慶友整形外科脊椎関節病院

東京都足立区。東武スカイツリーライン五反野駅から徒歩8分のところに立地する「慶友整形外科脊椎関節病院」と「足立慶友整形外科」。その両院を率いるのが、医療法人社団円徳の理事長、北城雅照(きたしろまさてる)先生です。豊富な臨床経験を持つ北城先生は、手術という選択肢だけでなく、近年注目される再生医療「PRP療法」にも精通。今回は北城先生に、医師を志したきっかけや膝関節治療へのこだわりについて、詳しくお話を伺いました。

「このままでいいのか?」親友との別れが人生を変えた

____先生が医師を目指されたきっかけについて教えていただけますか?

北城雅照先生幼い頃に股関節を痛め、通院する中で、医師という職業に漠然とした憧れを抱いたのが最初の記憶です。しかし、私の実家は靴屋でしたので、高校を卒業したら、家業を継ぐものだと考えていました。
そんな私の人生を大きく変えたのは、高校卒業後の夏に起きた、親友との突然の別れです。「F1レーサーのメカニックになる」という大きな夢を語ってくれた友人がいました。ところが、彼はバイク事故で帰らぬ人となってしまったのです。
つい先日まで夢を語り合っていた友の死を受け、「人生はあまりにも儚い。このままの自分で人生を終えてはいけない」と、強い衝撃を受けました。そして、自分は本当は何になりたかったのかと自問した時、心の奥底にあった、医師への憧れが蘇ってきたのです。そこから2年半、死に物狂いで勉強し、医学部へ入りました。

____数ある診療科の中から、なぜ整形外科の道を選ばれたのでしょうか?

北城雅照先生最初は外科を希望していましたが、研修医時代に経験した一般外科で、がんの手術が成功しても、数ヶ月後に患者さまが亡くなるという現実に直面しました。当時は「治せる外科とは何だろう」と深く悩みました。
骨折や関節の痛みを治療し、患者さまを元の生活に戻すことができる「整形外科」と絶望的な状態から命を救う「救命救急」、どちらの道に進むか最後まで悩みました。結局、私が選んだのは生涯をかけて専門性を高めていける整形外科の道でした。

メスを入れずに済む方法も選択肢に 

____先生が特に力を入れている施術について詳しく教えてください。

北城雅照先生私が特に注力しているのは、膝関節の「PRP療法」*1です。例えば、膝の痛みの代表的な原因である「変形性膝関節症」が進行した場合、最終的には人工関節に置き換える手術が非常に有効な治療法です。しかし、私は常々、「手術をしなくても済む方法があるなら、まずはそちらを選択すべきだ」と考え、膝関節の「PRP療法」を行うようになりました。
「PRP療法」とは、は、患者さまの血液から、組織の修復を促す「血小板」を豊富に含んだ成分(PRP)を抽出し、患部に注射することで、痛みや炎症を和らげ、組織の治癒を促す再生医療の一つです。
PRP療法が最も効果を発揮するのは、初期の「変形性膝関節症」です。特に、膝のクッションの役割を果たす「半月板」が、本来の位置からわずかにずれている「内側半月板逸脱」の状態は、レントゲンでは分かりにくいものの、痛みの大きな原因になります。この段階で、半月板の周囲にPRPを注射することにより、ずれが改善し、変形性膝関節症の進行を防ぐ「根本治療」につながる可能性が分かってきました。
もちろん、症状が進行してしまった方でも、痛みを取る目的で高い効果が期待できます。ご高齢で手術が難しい方などにも、有効な選択肢の一つとなるでしょう。

____実際に膝の治療を受ける場合、どのような流れになりますか?

北城雅照先生まずは診察やレントゲン、必要であればエコーやMRIなどの精密検査を行い、痛みの原因を正確に診断します。PRP療法が有効であると判断した場合、治療は患者さまご自身の腕から採血を行い、その血液を特殊な遠心分離機で30〜40分ほどかけ、PRPを抽出。そして、エコーで膝の内部を確認しながら、完成したPRPを最も効果的な場所へ正確に注射する流れです。ご来院から治療終了までの時間は、おおよそ1時間とみてください。
PRP療法には様々な種類がありますが、当院で採用している方法では、2週間に1回のペースで、3〜4回ほど注射を継続することをおすすめしています。その後は、1ヶ月に1回程度の診察で経過を観察しながら、リハビリテーションなどを組み合わせて、膝周りの機能改善を目指します。

膝の痛み、諦めないで。まずは正しい診断から

____診察を行う上で、先生が最も大切にされていることは何でしょうか?

北城雅照先生何よりも「的確な診断」です。膝が痛いからといって、すぐにPRP療法をおすすめするわけではありません。まずは原因を徹底的に突き止めます。その上で、手術が良いのか、PRP療法が良いのか、あるいは他の治療法が良いのか、医学的に正しい選択肢をお伝えします。
____最後に、この記事をお読みの患者さまへメッセージをお願いします。
膝の痛みに悩まされ、マッサージや接骨院に通っても、なかなか良くならないという方は少なくありません。もし膝に痛みを感じたら、まずは一度、整形外科を受診し、正しい診断を受けることが快方への第一歩です。
現在では保険診療だけでなく、PRP療法のような自由診療ならではの優れた治療選択肢も増えています。「膝の痛みで、やりたいことを諦めてしまった」という方は、ぜひ一度、当院にご相談ください。痛みのない生活を取り戻すためのお手伝いをさせていただきます。

プロフィール
北城雅照先生
慶友整形外科脊椎関節病院/医療法人社団円徳 理事長 北城 雅照(きたしろ まさてる)

2009年北里大学医学部卒業。2011年に慶應義塾大学医学部整形外科学教室を経て2019年に足立慶友整形外科院長を経験後、医療法人社団円徳の理事長に就任。現在に至る。

<資格・所属学会>
医学博士(慶應義塾大学)
日本整形外科学会認定整形外科専門医
日本整形外科学会認定リウマチ認定医

<クリニック・病院情報>
【初診・保険診療でのご相談はこちら】
足立慶友整形外科
所在地:東京都足立区足立1-12-12
問い合わせ:03-5845-8900
HP:https://clinic.adachikeiyu.com/

【PRP療法・手術などはこちら】
慶友整形外科脊椎関節病院
所在地:東京都足立区足立1丁目12-12 足立メディカルモール4-8F
問い合わせ:03-5845-9700
HP:https://hospital.adachikeiyu.com/

治療メニュー等

取材日: 2025年7月31日

*1
◾️施術名:PRP(多血小板血漿)療法
◾️施術の説明:患者自身の血液を採取し、遠心分離機で血小板を豊富に含んだ血漿(PRP)成分を抽出。そのPRPを、損傷した膝関節やその周辺組織に注射することで、血小板に含まれる成長因子の働きを利用し、組織の修復や抗炎症作用を促す再生医療。とくに、変形性膝関節症の初期段階において、痛みの軽減や進行の抑制効果が期待される。自身の血液を用いるため、アレルギーや拒絶反応のリスクが極めて低いのが特徴。
◾️施術のリスク:
注射に伴う痛み、腫れ、内出血。
稀に、注射部位からの感染(化膿性関節炎)のリスクがある。
施術後、一時的に炎症反応が強まり、痛みや腫れが増すことがある。
効果には個人差があり、全ての患者に有効とは限らない。
◾️費用(税込価格)
PRP療法 :55,000円


ライタープロフィール
二木舞子
フリーのライターとして医療系の取材を担当。自身も美容医療で見た目のコンプレックスを克服した経験があり、美容で悩む多くの人の力になりたいと「名医のチョイス」で活動中。