再生医療の名医【飯塚啓介先生/M再生クリニック】これまで不可能とされてきた疾患に、夢の治療で挑む

いま医療界でも美容業界でも注目を集めている「再生医療」。すごいものらしい、ということは分かっても、具体的に身体や肌にどういった効果をもたらしてくれるか分からない方も多いと思います。そこで今回は、再生医療の最先端でご活躍されているM再生医療クリニックの院長 飯塚啓介先生に、再生医療の魅力についてお伺いしました。

再生医療は夢の治療

____再生医療という言葉は最近よく耳にするようになりましたが、具体的に再生医療とはどういったものなのでしょうか。

飯塚啓介先生再生医療とは、自分の細胞の「再生する力」を利用して、失われた機能を元に戻すことを目的とした治療のことです。
再生医療によって、これまでできなかった神経麻痺の神経を再生させたり、網膜を作ったりすることができます。
一言でいうと「夢の医療」ですね。昔は絶対に不可能だと思われていた時間軸を逆転させるような医療です。

___老化を緩やかにさせることが可能ということでしょうか。

飯塚啓介先生そうですね。細胞を若返らせるというか、古くなって生み出す力が落ちた細胞に元気を取り戻させることができます。

___再生医療は、自分の細胞を一度取り出してから培養して、体内に戻す治療というイメージですが合っていますでしょうか。

飯塚啓介先生ざっくりいうとそういった治療になります。もう少し具体的に言いますと、私たちの脂肪の中には幹細胞というものがあります。 この幹細胞は「幹(みき)」と書くように、色んな細胞に変わりゆく能力を持っています。幹細胞は身体の中に入ると、欠損しているとこや足りていないところを見つけて、そこの細胞に成り代わって修復してくれるのです。 その幹細胞の力を利用して治療を行うのが再生医療です。

___確かiPS細胞も幹細胞の一つだったと思います。再生医療でいわれる幹細胞とiPS細胞の違いを教えてください。

飯塚啓介先生混同される方は多いですね。 iPSというのは、皮膚の細胞を遺伝子操作して万能化させたもので、誰にでも投与できるため、クスリのように広く販売する事が究極の目標です。ただ、遺伝子操作をしているためにリスクも生じてきます。 一方、今お話している幹細胞は、同じ再生医療でも、自分の細胞を取り出して培養加工するだけなので非常に手軽ですし、遺伝子操作をしていない分、リスクも少ないです。そのかわり、自分専用で他人に使うことは出来ません。

再生医療に、いまさらということはない

___幹細胞は始まりの細胞と言われていますが、個人差はないのでしょうか。

飯塚啓介先生同じ幹細胞といっても、赤ちゃんの持つ幹細胞と歳をとった方の幹細胞では違うんですよね。やはり赤ちゃんの幹細胞の方が能力が高いのです。 ただ今さらということはなく、今日が一番若い日ですから思い立ったら幹細胞を取り出して、これからの夢にかけてほしいなと思います。 再生医療は現代の医療が生み出した最高の技術なので、皆さんにはその技術による恩恵をぜひ享受して頂きたいと思っています。</span.

___再生医療というと色々なことができそうですが、身近な疾患でいうとどういったことに応用されていますか?

飯塚啓介先生とても身近なところで言うと、変形性の膝の関節症ですね。こちらに関しては当クリニックでは95%くらいの成功率で、痛みなどが改善しQOLがアップする方が多いです。 再生医療なんていうとすごい治療に思われがちですが、身近なお悩みにもとても有効的なんですよ。 あと、乳房再建などにも用いられています。乳がんで乳房をとった方の胸を再建する際に脂肪を注入するのですが、脂肪だけだとどうしても吸収されてしぼんでしまうんですよね。
でもその脂肪の中に幹細胞を混ぜて入れると吸収率が抑えられたり、長く留まってくれたりします。
同じ手術をするにも、長く持続させてくれるなどの効果が期待できますよ。

潤いを生み出す力を取り戻す

___最近では美容医療の分野でも再生医療が注目されていますが、具体的に美容にはどういった効果をもたらすのでしょうか。

飯塚啓介先生赤ちゃんの肌はつるつるで、しみやしわもなく、キメが整っていますよね。
その理由は、赤ちゃんの肌には、肌の潤いや弾力を支えているコラーゲンやエラスチンといったものがたくさん含まれているからです。
でも大人になるにつれ、コラーゲンやエラスチンが減ることによって、肌が乾燥したり弾力やハリが無くなってしまうのです。
若々しい肌に必要不可欠なコラーゲンやエラスチンを生み出しているのは、線維芽細胞という細胞です。
美容医療で行われる再生医療は、この線維芽細胞に刺激を与えて元気にする治療です。

___なるほど。つまり、コラーゲンやエラスチンを生み出す力が若い頃に戻るような感じですね!それは素晴らしいです。

飯塚啓介先生また、幹細胞を培養する過程で培養上清液​​というものができるのですが、その上清液には幹細胞から色んなサイトカイン(活性因子)が出るんです。 サイトカインが含まれた培養上清液​​の効果は多岐に渡ります。
例えば、この上清液を頭皮に注射すると毛髪が生えてきますし、しわやしみに注射しても効果があります。再生医療よりもより手軽に受けられる治療です。

___実際、幹細胞を肌に打った場合、どれくらいの若返りが期待できるのでしょうか?

飯塚啓介先生具体的に何歳若返ると申し上げるのは難しいのですが、幹細胞を打つことで新しく血管が増え、同時に幹細胞から分泌される成長因子などによってその周りにコラーゲンなども増えていき、お肌のハリがアップし、しわの改善が期待できます。

良いクリニックの見分け方

___再生医療も少しずつ広まってきていますが、良いクリニックの見分け方を教えてください。

飯塚啓介先生当クリニックはラボを併設していますし、M再生クリニック生命科学研究所では東京大学医科学研究所と共同研究を行って、最先端の技術を用いて研究を行っています。 ​​再生医療を受ける際は、そういったラボなどの設備がきちんと備わっているところが良いと思います。お値段だけで決めるのではなく、どれだけきちんとしているかを確認して頂きたいですね。

___幹細胞と一言でいっても脂肪から取り出すもの、歯髄からとるもの、臍帯血からとるものとさまざまあります。そこに違いはありますか?

飯塚啓介先生少しずつ性質は違うかもしれません。例えば炎症を抑えるには歯髄からとる幹細胞がいいんじゃないかという意見もあり、そういったことを研究されている先生もいらっしゃいます。 実際に当クリニックでもさまざまな実験をしたのですが、幹細胞も取り出し方や培養の仕方によって得られるサイトカインはそれぞれ違うんです。その中で最も効果を感じられるものをみなさまにご提供しています。 また当クリニックではずっと幹細胞の研究を続けていて、より良いものを生み出すように努めていますので、良いクリニックの見分け方でいうと、つまり当クリニックがいいということですね(笑)

___再生医療がもっと身近になって、健康に100年生きられたらいいなと、お話を聞いて思いました。

飯塚啓介先生人生100年時代といわれますが100年をどう過ごすかが大切で、それでいうと健康寿命につきると思います。 当クリニックに来てくれた患者さまのエピソードを一つご紹介しますね。 その患者さまはひい孫さんが生まれたのに、膝が痛くてひい孫さんと遊んであげられなかったんです。
でも当クリニックにきて注射をされたことで、今は一緒に遊んで買い物にもいけるんです。階段も今までははって降りていたけど、今では4階でも登れるようになってすごく喜んで頂けました。
こういった例は決して珍しいものではないんです。 今まで治せなかった病気が、再生医療によって治せるようになってきているんです。だからこそ、声を大にして再生医療の素晴らしさを伝えていきたいですね。

今日が一番若い日。幹細胞の冷凍保存もおすすめ!

___今回の取材で再生医療の素晴らしさをよく理解できました。ただ、再生医療をどのタイミングで始めるか迷います。

飯塚啓介先生最近は冷凍の技術も進んでいますから、お預かりした幹細胞を凍結して保存することができます。だから若くて元気な時にとった幹細胞を、歳をとった時に自分へのプレゼントとして治療に使うこともできますよ。 これから幹細胞の技術はどんどん進歩していくので、思い立ったときにやるのも良いのですが、今日が一番若い日ですから、ぜひ再生医療に興味を持って早めに取り入れていただけるといいなと思います。

プロフィール
飯塚啓介先生
東京大学医学部卒業​​。免疫学、内科学、頭頸学の研究で東京大学より医学博士。
がん治療を専門とし、がん遺伝子治療を国内に本格的に導入した草分け的存在。医術によるがん超早期発見診断とがん治療をはじめ、在宅医療にも積極的に携わっている。M再生クリニックでは東京大学医科学研究所と共同研究をしたり、クリニックにラボを併設するなどして、再生医療の開発と発展に努めている。
問い合わせ:03-5357-8964

ライタープロフィール
佐々木ひとみ
再生医療と聞くととても大層なもののように感じていましたが、とても身近な悩みにも高い効果を示してくれることがわかり、とても興味が沸きました。今日が一番若い日であるので、できるだけ早めに取り入れてみたいなと思います。