名古屋駅から徒歩5分の場所に構える「名駅なぎクリニック」。院長の橋本悟(はしもとさとる)先生は、皮膚科研究医としての深い知見と、国内外での研究経験を武器に、単なる美容ケアに留まらない「エビデンスに基づいた医療」を実践しています。「美容医療を、なんとなくの経験則ではなく、未来の医療として確立したい」と語る橋本先生。今回は、研究者としての顔も持つ先生に、医師を志したきっかけから、先生が得意とする複合施術について、詳しくお伺いしました。
「生命の不思議」を解き明かしたい。研究者気質から始まった医師への道

____先生が医師を目指されたきっかけについて教えていただけますか?
橋本悟先生実は、最初から「患者さんを治したい」という強い目標があったわけではなく、もともとは生物学的な「研究」への強い興味が始まりでした。物心ついた頃から虫を捕まえてはその構造を観察するのが好きで、生命の仕組みについて幅広く、深く研究できる職種を探した結果、医師という道に辿り着きました。
______数ある診療科の中で、なぜ皮膚科を選ばれたのでしょうか?
橋本悟先生皮膚科は、基礎研究が実際の診断や治療に応用されるスピードが非常に速い分野だからです。皮膚は人体の中で最もアクセスしやすく、研究と臨床が非常に密接にマッチしています。また、皮膚という局所を見ることで全身の状態を把握できる点にも、大きな魅力を感じました。
____そこからクリニックを開業されるに至った経緯を教えてください。
橋本悟先生最初から「絶対に開業したい」という強い野心があったわけではありません。様々な方とのご縁や、その時々の状況判断の結果として今の形があります。ただ、一つ大きな理由を挙げるとすれば、研究と臨床をより高い次元で両立させたかったという点です。
現在は基礎研究から、実際の患者さまを診る「臨床研究」へと活動の比重がシフトしています。将来的に、自分で責任を持って患者さまを診ながら、法人として独自の研究所を設立するような環境を作るには、組織に属するよりも自分で場を切り拓く方が、理想とする未来の医療を確立できる可能性が高いと考え、開業を決意しました。
また、美容医療の業界には、エビデンスが不透明なまま経験則だけで行われている施術が見受けられることもあります。そういった状況に違和感を持っていたからこそ、派手な宣伝よりも「落ち着いて受診できる環境」で、誠実に医学的根拠に基づいた医療を提供したいという思いも強くありました。
独自の「複合施術」で、肌のコンディションをトータルに整える

____クリニックには、どのような悩みを持つ患者さまが多いですか?
橋本悟先生当院は完全予約制の落ち着いた環境ということもあり、20代から50代まで幅広い層の方にお越しいただいています。お悩みとして多いのは、シミやニキビですね。特にニキビに関しては、保険診療の皮膚科でなかなか改善が見られず、悩まれている方が多くいらっしゃいます。
____先生が特に力を入れている施術について教えてください。
橋本悟先生特定のこの施術というこだわりはあえて持たないようにしています。それよりも、今手持ちにある治療の選択肢の中から、その方の肌にとって「より早く、より確実に効果が出る組み合わせは何か」を常に考え抜くことに注力していますね。一つひとつの施術には必ずメリットとデメリットがあります。だからこそ、それらを単体で行うのではなく、いくつか組み合わせてトータルでアプローチすることを大切にしています。
あえて言うならば、特定の治療メニューに力を入れるというよりは、「患者さまと一緒に治療プランを立てていくプロセス」そのものに最も力を入れていますね。ゴールを明確に共有し、そこに近づくための最善の道を一緒に考えていく。無理にこちらから押し付けるのではなく、効果はもちろん、その方のライフスタイルに本当に沿っているかどうかを、対話を通じて導き出すように心がけています。
当院では、一つの施術に固執するのではなく、複数のアプローチを組み合わせる「複合施術」*1をご提案していますね。例えば、ピーリングで肌のターンオーバーを整えながら、ピコレーザーやプラズマ治療を組み合わせることで、より効率的に理想の状態へ近づけるよう計画を立てます。
____「複合施術」を受ける場合、どのような流れになりますか?
橋本悟先生まずは受付後、デジタル問診票にご自身の悩みやこれまでの美容経験、治療のゴールを詳しくご記入いただきます。その後、まずは看護師やカウンセラーがお話を伺い、続いて私が診察を行いますね。診察ではお肌の状態を直接確認し、複数の治療案をご提案します。ここでは、患者さまが希望されても「逆効果になるためできない」ことは明確にお伝えし、副作用やリスクも包み隠さずお話ししますね。
内容にご納得いただけましたら、再度カウンセリングルームで具体的な組み合わせを相談し、当日のスケジュールに空きがあればそのまま施術へ進むことも可能です。施術前には、経過を客観的に比較できるよう、肌診断カメラ「VISIA(ビジア)」で現在の状態を撮影・記録。施術後は、そのままお帰りいただける体制を整えています。当院は完全予約制で、一般の皮膚科のような混雑もありませんので、リラックスして落ち着いた気持ちのまま帰路についていただけると思います。
美容医療は、自分らしく前向きに生きるためのツール

____先生が知識を増やしていく上で普段から行っていることがあれば教えてください。
橋本悟先生医師である以上、毎日が勉強だと考えています。定期的に学会へ参加するのはもちろんですが、日々のルーティンとして欠かせないのは最新の医学論文を読み込むことです。医学の世界では英語が共通言語ですので、グローバルな視点でのデータ収集を常に心がけています。
また、私には世界中に医師の友人がいます。彼らと定期的に連絡を取り合い、最新の治療動向や臨床データについて意見交換を行っていますね。実際に、現在でも定期的にフランスの研究所などへ足を運ぶようにしています。現地の先生方と直接対面し、ディスカッションを重ねることで得られる知見は非常に貴重です。こうした国内外のネットワークを通じて、常にアップデートされた知識を自身の臨床に還元し、患者さまへより精度の高い医療を提供し続けたいと考えています。
____診察を行う上で、先生が最も大切にされていることは何でしょうか?
橋本悟先生患者さまが「SNSで見かけたこの施術をしたい」と希望されても、お肌の状態によっては逆効果になる場合もあります。まずは肌の状態をしっかりと見極め、お悩みの優先順位を確認することが何より大切です。
____最後に、この記事をお読みの患者さまへメッセージをお願いします。
橋本悟先生お肌の悩みは人それぞれですが、私はそれを単なる「病気かどうか」という基準だけで捉えてはいません。ニキビのように医学的な治療が必要なものだけでなく、たとえ病気と見なされないような些細な悩みであっても、ご本人にとっては非常に深いものであることを理解しています。
私がお肌を大切に考えているのは、肌が周囲との「コミュニケーションのツール」だからです。肌に悩みがあると、どうしても自信を失い、自分の殻に閉じこもってしまいがちです。それは、周囲とのコミュニティを広げる妨げにもなってしまいます。
どんなに小さな悩みでも構いません。まずは一度、お話を聞かせてください。一緒に解決の道を探していくことで、みなさんのコミュニケーションの輪がより広がり、毎日を明るく過ごせるようになるための手助けができれば、嬉しいですね。

