古賀文敏先生(古賀文敏ウイメンズクリニック)

不妊治療の名医
古賀文敏先生 
古賀文敏ウイメンズクリニック

福岡県の地下鉄天神駅より徒歩10分程のところにある古賀文敏ウイメンズクリニック。院長を勤める古賀文敏先生は不妊治療を主軸に患者さま一人一人のヒストリーに寄り添って行きたいと精神面でのサポートや託児所の経営、福岡市長とタッグを組んだプロジェクトなどあらゆる日本初の取り組みをして女性のサポートを行っています。そんな古賀文敏先生に不妊治療や患者さまとの向き合い方についてお話を伺いました。

患者さまのこれからの人生を考えていく不妊治療に

____古賀先生のご経歴と今のご職業を選んだ理由を教えてください。

古賀文敏先生”赤ちゃんに関わりたい”と思い大分医大を卒業後は久留米大学の産婦人科に入局しました。当時は新生児に興味があったので、日本で一番大きい新生児のNICUがある聖マリア病院で勉強したくて久留米大学に入ったんです。 そこでは小さい赤ちゃんが生まれてくる中で、不妊治療を経てご妊娠の方が結構多かったんですよ。特に堕胎児多胎児が不妊治療絡みっていうのが結構多くて。そんなところに関心を持っていた時に恩師が不妊治療を立ち上げてほしいということで、国立小倉病院で成育センターが立ち上げられたときに、体外受精専門の病棟を開くという仕事を受けました。

____貴院が特に積極的に取り組まれていることを教えていただけますか?

古賀文敏先生不妊治療を専門にするクリニックなんですが、単なる不妊治療に留まらず妊娠前後トータルして患者さまの支えになるような取り組みをしています。
不妊治療から産後ケアまで治療と心のサポートを重点的にしており”妊娠しやすい栄養バランス”や”新型出生前診断や精密な超音波検査を利用した胎児ドック””託児・教育施設と一緒に母子を支える産後ケア”などトータルして寄り添う環境を整えています。
”不妊治療”って女性にとって大きな転機なんですよね。色々な選択肢がある中で今の生きてる人生を後悔して欲しくないって想いがあって、患者さまとの対話を通して”これからの人生を考えていく不妊治療”ができたらと思っています。

妊娠しやすい体作りとは

____先生がご自身を「〇〇の名医」というとしたら何の名医だと思われますか?

古賀文敏先生不妊治療を専門にしているので、この分野の名医と言われたら嬉しいですね。加えて不妊治療だけでなく、妊娠しやすい身体作りにも力を入れています。分子整合栄養療法を導入して、個人個人にあった現状の分析と足りない栄養の解析を行っています。卵子の老化に負けない栄養セラピーの本2冊はかなり好評です。 さらに去年からは選択的卵子凍結も始めました。結婚してない人やLGBTの人でも自由に子供が欲しいと思えば選択できる未来のために一緒に考えて寄り添っていきたいと思っています。

____そんな古賀先生が特に注力して取り組まれていることはありますか?

古賀文敏先生妊娠しやすい体のための栄養バランスを一緒に考えていくことに注力しています。多くの女性は妊娠するチャンスを持っているんですよね。ただ年齢が上がってきたときに妊娠の確率が低くなることや卵巣機能が悪いときに確率が低くなるだけなんです。 多くの人が持っている妊娠する力を最大限引き出せるように栄養バランスの面からもサポートできればと思っています。

____妊娠しやすい栄養バランスの取れた食事と言うのはどのようなものですか?

古賀文敏先生一概には言えなくて人によって不足している栄養素は異なるんですよ。血液検査をしてデータとして明確にすることで不足した栄養素が何なのかを明らかにします。低栄養になると卵子の数も減ってしまうのでしっかりと食べることが重要です。実は妊娠しやすい体は埴輪のようなふくよかな体型なんですよ。

____なるほど。その栄養不足の血液検査は不妊治療の中でやってくださるんですか?

古賀文敏先生そうですね。初診のときに全員血液検査をして頂きます。足りない栄養素をそこで診て改善するところから始まります。栄養素が不足していると症状としても出るので内科的なアプローチをしつつ良い卵子を作って妊娠しやすい体にもっていくようにします。

不妊治療の高齢化

____先生のところにいらっしゃる不妊治療の患者さまの平均年齢はどれくらいですか?

古賀文敏先生40歳以上が多くて、体外受精されている方の平均年齢は42歳です。
やはり女性がバリバリとお仕事をする時代になって結婚・出産の平均年齢も上がってきているじゃないですか。それに伴って不妊治療も女性のエイジングと戦っているんですよ。
例えばマウスは24ヶ月の寿命のうち12ヶ月で妊娠しなくなるんですね。女性の人生が80歳までとすると40歳で妊娠しなくなるのは当然なんです。そこを妊活の平均年齢が上がったこの時代でどう解決していくのかっていうのが現代の不妊治療のテーマの一つになっていますね。

____ちなみに女性のエイジング治療というとどのような治療になりますか?

古賀文敏先生一つはエイジングのための食事療法。もう一つは若いうちに卵子を凍結する手段を選択することです。
女性って妊娠があるから結婚焦るじゃないですか。だけど卵子凍結することでそんな年齢のバリアをとって自由に選択できる未来にしてあげたいんですよ。クリニックでサポートするので安心して自分のライフスタイルを生きてくださいって思うんです。

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妊娠後は胎児ドックで安心感を

____不妊治療を経て妊娠した後もご不安に思う方は多いですよね?

古賀文敏先生そんな方のために妊娠した後は”胎児ドック”を行っています。
不妊治療を経て妊娠できたときって医師が大丈夫と言っても患者さんは心配なんですよね。胎児の超音波の専門家の先生をお呼びして”胎児ドック”をしています。
胎児ドックではお腹の赤ちゃんが障害なく健康に育っているか細部まで確認することができるんですよ。胎児ドックで少しでも早く安心感を持ってもらえたらと思います。

心の産後ケアが最も重要

____貴院の産後ケアについて教えてください。

古賀文敏先生通常の産後ケアって出産時に使うベットの空きで寝てても良いですよって感じのところが多いと思うんですが、当院では”心の産後ケア”をしています。 産後1ヶ月くらい経った時って孤独に悩むお母さんが多いじゃないですか。周りに頼れる家族や友人がいなかったら孤独の中で赤ちゃんと対峙しなければならない。ご主人とも心が離れてしまう危険性もあります。ホルモンのバランスや栄養が足りないことも孤独感を助長させてしまうことも。 当院は、二人目不妊の方やスタッフのためにピジョンの託児施設を引き継いだキッズフォレストを持っています。ベテランの保育士と当院の助産師がともに母親と赤ちゃんを支える産後ケアを開設しています。多分日本では初めてじゃないかと思いますよ。
ベテランの保育士たちが子供達と遊んでいる姿を見せて「こうやって遊べばいいんだ」とか「うちの子は特別じゃないんだ」という安心感を与えられたらいいですね。
もちろんお母さんご自身についてのお悩みは助産師がついて個室でゆっくり休みながら傾聴しご提案させていただきますが、子育ての悩みには第三者の視点で見てもらうことで心の産後ケアにも取り組んでいます。

女性も年齢や男性にとらわれず選択できる時代へ

____古賀先生が患者さまと普段どのように向き合われているのか。先生の想いを教えてください。

古賀文敏先生そうですね。患者さまがどんな人生を歩んできて、これからどう生きたいのかってところに治療を通して選択肢を与えられたらなって思っているんです。 不妊治療と言ってもご主人様との関係で悩まれている方も結構多くて。 不妊治療がきっかけでもそれだけに留まらずこれからの生き方の選択肢を一緒に考えて寄り添っていきたいと考えています。前向きな気持ちで不妊治療してもらいたいですね。

____今、福岡市でプレコンセプトケアと言うプロジェクトをされているそうですね?

古賀文敏先生はい。去年から女性が”妊娠する前の準備”を支援するために福岡市の30歳の女性にワンコインで卵巣の中に卵子がどれぐらいあるのか調べるというものを行っています。日本で初めてのプロジェクトで福岡市長のご協力の元進めています。 女性がより自立して生きるために”出産があるから”で仕事やパートナー選びを失敗してほしくないというか。ハンディなく選択していく世の中になればいいなと思っています。

プロフィール
古賀文敏先生
大分医科大学(現大分大学)卒業後、久留米大学産婦人科学教室入局。久留米大学病院、国立小倉病院を経て聖マリア病院新生児センターにて出産後の母子ケアを学ぶ。その後国立小倉病院生殖医療センター立ち上げに関わった後に久留米大学不妊・内分泌部門主任を経て、2007年5月に福岡市中央区大名に古賀文敏ウイメンズクリニック開院。
2014年6月に胎児診断のために副院長を招聘して福岡市中央区天神に移転・拡張。福岡大学産婦人科臨床教授、日本生殖心理学会理事長、日本レーザーリプロダクション学会副理事長、日本IVF学会理事を務める。
お問い合わせ先:電話番号 092-738-7711

ライタープロフィール
kawabe hinata
不妊治療がメインでありながらも妊娠する前後のサポートもしたいと言う古賀先生。女性の人生に寄り添いたいという熱い想いを感じました。