根治のための気づきの名医【若松順子先生/神田ホリスティックひふ科】自分で自分を治すためのサポート

2019年、多くのビジネスマンが行き交う千代田区神田に開院した「神田ホリスティックひふ科」。西洋医学的な治療に加えて自然療法のアプローチも取り入れ、患者さまの心と体の全体的な診療に取り組まれています。 今回は、クリニック名についた「ホリスティック」という言葉に象徴される診療に対する姿勢や患者さまへの想いについて、若松順子院長にお話を伺いました。

患者さまを全体的にサポートするクリニック

____クリニックを開院された理由を教えてください。

若松順子先生父親が皮膚科医であることと、自分自身がアトピー性皮膚炎だったこともあって、皮膚科はとても身近な存在でした。 そして、長男の妊娠・出産を経て、 興味が出てきたのが自然療法。 勉強を続けていくうちに、患者さまの悩みに対して自然療法的な面からアドバイスをしたり、生活指導を行ったり、全体的にサポートするような治療がしたいと考えるようになりました。ところが、そのようなクリニックや病院があまりなかったんですね。それで自らクリニックを開院することにしました。

____神田ホリスティックひふ科について教えてください。

若松順子先生一般皮膚科と美容皮膚科を標榜しています。自由診療では、アロマセラピストやボディケアの先生、鍼灸師さんなどの力もお借りして、 薬を使わないアプローチも行なっています。

____お薬を使わないで治せるのはいいですね!

若松順子先生薬によって症状が出なくなることを、「治った」と多くの方は考えますよね。ですが、薬をやめたらまた症状が出てきたと言って来院される患者さまも多いんです。薬は結局のところ症状を抑えるためのものなので当然のことですが、患者さまは薬で治すと思っています。ですが実際に治しているのは薬ではなく、あなた自身の体なんです。 クリニックではそんなところからお話しすることも少なくありません。 さらにはそういった症状が出ないように自分で何に取り組んだら良いか、アドバイスや生活指導までできることも神田ホリスティックひふ科の強みだと思っています。

___薬を使いたくないと言う患者さまも多いですか?

若松順子先生そのような考え方をされる患者さまもたくさんいらっしゃいます。 ただ、薬を使わずに治療するのがいつも一番良い方法というわけでもありません。患者さまのQOLが上がって、元気で幸せに生きていけるのが一番。ですから、ステロイドも含めて薬が絶対に良くないとも思っていませんし、患者さまが必要と思えば処方することもあります。処方するからには、使い方まできちんとアドバイスさせていただきます。

自分で自分の名医になってほしい

____どのような悩みを抱える患者さまが多いですか?

若松順子先生場所柄、会社員の方も多いので、一般皮膚科で取り扱う水虫や虫刺されという患者さんもたくさんいらっしゃいますね。 当院の特色としては、、薬をずっと使ってきたけれどやめると症状が出るのでどうしたらいいかわからない。いわゆる、ステロイド離脱をしたいけれどできない。やってみたものの苦しくて仕方ない。そんな患者さまが多いのも特徴かもしれません。 病名で言えば、アトピー性皮膚炎やニキビなどが多いでしょうか。

____先生を何かの名医と言うとしたら何になるでしょうか?

若松順子先生病気が根本から治ることを目的にしているので、何かの名医と表現するのは難しいですね・・・。ただ、自然療法と西洋医学の橋渡しができる存在でありたいとは思っています。自分を治すのは自分でしかありませんし、私が治してあげるという意識はないんです。むしろ「患者さま自身が名医になって」と言いたいかな。

____確かに最後は自分の力だったりしますよね・・・。

若松順子先生もともと病気を作りだしているのも自分と言える部分もあって。もちろんそうではない病気もありますが、食生活の乱れや生活習慣が原因になっていることも多いんですよね。だから自分が治療の当事者になって治す。そういう意識に変えていかないと、いつまでたっても治らない場合もあります。

辛い状態から立ち直るための支えになりたい

____インスタグラムでは心強いメッセージをたくさん発信されていますね。

若松順子先生ありがとうございます。何か辛さを抱えている方が立ち直るための支えになれたらいいなと思って、発信しています。病気としては皮膚に表れているけど、根本的な問題は別のところにあって、病気がなかなか手放せない、病気にがんじがらめになっているような方もいますので。

____そうするとメンタルケアもかなり重要になってきますか?

若松順子先生そうなると思います。気持ちの落ち込みなどがそのまま皮膚に出るとまでは言い切れませんが、皮膚の病気が原因でメンタルをやられてしまう方というのは、経験上かなり多いと感じています。やっぱり目に見えるところですから。 ただメンタルケアと言っても、精神科医として働いた経験があるわけではないので、病名をつけることはできませんが、病気を手放すためのメンタルを教えたり、苦しい時に楽になるようなお声がけをしたりということで患者さまが立ち直れるようなサポートをしています。

エムセラは尿もれ治療の救世主!

____話は変わりますが、エムセラをかなり早くから導入されたようですね。

若松順子先生そうなんです。純粋に私がやってみたかったということなんですけどね(笑)。エムセラ*1​​ は機械に座っているだけで、骨盤底筋群を鍛えてくれて、排尿機能や膣の締まり具合を取り戻してくれます。尿もれで悩んでいた方の救世主になると私は思っていて・・・。保険が通ったらいいのに!!

____そんなに良い治療法なんですね。

若松順子先生これまでも尿もれや膣の緩みを治療する機械はありましたが、膣に挿入するタイプが多くて、それだと患者さまにもハードルが高いですよね。 エムセラは洋服のまま1回28分座っているだけ。この間に「超極大筋収縮」を1万7000回以上起こして、自分で筋トレするのとは比較にならない程の効果をもたらしてくれるんです。

____どんな方におすすめですか?

若松順子先生尿もれが気になり出す中高年の女性は、もう全員やってほしい!そのために値段もかなりお安くしています。早く始めた方が効果がありますし、産後の尿もれに悩むお母さんには早めに対処しにいらして欲しいです!それに、実は男性にも良いのではないかという声もあるんですよ。

____そうなんですか?

若松順子先生友人の泌尿器科医や周りの声だけですけど(笑)。これまで腰が辛くて長時間座っているのが苦痛だった高齢の父の友人がエムセラをやってみたところ、すごく楽になったのだとか。筋トレの効果かもしれませんね。 廃用症候群の予防やケアにも役立つと感じています。高齢者には特に受けやすい値段設定をしてありますのでご利用ください!

いずれは中医学を取り入れた診療も

____これからの展望などがあれば教えてください。

若松順子先生最近、中医学の勉強を始めたんです。いつか習ってみたいと思っていましたが、たまたま良いご縁がありまして。 実は患者さまの中には薬は使いたくないけれど、漢方薬なら使ってみたいという方も多いんです。

____中医学って、つまり漢方のことですよね?

若松順子先生漢方には日本漢方と中医学がありまして、一般的に『漢方』といえば日本漢方を指すことが多いようです。どちらももともとは中国から来ているものではありますが、日本漢方は日本の中で独自に発展したもの。 どちらも漢方薬を使うことには変わりないんですが、日本漢方は患者さまの症状を診て、それに対応した薬を処方する。それに対して中医学は、病気の本質や患者さまの体質などを見定めて、よりオーダーメイドな治療法を組み立てていくんです。

____興味深いですね!

若松順子先生私もすごく楽しんで学んでいます。中医学的な目線で患者さまを診ていくのもいいなと思っていますので、いずれ治療に取り入れていきたいと考えています。

自分の体の感覚を大切に

____最後に、エイジングが気になる年代の女性に向けてメッセージをお願いできますか。

若松順子先生美容と健康は同源だと思っています。若い頃なら不摂生してもきれいでいることはできるかもしれませんが、加齢とともにエネルギーが下がってくると、生活を見直さなくてはいけません。 美しく生きることは健康で生きることでもあるので、両者を区別することなく、自分の体のために柔軟に。

____柔軟に、というのは?

若松順子先生例えば正方形を十字で区切って、それぞれ4つの空間は異なる不調の状態を示し、その中央が健康だとしますよね。

____マトリクスチャートのようなイメージですね。

若松順子先生左上の状態の人が健康になるためには、右下の方向へ向かうようなことをする必要がある。それを続けていくとどんどん中央(健康)に近づいていくので、調子が良くなります。でもやりすぎて中央を通り越してしまえば、またどんどん健康から遠ざかっていくんです。

____ああ、確かに。今度は右下の不調の状態に向かってしまう・・・

若松順子先生つまり健康のためにやっていることでも、ある限度を超えてしまうと不健康につながる。自分がやってみて今までは良かったことでも、常に自分の体の状態を見ながら調節していく必要があるんです。 健康に良いとされるものも、そればかりを貫いていくことが必ずしも良いとは思えませんし、誰かにとって良いものが、必ずしも自分に合うとも言えません。ですから常に自分の感覚を大切にしながら、柔軟に健康を目指して取り組んでいってほしいですね。

プロフィール
若松順子先生
東京医科大学卒業、東京医科大学付属病院皮膚科学講座勤務を経て、2019年神田ホリスティックひふ科を開院。日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医、日本臨床皮膚科医会所属、ポスチュアウオーキング協会認定インストラクター
問い合わせ:03-3294-1112

治療メニュー等

取材日 2023年5月9日
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■施術名:エムセラ
■施術の説明:加齢・出産・閉経などによる尿失禁(尿漏れ)や性機能障害の悩みを、骨盤底筋群を鍛えることで治療する機器です。M R Iの技術を応用して、E M Sや自己での筋トレでは到達できない「超極大筋収縮」を1回の治療で1万7000回以上起こさせることで、非常に高い筋トレ効果をもたらします。
■施術のリスク・副作用:筋肉痛(体内に金属や機械類が入っている方、出血性の疾患をお持ちの方、悪性腫瘍の方は受けることができません)
■回数:1クール6回、週に1、2回
■費用:体験1回 8,800円(1人1回限り)/1回(28分)12,000円/1クール(6回セット)60,000円/1クール終了後アフターケアとして1回 5,500円/70歳以上(6回セット)40,800円
※記載金額は取材時点での金額となります。来院される際には、必ず正確な金額をクリニックへご確認ください。 ※金額は税込価格です。


ライタープロフィール
松本亜紀
最後のマトリクスのお話に深く感銘を受けました。何事もほどほどに、行き過ぎれば全ては毒にもなり得るのだと改めて教えられたような気がします。個人的にも学ぶことが多い貴重な取材となりました。悩んでいる方は、まずは先生のインスタグラムを覗いてみては?