溝の口、自由が丘、二子玉川と3院の皮膚科専門クリニックを構える玉城先生。患者さんとの1対1のコミュニケーションを大切にされながら、ニキビからたるみまで幅広い世代の肌悩みと向き合っていらっしゃいます。
玉城先生はメディアへの出演等でも積極的に発信されており、今回は主にニキビに関して大切なケアのポイント、また最新の美容医療について伺いました。
患者さんのその後の経過までしっかり見たい。と言う思いから開業へ
____先生が皮膚科医を目指されるきっかけについて教えてください。
玉城 有紀先生父が内科医として開業していたので、お医者さんという職業は身近でした。研修医になり最初は内科に行こうと思っていて研修医で経験はさせていただいたのですが、経過が目に見えてわかる皮膚科をとても魅力的に感じたのです。 患者さんの診ている皮膚のただれが1週間で劇的に修復したり、皮膚の病気は見た目でも病名や重症度がわかり、診断ができることが面白かったですね。
____確かに、ニキビがなくなって肌ツヤが良くなると嬉しいなという気持ちになります。開業に至るきっかけは何だったのでしょうか。
玉城 有紀先生出産から復帰して何年か勤めていたのですが、非常勤であることをもどかしく感じていたのが大きなきっかけですね。週に出勤する日が限られているため、今目の前の患者さんが、次の診察で私が担当となるかがわからない。
そうなると1人の患者さんの経過を追うことが難しくなってしまって。
当時は溝の口で往診の仕事も行っていて、老人ホームや個人宅を訪問していたため土地勘があり、自宅からも近いという理由からまず溝の口で開業をしました。現在は自由が丘、二子玉川とクリニックを続けて開業し、今では3院全てに出勤をするようにしています。
ニキビ治療は薬をもらって終わりじゃない!その後の経過も大切なポイントです。
____先生のクリニックに来院される患者様のお悩みTOP3を教えてください。
玉城 有紀先生1位はニキビです。若い方では10代から来院されますね。2位はアトピー、湿疹。3位はお子さんの皮膚トラブルです。お子さんのトラブルとしては、カサカサ、擦りむいた、トゲが刺さったなど様々なものがあります。
____若い方も通われているようですが、ニキビはどのように治療を進められるのでしょうか。
玉城 有紀先生ニキビはまず保険診療の適応範囲から治療を開始します。抗生物質の塗り薬や、ピーリング作用のある塗り薬をお出ししたり、肌を整えるためのビタミン剤や漢方薬を合わせて処方します。ニキビの症状がひどい方には飲む抗生剤を処方することもあります。 他にも、自費診療ですが直接ニキビの原因となる皮脂腺に高周波を入れるアグネスや、毛穴詰まりを取る機械を使う治療法もありますね。
____ニキビひとつとっても様々な治療法があるんですね。ニキビを出来るだけ早く治したい!と思う方が治療の際に気をつけるポイントはありますか。
玉城 有紀先生ニキビ治療は長引くと跡が残ってしまいやすく、赤みができてから治すのは時間がかかってしまい大変です。少しでも早く治療を始めた方が治りやすくなります。
また、クリニックで処方された薬の使い方も大切です。薬を途中で止めてしまうと、またニキビ肌に戻りやすくなってしまいます。
塗り方も大切ですので、他院と同じ薬を使ったケアだとしても、薬を塗る目的や塗る方法までしっかりフォローすることが重要だと感じています。
アトピーや湿疹も光治療との組み合わせでコントロールが可能に
____アトピー、湿疹はどのように治療を進めていくのでしょうか。
玉城 有紀先生ステロイドの塗り薬がメインですが、ステロイドを使いたくないという方はそれ以外の薬も使い分けて治療します。痒みがおさまらない方はアレルギーの薬を併用したり、保険診療の範囲内で光治療をすることも可能です。
____光治療と言うのは初めて耳にしました。光を当てることで治療ができるのでしょうか。
玉城 有紀先生結構、劇的に変化しますよ。アトピーを直接治すというよりも、光を当てることで痒いという感覚を抑えることが可能です。
当院には小型と全身に当てる日焼けマシンのような型と2種類あり、湿疹の範囲に合わせて施術します。特に全身型のものは頭の表面にも届くので、頭皮が痒い方にも効果があります。
さすがに1度で治療が完了することはありませんが、1回でも痒みがかなりおさまりますので、初回は週に2回から開始し、ひどくなったら当てることを繰り返していきます。ある程度痒みが治った後はコントロールがよくなるので、回数は減っていきますね。
日光アレルギーがなければ検討してみても良いと思います。
たるみは気になり始めた頃からのケアが大切。10年後の肌が変わります。
____先生がアラフォーの方に向けて自腹を切ってでもチョイスしたい施術を教えてください。
玉城 有紀先生糸リフトやハイフはオススメです。50歳を過ぎたら本格的なたるみを切開して上げる手術もありますが、少したるんできたかな?と気になり始めるのは一般的には30代の後半くらいだと思うんですよね。
気になってきた時からエステ感覚でも、ハイフや糸をメンテナンスとして取り入れると良いと思います。
こちらの記事もおすすめ
HIFU(ハイフ)とは? 小顔になりたい人必見の美容施術
____アラフォー女性の方が受けるとしたら、糸とハイフとどちらがオススメなのでしょうか。
玉城 有紀先生どちらを受けられても良いですよ。糸の場合はお顔に異物を入れるので、怖いと思われる方はハイフから始められると良いでしょう。
もちろんコンビネーション治療として両方受けられても大丈夫です。相乗効果でたるみを引き上げる効果があります。
ハイフは機械やメーカーもいくつか種類がありますが、私の院ではリフテラV *1と言って、ペンシル型で目の周りのキワまで当てられるものも使っています。
____機械だけでも種類が様々ですよね。糸リフトはどのようなものがあるのでしょうか。
玉城 有紀先生糸もパソコンのように年々新しいものが世に出ていて、その年に沿ったトレンドがあったりします。
解剖学的に系の通し方には決められた基準がありますので、どの糸を使うかも含め、何本入れるか、どこから入れるかは各院の先生が患者さんの要望を聞きながら最適なものを選んでいくと思います。
いずれの施術も劇的に顔を変化させることはなく、日常の中で手入れをすることで老化をゆっくりさせるものです。50代からでも遅くはありませんが、いつからメンテナンスを始めるかで40代後半に差が開くなと感じます。出来るだけ今の自分の状態を少しでも維持したいなら早めに施術を検討していただくことをオススメします。
(※糸リフトは玉城先生のクリニックでの取扱はありません)
飲むサプリメントと外側からのビタミンAのケアで若い自分よりもキレイな肌を目指しましょう。
____先生が愛用しているアイテムを教えてください。
玉城 有紀先生飲むプラセンタが好きで愛用しています。私が使用しているのは豚由来の豚プラセンタが含まれているサプリですね。
注射として直接打つプラセンタもあって、打っても良いし飲んでも良いのですが、注射の場合は一生献血ができなくなってしまうので、同意書をいただいてから注射を行います。サプリに関しては献血の制限は特に有りません。
____献血ができないとなると、飲むプラセンタの方が気軽に試せて良いなと思いました。コスメや化粧品に関してはいかがでしょうか?
玉城 有紀先生化粧品はビタミンA(トレチノイン)が入ったものを使い始めてから、赤ちゃんみたいなモチモチした肌に劇的に変わりました。明確な肌悩みが元々あった訳ではないものの、正直40代の今の方が20代のころに比べて肌の状態は良いと感じています。 ビタミンAの濃度によって刺激が異なってきますので、肌が弱い方は濃度の低いものから試したら良いと思います。もしくは、濃度が濃いものは毎日ではなくたまに使う程度が良いと思います。実は、私の60代になった母も大変お気に入りで、以前はシミをなくすためにレーザー治療も行っていましたが、今ではセルフケアだけで随分キレイになりました。
肌悩みからの不快な気持ちを治った喜びに変えていきたい。その状態をキープをすることも大切だと感じています。
____主にニキビケアについて、細かく教えていただきありがとうございました。最後に患者様と普段どう向き合われているのか、その想いをお聞かせください。
玉城 有紀先生かゆい、痛い、ニキビで辛い、など、ただでさえ辛い思いをされている患者さんに、できる限りお気持ちに共感して、何とかしたい!と熱い想いで治療に励んでいます。 クリニックは悪くなった時にだけ来る印象の方が多いのかもしれませんが、先ほどニキビのケアポイントでもお伝えしましたが、ニキビの多い方が一度良くなった後も、いい状態を長く維持するためにはぜひ病院へ通ってほしいのです。 角質のピーリングなど、お肌のメンテナンスも歯と同じく定期的なメンテナンスだと思って来院いただくと嬉しいです。ぜひ患者さんには出来るだけ継続的に通っていただき、その後も経過の良い状態をキープするまで見届けていきたいです。